お漏らしなんて
「とりあえず、自然に裸足ならなくてはならない時を待ちましょうか」
「自然に裸足に?なんで……?」
「急に彩香ちゃんが裸足になったらクラスメイトの方達はどう思います?多分沢山の注目を浴びることになります。なので、クラスメイト全員が納得できる理由が必要なのです」
なるほど確かに、そうだ。いきなり裸足になって生活できるんならとっくにそうしてる。
「とりあえず、数日待ってみましょう」
「わかった」
「後、ここだけの話なんですが-……」
彩香ちゃんは俯いて小さな声で言った。
「私も裸足でいる事は多少恥ずかしいです……。転校生なのにいきなり裸足って……周りの方達引いてますよね?」
「えっ!?そんな事ないよ!確かに最初はみんな、不思議に思っただろうけど」
「そうですよね。でも、私は裸足でいる事が大好きなので、早く沙織さんにも裸足になって欲しいです!」
「うん!頑張るよ!」
でも、自然に裸足になる時っていつだろう?
少し時間が経って、今は三時間目。実は今私ピンチなんです。何がピンチって?それは……
トイレに行けない事です。
三時間目は数学の小テスト。とてもトイレにいきたい、なんて言える雰囲気じゃない!やばいよ!もう立てない。でもこのままだと、教室で漏らしちゃって、そしていじめられて……。ああっー!
どうしよう!残りの時間は……後、三十分!?
無理無理!我慢できない!
「沙織さん?どうしたんですか?」
「彩香ちゃん……ちょっとやばいかも……」
「……?」
「トイレに……」
「本当ですか!わかりました。ちょっと待っててくださいね」
何するんだろう?
「先生、中田さんが体調悪そうなので保健室に連れていきます」
「中田が?本当だ、顔色が悪いな。すぐに連れて行ってやれ」
「わかりました。さぁ沙織さん肩を貸してあげます」
「ありがと……彩香ちゃん」
私はどうにか、彩香ちゃんの肩に捕まり立つことができました。やっとの思いで教室を後にします。
「大丈夫ですか?」
「もうダメかも……。あっ……んぅ……ハァハァ」
「頑張ってください。トイレまで後少しです」
私達の教室は、廊下の端っこ。その反対側の端っこにトイレがあります。
やばい本当にやばい。この歳でお漏らしなんて絶対したくない。でも、もう限界かも……
「ハァハァ……んぅ……ハァハァ……我慢……しないと」
後少しだ、やっとトイレに着いた。
「着きました!」
「ありがと……ちょっと待って……きゃ!?」
後一歩でトイレに入れるという所で、私は足を滑らせて、転んでしまいました。
「大丈夫ですか!?なんでこんなトイレの前の廊下濡れてるんでしょう?沙織さん立てます?」
「無理……もう立てない……もう……」
その時、足に温かいものを感じました。漏らしてしまいました。
「ぐすっ……なんで……?この歳で漏らすなんて……」
完全に彩香ちゃんにも惹かれた。彩香ちゃんはもうどこかに行ってしまっている。もう嫌だ、人前で、学校で漏らすなんて……
「もう……嫌だ……」
「沙織さん!ここは掃除しておきますから、早く着替えを!」
「えっ……彩香ちゃん……?」
「私が、沙織さんのジャージを取りに行きました!早く着替えをしないと授業終わっちゃいます!」
「わかった……」
私は立ち上がりました。パンツやスカート、そして靴下はぐしょぐしょに濡れていました。
パンツとスカートを脱いで、タオルで身体を履いて、体操服の半ズボンをそのまま履きます。パンツがないから気持ち悪い……
そして靴下を脱いで、裸足になります。上履きもビショビショなので、履くことができません。
上のシャツも体操服に着替えました。
そして汚れてしまった服や上履きを洗面器で洗いました。
外では、彩香ちゃんが私の漏らした所を綺麗に掃除してくれていました。
「沙織さん。すいません、私がもっと早く気づいていれば……」
「いやいや、彩香ちゃんのせいじゃないよ。私がドジなのが悪い……でもこの事を他の人には……」
「わかっています!私が上手く言って着替えた理由言っときますね!だからこの事は二人だけの秘密です。そして、沙織さん?今あなたあんまり意識していませんが……裸足になれましたね!」