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私は私で生きていく  作者: 鳥栖 凌竣
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昔話

「確か裸足になったのは小四の頃だったと思います。それまで私は普通に靴下を履いていました。別に靴下が嫌いと言う訳でもありませんでした」

「ならどうして……」

佐藤さんは少し、恥ずかしそうにして答えました。

「ある日、掃除をしていたら私の足にバケツに入っていた水がこぼれたんです。勿論、私は靴下を脱ぐことを余儀なくされてしまいました」

佐藤さんは上履きを脱いで椅子に体操座りするような形になり話を続けました。

「最初はとても恥ずかしかったです。クラスの中で一人だけ裸足なんて。でもなんででしょうか、裸足でいることが爽快と言うかなんと言うか、気持ちよかったんです。その日私は一日中裸足で過ごしました。帰って靴下を履いてみたのですが、とても履いていられるものではありませんでした。それから私はどんな日でも裸足でいるのです」

私は、はーっとなってその話を聞いていた。

「あっ!す、すいません!話しすぎですよね!?気持ち悪いって思いました……?」

佐藤さんは椅子の上の足を上履きの中に戻して、顔を赤くしてしまいました。

「いや、違うよ……。気持ち悪いなんて思ってない。むしろその逆」

「……逆?」

首を少し傾けて、佐藤さんが聞いてきます。

「実は私も裸足でいる事が大好きなんだ。でも、恥ずかしくて……。中々人前では裸足になれなくて……」

「そうだったんですか。そうだ!では、私と特訓しましょう!中田さんが裸足になれるように!」

「えっ、いいの?」

「勿論です!裸足仲間がいる方が私ももっと堂々とできて恥ずかしくないですし!」

裸足仲間か、今までそんな友達いなかったから、私は嬉しかった。裸足好きを理解してる子なんて中々いない。

「では、よろしくお願いします!沙織ちゃん!」

不意に下の名前で呼ばれてドキッとしたが、そうかもう、友達だもんね。

「こちらこそよろしくね。彩香ちゃん」

こうして、私の裸足になる為の特訓が始まった。


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