裸足になりたい
私が私で生きていくためにはどうすればいいのか?
好きな格好、好きな遊び好きな事をする事が1番大切だと思う。
私はそう思ってきた。だから私は好きなように生きてきた。でも1番好きな事が今だにできていない。それは裸足でいる事だった。
私は中田沙織、高校2年生だ。私は裸足でいる事がとても大好き。家では年中どんな季節でも裸足でいる。
靴下は嫌いだ。なんだって締め付けられるから、気持ち悪い。
だから本当は学校でも裸足で過ごしたいけど……
恥ずかしい!!
流石に恥ずかしいよ。一人だけ裸足なんて……
いっつも靴下は履いてるけどもう我慢の限界だ!
でも恥ずかしさには勝てないよ!!
はぁ〜。転入生なんかが裸足の子だったら私も裸足になれそうなのに……
そんな都合いい事ないよな……。
「今日から新しい仲間を紹介する」
次の日先生から発表があった。
「えっと……初めまして……。今日からお世話になります。佐藤彩香です。よろしくお願いします」
自己紹介とともに送られる拍手、そして少しのざわつき。
「席はあそこだ。中田の隣だ。中田!案内してやれ」
「はいっ!」
そう言えば朝来た時この机なんだろって思ってたけど、こう言う事だったんだ。なるほどなるほど。
席は私の隣、彼女は身長は155センチくらい、ショートで少し茶色がかった髪の毛。少し恥ずかしがり屋で大人しそうな子だった。何もかも普通の女子高生!って感じの子だ。でもモデルさんのように可愛い顔をしている。ただ一人だけ私は気になる事があった。
「中田さん……ですか?よろしくお願いします」
「うん、こちらこそよろしくね」
「えっと……佐藤さんって、なんで裸足で上履き履いてるの?」
うわーっ!聞いてしまった!どうしよう!佐藤さんビックリしてるよ!顔赤いし!
「ごめん気にしないで」
「いえ、すいません。いきなり聞かれたから少しビックリしました。」
佐藤はそう言って自分の足を見ながら言った。
「確か裸足になったのは小四からだったと思います」