第1章・第3話
一週間に一度の更新(大嘘)
だいぶみじかい
ププルアを齧りながら歩き続けると、切り立った丘のようなものを見つけた。
ぐるりと周りを確認してみると、一部の壁に大きな穴が開いており、その中も結構なスペースがあるのを確認できた。
「問題は、先住者が居そうってことかな」
そう、なにやら生活の名残があるのだ。
とはいえ、人間のような知性を感じさせる類の名残では無い。
よくわからない骨やらよく見知った骨やらが一部に散乱しており、此処の住人はどうやらお肉が大好きという事を物語っている次第。
「この骨って頭蓋骨だよなぁ、人間の…」
うへぇ、友好的な隣人では無さそうだ。一先ずこの場を離れ、どうするかを熟考しようか。
入り口を視認でき、且つ隠れられるような場所を探し、そんな都合の良い場所が無い事に頭を抱える。
マジかよ、どうすっかな。
ふと横を見ればププルアの樹。
結構、背が高い。
………。
木登りかぁ。
もうかれこれ十何年ぶりだ、ちゃんと登れるかしら。
だが登らないと隠れられないし、見つかったらめでたく異世界で無双する前に食材デビューを果たしてしまう。
そんな未来は断固拒否したいので、諦めて足の掛けやすい場所を確認しつつ、よじ登る。
「なんかこう、思ってた異世界転生とっ、だいぶ違うよ、なっ!」
愚痴を吐きつつ必死に登る。
まさか寝床の強奪の為に、木登りをすることになるとは思わなかったんだぜ。
しかし必要な事だ、泣きそうになるが我慢して登ろう。男の子だモン。
なんとか幹部分を越え、太い枝にしがみついてさらに上の枝を目指す。
どうやら【身体強化】が効いているらしく、かなりスイスイ登れた。
そして下からは見えないだろう位置に陣取り、腰を据えて今後の方針を考える。
差し当たって目の前の寝床だが、これは確保したい。
確保する為には先住民の排除が必須であるが、これが問題である。
そもそも相手の情報が無さ過ぎる。
邪霊ちゃんは弱かったから良かったものの、強い生物と鉢合わせしなかった今までが幸運だったのだ。
しかし今回は既に犠牲者がいる。
そんなの相手に前情報無しで初見プレイとかマジムリ。
文字通り命が懸かってるんでね、攻略情報でも無いとやる気が起きない。
で、だ。
まずは相手の情報を得よう。
寝床に帰って来た先住民を【鑑定】しつつ、方針を決めよう。
もしやれそうなら寝込みを襲って寝床を確保、その後はこの場を拠点としてここら一帯の確認をしよう。
もし無理そうなら朝までここで過ごし、先住民がここから離れたらフェイダウェイ。
とにかく、まだ見ぬ彼奴のステータスを確認しない事には始まらない。
はよ帰って来い。
暇になったのでまた書きに来たよ!
続くかはビミョー!ウヘヘ!