プロローグ一
はじめまして。とち狂って書きました。後悔しかしていない。
暇つぶしに書いたので、あなたの暇も潰せれば嬉しいです。
感想は感想返しがめんどくさいのでいりません。
でも筆者は気分屋さんなので気が向いたら返すかもしれません。
さらにあらすじでも書きましたが、この小説は思いつきで書き始めていてます。
プロットもクソもあったもんじゃありません、それでも宜しければ、読んでやってください。
「どこだ、ここ…」
なんだここ。白いな、ただただ白い。
床も、壁も、天井も、全て白い。
「まだ夢でも見てんのか?」
限定された空間に人を入れて何時間もつのかという実験があるって、昔なにかで読んだ気がするけど…
そんなもんに駆り出された記憶も無いし、ほんとなんだコレ。ドッキリかな、明日も仕事なんだけど。
ぐるりと辺りを見回すと、部屋の中央にパソコンが置いてあるのが目に入る。
「こんなところにパソコンねぇ…」
怪しさ満点ではあるが、この部屋にある現状を知る為の唯一の手掛かりであるのは疑うべくも無い。他に物が無いし。
無いんだが…どうするか。
いや正直コワイ。
なんで俺がこんな状況になっているのか、ここはどこなのか、これからどうなるのか。
挙げてみればキリがないが、おそらくその答えはあのパソコンにあるんだろうけども。
答えが解決しなかったらどうしようね。
などとウダウダ考えているとパソコンから電子音が鳴り響く。
「これさっさと見ろって催促だよな、たぶん…」
いやだなぁ。見たくないなぁ。現状維持でなんとかならんかなぁ。
でも見ないことには…ってアレ?
今の今まで気づかなかったけど、俺の身体ってこんなに白かったっけ?
っていうか服も着てないしうっすら光ってるしむしろ輪郭ぼやけてるやんけ。
光が人の形をしているっていうのが一番しっくりくるかな。
「最近のドッキリは手が込んでますねHAHAHAHAHA」
いやいやいや、まさかコレってねぇ?え?マジで?
またしても電子音が鳴る。それも連続で。
「わかったわかりました見ます見ますってば!」
頭に浮かんだ予測が楽しみすぎて、さっきまでの後ろ向きな気持ちが嘘のようにパソコンへと向かう。
椅子に座り、ディスプレイを確認。
「異世界へようこそ、迷い人…ッシャオラァ!」
マジかよ異世界転移かよやったぜヒャッホイいやいや落ち着けまだドッキリの可能性がってこの身体の説明はどうすんだこれもう確定でいいんじゃねーのうわマジかよ神様ありがとう感謝します。
いや、というか俺って死んだの?いつ?全然覚えてないんだけんどもさ。
えーっと確か朝起きてシャワー浴びて、いつも通りバス停に向かって…うん?バス停に着いた記憶が無い、な。その間に死んだんだろか。
まあ死んだにしても、異世界に転生できるならむしろツイてたって感じだろ。ずっと行きたかったし。
でも家族はどうなるんだろう。父ちゃん母ちゃん、心配するだろうなぁ……。帰れるんだろうか?
いや、よしんば帰れたとして…今の俺、発光してんだよなぁ。無理だなこりゃ。
父ちゃん、母ちゃん。先立つ息子をお許しください。私、異世界でヒャッホイします。
……案外落ち着いてるもんだな。と言うか現実感が無いのか。
んー。このままじゃ埒が明かないし、とりあえずパソコンを確認しようそうしよう。
備え付けのマウスを操作し、表示されている項目を一つずつ読んでいく。
かつて魔王がいた。いつ、どこで魔王が『発生』したのかは記録に残ってはいない。
なぜならばそれ以前に存在した文明は、一度、滅んでいるからである。無論、魔王の手によって。
魔王は、その膨大な魔力を以って世界を我が物とし、生きとし生けるもの全てに圧政を強いた。
魔王の圧政から数百年の時が流れても未だその力は健在であり、また、絶望も等しく存在していた。
魔王暦3387年、その絶望を打ち砕かんと、神々が一つの希望を遣わされた。
『勇者』
今までも魔王の圧政に否やを呈し、立ち上がった者もいた。
が、魔王軍の有する強力無比な戦力の前に早々にその命を散らしていた。
最初は魔王に歯向かう勇者に対し、人々は無駄な事を、と笑ってはいたが、勇者はそれを一顧だにせず、立て続けに魔王軍幹部の首級を挙げる。
彼の者は圧倒的な神の力を有しており、その力を以って絶望に立ち向かい、打ち破り、凱歌を上げる。
そのような快挙が続き、人々もやがて、希望を持つようになる。
『魔王からの解放』
希望が見えてきた時、民の中から表立って勇者に賛同する者も現れ始め、
また、勇者と共に魔王を打倒せしめんと行動を共にする仲間も現れる。
『聖女システィーナ』
『戦士ガルン』
『賢者ザイード』
そして、『勇者ジース』
後に『四光』と呼ばれる彼らの活躍により、魔王軍は徐々にその力を衰退させてゆく。
そして永い永い戦いの末、勇者一行は遂に魔王を追い詰め、見事、討ち取る事に成功する。
後世の歴史家たちが『聖戦』と呼ぶ戦いはこうして幕を閉じた。
しかし魔王がその身に宿していた膨大な魔力が、宿主の制御から解き放たれ、圧倒的な力の奔流が暴走を始める。
その狂った力の煌きは、世界を滅ぼして尚、余りある力であると、見る者すべてに思わせるに十分なモノだった。
どうにかして消滅させようとする勇者一行であったが、それは無理であると判断するのに、そう、時間は掛からなかった。
消滅は無理だが、封印ならば或いはと、『賢者ザイード』が提案する。
四散した魔王の身体をそれぞれ別の場所に封印し、また、封印されたその『魔王の欠片』とでも呼ぶべき代物を使って魔方陣を仕立て、多重的な封印を施すべし、と。
しかし、この方法には問題があった。この術式は禁術とも呼ぶべきものであり、それはつまり生贄を必要とするものだった。
生贄には一定以上の魔力が必要であった為、勇者、聖女、賢者の三人がそうなる必要があった。
『賢者』の提案に対し、一行は笑顔でそれを受け入れたという。
戦士は残されたが、後世に一行の誉れを語り継ぎ、同時に人々を守ることを誓った。
そして『四光』のうち三名の命を糧に術式は発動し、莫大な魔力を宿す七十二の『魔王の欠片』達は、遂に封印された。
人々は解放され、以降、暦は解放者にあやかり『四光暦』となった。
残されたジースは各地を周り、人々が生きていくために国を作った。
勇者から名を貰い、『ジース王国』とし、特に勇者たちを助け、人々を纏めた集落の長を国王として据えた。
国王は善政を布き、復興に財を惜しみなく注ぐ姿に人々は賛辞を送った。
平和が訪れたのだ。
だが。
七十二の欠片はそれぞれ大地の奥深くに封印されたが、それで終わりというわけでは無かった。
世界を滅ぼして余りある魔力である。そう簡単に封印できはしない。
欠片の魔力が周りの生命ある者たちを取り込みある変化を促す。
動植物は『魔物』に。
元より『魔物』だったものは『魔獣』に。
また『人』だったものは『魔人』に。
これらを総じて『モンスター』と呼ぶ。
封印とは、こうして生まれたモンスター達を封じるものでもあった。
『魔王の欠片』を中心に、その魔力を用いて囲いを作り、その中にモンスターを封じ込める。
その囲いの名は『迷宮』。
無尽蔵に溢れ出す魔力からモンスターを生み出し、いつか魔力が枯れるまで、それを狩る場所。
そう、狩るのだ。
狩らねば奴らは迷宮より地上に滲み出で、人々に害を為す。その魔力の持ち主がそうして生きたように。
人々は魔王が滅しても尚、その脅威に脅かされる事となってしまったが、同時に、それは人々に富をもたらすようにもなった。
迷宮から出でるモンスターたちは強大ではあるが、斃せば良質な素材となる。
それは武器であったり、防具であったり、触媒であったりと、実に多様性に富んだ。
これらの素材を目当てに迷宮に潜る事を生業とする者たちが現れるのも必然であろう。
彼らは『冒険者』と呼ばれた。
冒険者は迷宮から富を持ち帰るが、逆に迷宮で命を落としてしまう者もいた。
そういったことを避けるため、冒険者たちは互いに手を結び、協力し合った。
迷宮で出会った者と共闘し、さらに迷宮の奥に踏み入るために別の冒険者と手を組む。
そういった出会いが繰り返され、いつしか『組織』が出来上がった。
『冒険者互助組合』、通称『冒険者ギルド』である。
戦士ガルンを組合長(ギルド長)とし、冒険者たちに様々な恩恵を与えた。
最初こそ数は少なかったものの、時間と共にその支部を増やし、今では大陸中の街に根を下ろす。
冒険者ギルドは冒険者から持ち帰った素材だったり財宝だったり(迷宮に喰われた冒険者の遺品が変質した物。
総じて元より性能が上がったり、特殊な効果が付与されていたりする)を買い取り、必要とする者にそれを卸す、代行業。
また、冒険者という生業の性質上、不安定になりがちな生活に不備が出ないよう、補助をする制度も作った。
無論、無条件で、というわけではない。
最低限のルールはあるし、そもそも仕事のできない者に恩恵を与える必要は無い。
ギルドに対する貢献度合いによって『ランク』を分けて待遇に差をつけ、皆に上位を目指すよう仕向ける。
結果、冒険者たちは力をつけ、生き残り、財を成して名を残す。
永い永い『大冒険者時代』が幕を開けた。
………長いよぅ。おめめシパシパするよぅ。
ああ、読んでるだけで頭痛くなってきた。
でもここで歴史的なの見とかないと後々苦労しそうだしなぁ…ん?
なんかタイトルが付いて…【歴史・表】?
次の項目のタイトルは……【歴史・裏】ですかそうですか。