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第一章 甘いカクテルと初めての会話


立食パーティーのざわめきの中、紗江さえは少し緊張しながらも共通の知人に誘われて会場に足を踏み入れた。ライトに照らされた会場は華やかで、グラスを手に談笑する人々があちこちにいる。


すると、知人が笑顔で紗江を呼び寄せる。

「紗江さん、田島さんに会ってみて!この方、あなたの大ファンだって言ってたの」


紗江は少し戸惑いながらも、知人に促されて田島の前に立った。

「田島さん、初めまして…」

田島は優しい笑みを浮かべ、自然な態度で応じる。

「はじめまして。知人からお話は聞いていますよ」


知人がさらにフォローする。

「田島さん、こちら私の知人の朝比奈あさひな紗江さん。彼女、田島さんの大ファンで、今日のパーティーに参加したんですょ」


紗江は少し顔を赤らめながら、心中で期待と緊張が入り混じる。

「私…テレビで拝見していて、ずっとファンだったんです」

田島は微笑みながら、軽く頭を下げる。

「ありがとう。何か飲まれますか?」


少し迷った紗江は笑顔で答える。

「じゃあ…カクテルをお願いします」


その一言から、たわいもない会話が始まる。周囲の喧騒は気にならず、ほんのひととき、二人だけの時間が生まれた。


紗江が頼んだカクテルを田島が手渡すと、自然な笑みが二人の間に広がった。

「このカクテル、結構甘いですね」

「甘いのがお好きなんですか?」

「はい、ちょっと疲れた時に飲むと落ち着くんです」


田島は頷きながらも、軽い冗談を交えて話す。

「なるほど、じゃあ僕も今度おすすめの甘いカクテルを作ってあげようかな」


紗江は驚きと嬉しさで笑った。

「えっ、本当ですか?それは楽しみです」


その後も話題は尽きず、共通の知人や趣味の話から少しずつ仕事や音楽の話題に移る。

田島の話し方は穏やかで、優しい声に紗江は自然と心を許していく。


「そういえば、今日のパーティーに来たのも、たまたま知人に誘われただけで…」

「偶然って、時には良いこともありますね」

田島の言葉に紗江は内心ドキリッとした。


周囲の喧騒はもう気にならず、ふと気がつくと、二人だけの空間がそこにあるようだった。

紗江は心の中でそっと思った。

『この人と、もっと話してみたい…』と…。

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