第5話 いつもの三人
~東英記~
天はただ一つ、両天を仰ぐこと無し、然し、東英歴一万五千三年睦月の三日の六の刻より、落つることなき新たな天朝が中天に座す。その不動の天朝の威光は、古き朝を乱し反が起きること必然であった。東英暦同年同月の十二日、古き朝の天子の首とその長子の首が新たな天朝へ献上された。その二つの首を新たな天朝に献上したのは天子の長子の長子であった。
~東英記~
八十八重宇段大天幕大開口にいつもの三人?組が晒された首の前で騒々しい。
際どいを通り越して危険な服装なほたる
「殺し合いをしているときは気にならないが、こうして首だけ見ると気色悪い。表情とか、う~きしょい〜。」
晴天の日差しの下、純白の羽を広げた月跡
「気色悪い?単に不味そうとしか見えないけど?」
今日もかわいいミントちゃんn+m(ただしn≠m))号
「あ〜もうこんなんどうでもいいんだなお。ここに事務次官の首が無い事がこの世の最大の不幸なんだなお~~」
「でもあの変態、首だけでも生きてそう。しかも首から新しい首が三つ生えてきそう。う、う、きしょい~」
「そういえば、このあいだクオーク星飲まされてたけど『この胃腸薬がよく効くんですよ』ってひたすら黒洞飲んでたわ。誰も突っ込まなかったけど」
「最悪なお。ミントちゃんには希望の光がひつようなんだなお、光合成なんだなお、基本的人権なんだなお、なお?なおおー!?」
二つのさらし首の切断面から指が生えている。指だけにとどまらず、手が腕がずるずると一つの首からは右腕が、別の一つの首からは左腕がたれ落ちてくる。腕の次は肩が落ちてくる。さらし首はもはや首の形をとどめておらず底が裂けた袋のごとし。そして肩と共に縦に真っ二つになったもはやいつものアレが
「生まれたままの 姿見せるのよ 生まれたままの自分になるの JASRACも怖くな
月跡とミントは両翼を展開し両翼に展開しそれぞれが魂からの魔力と呪力をこめて、深いスリットから空柱仙人掌の針のごとく細く白く長い足でもはやいつものアレを蹴り上げる。月跡の魔衝撃とミントの呪衝撃はアレの虚実障壁「偽は偽であることは真である故に偽は真である」を蹴破りアレの永久尽界が響き罅く、そしてアレが口を開く
「やっぱりー、問題だと思うんですよね。どれぐらい問題かというと、『うん、この味(・∀・)イイネ!!』ぐらいは問題だとおもうんです。お分かり頂けているでしょうか?」
「そう、ほたるくんちゃん?ほたるくんちゃん?、ここは突っ込み必須のところだったところですよ?」
「ま、これ以上はハラスメントになるので、いやなってる?視線が死線!!でも大丈夫」
既に大丈夫な領域を突破し未知のエリアへと突入しているアレの身体、まず縦に真っ二つ、出現キャンセルで腹から下がない、さらに魔衝撃、呪衝撃の二混重衝撃を受けべったりと衝突痕一様に引き散らばり炭化している部分もあり、気化した部分もあり、消滅した部分もある。
ずうりりぃとアレの身体が捩り巻きながら一つの武具へと形を変えてゆく。
両刃双の大鎌だ。
両刃双の大鎌の大鎌を持つのはいつもニコニコ笑顔が大事。ノキ=シッソである。もちろん生まれたままの姿ではない。お隠しなしで大乗(^^)v
「さーて、ほたるくんちゃん。パタパタ2人が私を完全に抑えた瞬間、私の命を防ぐものは少なくともほたるくんちゃんの唯識にはなかったはずですよ。然し、出来なかった、何も、何一つ。それはー」
「単純に弱かったからですね」
「な、の、でぇ~このⅡ両刃双の大鎌をご用意いたしました!!」
「華命玉様が叩き直し、黒蝶と虹蜂が魔と呪を刻んだこの大鎌、『使いこなせれば』私を斬首することなど恐悦至極。」
ノキが大鎌をくるりと回す。月跡とミントは一気に結節結界を張り
くるり
結界は切り捨てられる。
「パタパタ二人は落ち着きなさい。確かにこの正式名称『Ⅱ両刃双の大鎌』は持ち主を最適化させますが、それは必要なことでしょう。かむなぎ様も大変ご心配されております。それに、最適化されれば、」
「強くなれますよ。」
どやぁ、どやあと大鎌を差し出すノキ。月跡とミントは、かむなぎ様の名が出されれば、膝まづくほかなし。
ほたるは無言で『Ⅱ両刃双の大鎌』を受け取る。同時に大鎌によるほたるの最適化が始まる。
「糞痛い」
「だーいじょうぶ。痛いのは最初だけだから。だんだん気持ちよくなるから。はよ
---華命玉が現れた---
華命玉は第一階仏法理を制定した
ノキ=シッソは一階法理と矛盾し特異点となった。
華命玉は第二階仏法理を制定した
特異点は解消されノキ=シッソは存在しなくなった。
---ノキ=シッソは骸薔薇の隣に強制リスポーンとなった---
華命玉はいつも涼やかである。
「手短に説明するよ。骸薔薇様よりの勅令だ」
「君たち三人の意識に浮かんだ人物を連れてきてほしい」
「路銀等の必要なものは準備してある。なんとも慌ただしいが急ぎお願いしたい」
いつの間にか暁鐘軍が華命玉の隣に立っており、多数の手に旅路に必要な諸々を携えている。三人に諸々を手渡しながら
「骸薔薇様よりの勅、誠によろしく頼む。もしことあらば」
「暁鐘、手出し無用だよ。そのために大鎌を渡したんだからね。」
「まったく暁鐘は過保護過ぎるし。ノキは遊びすぎる」
「骸薔薇様の勅に間違いはない、さて、三人とも大丈夫だね?」
三人は声を揃えて
「勅命、拝受いたしました」