第32話 冒険者証が役に立つ時
幌馬車は最初の聖地都市レイタニアに着く
「ついに、ついに!この冒険者証が役に立つ時が来たんだぜ!」
聖地都市のに入るための審査入場口に並ぶ5人、但し1人は浮いている。認識阻害が発動中のため、5人を見ても騒ぎ出すものはいない。
「アラビリス帝国からレイタニアへのご入都の理由は?」
審査員が冒険者証を読み込みながら聞いてくる。
「ドゥスクロディア連邦王国へ行くためにここの転移陣を使うためだぜ」
審査員は質疑と回答を冒険者証に書き込んでゆくと同時にレイタニア魔道結晶に冒険者証の記録を書き込んでゆく。
「その他にレイタニアでのご予定はありますか」
「少々路銀を稼ぐために幾つか依頼を受けるために滞在する予定です」
瑚沼崎が代わって回答する。
「解りました。では少々あちらでお待ちください」
案内された席に着く四人、周りから視線が飛ぶ様になる
「月跡ちゃん認識阻害お願いするなお。冒険者証と離れたから効果が少なくなってるなお」
「解ったわ」
フロア中にいる種族の認識を阻害、月跡たちへの違和感を焼き尽くす。ついでに魔法感覚機器の反応も焼き尽くし何事もなかったようにする。
「それにしても何で俺たち待たされてんだ。他の奴らは素通りじゃん」
「呷れは私たちがアラビリス帝国から来たからでしょう。内乱のうえ隣国を併合して出来たばかりの国ですから。そこの国が発行した証明です。まあ、門前払いにはならないでしょうが、扱いに困っているのでしょう」
「まさか、いちから伺い取ってるんじゃないかなお。それだと時間かかりすぎなお。お腹すいちゃうなお」
「なら、少し聞いてみましょう。皆さんはここで待っていてください」
瑚沼崎はそう云うと窓口へ向かう。
「んー、普通はこういうときガラの悪い連中にからまれるんだがなー。認識を阻害してっからなー」
「ナンパ待ちとはエッチだなお。ほたるちゃんはいけない子なお」
「趣味が悪いわよ。一応、貴方は私の眷属になったのよ。ふさわしい言動をしなさい」
「マジか。じゃあ俺TUEEEじゃん」
そんな話をしていると瑚沼崎が帰ってきた。冒険者証を三人に渡しながら
「お待たせしました。最速で決裁してもらいましたのでもう入都出来ますよ」
「よっしメシにしようぜ腹が減った」
「ではお店を案内いたしましょうか」
ローラが云が4人に提案する
「ネリウム精神共有でこの街の情報はばっちりです」
「おお、頼もしいな。じゃあよろしく頼むぜ」
案内されたのは賑やかな大衆酒場、広いと云って差し支えない店内は冒険者、市民を問わず人が溢れている。
「こりゃ席あるかな」
ほたるがそういううとローラは
「席を予約してありますので大丈夫ですよ。精神共有で先ほど連絡しておきましたから」
「ローラちゃん手際がいいな。早くメシ食いたいぜ」
そんなほたるたちをローラが席に案内する。
席に着くなりほたるはメニューを片端から注文する。
「あ、この魔晶石ジュースっての飲みたい」
「ミントもそれ頼むなお」
「私は、この青水晶水を頼むわ」
ローラが注文すると料理の山が運ばれてきた。
ほたるは運ばれてきた料理を片っ端から食べていき、ミントは淡い光を放つ魔晶石ジュースを飲みながらフルーツを中心に食べ、月跡は青く煌めく水晶水をコクリと飲む。
瑚沼崎は肉料理、ローラは魚料理だが二人とも少食だ。
ある程度食事も済んだ頃、瑚沼崎がローラに尋ねた。
「さて、依頼についてですが、幾つかこなして一般的な冒険者としてふるまう必要があるわけですが、ローラさん、手ごろな依頼はありませんか」
「そうですね。草むしりから始まる麻薬組織根絶や荷物の宅配から始まる麻薬組織根絶や麻薬組織根絶から始まる魔薬組織根絶などがありますけど。ネリウム関係だと裏側の情報や仕事ばかりで表向きのは無いんですよね」
「そちらの仕事でレイタニアへ貢献するのは構いませんが、目を付けられるのが確定するのが玉にきずですね。如何したものでしょう?」
「いいんじゃないかなお。ついでにレイタニアにもネリウム支店を開店させるなお。今は在レイタニア・アラビリス領事館しかないなお」
「じゃあ、草むしりから始まる麻薬組織根絶で、からの魔薬組織根絶で、からのネリウム支店の開店か。結構大仕事になりそうだな」
「たまには土いじりもいいわね。ローラ、瑚沼崎、今ある情報から計画を立案しなさい」
「解りました月跡様」「同じく了解しました月跡お嬢様」
ローラと瑚沼崎が返答をする。
※明日も12:00投稿予定です。




