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「お母様は悪役令嬢」  作者: 輝く泥だんご
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第30話 成長した姿

荷馬車の荷台を片づけて車座になり月跡が話し終わると


「なるほど、忌み枝ですか。シッソ首席補佐官の血を引くものというより分体と云ったところですね。


「そうなお。本人に似ている奴ほど強いなお。似てれば似てるほどぶん殴った時気分がいいけど、まず殴る前に殺されるなお」


「それがなんで、俺たちのド真ん前に現れたんだ。俺達の名前も知ってたし、偶然じゃないだろ」


「まあ、忌み枝は変態首席補佐官と対立しているし、その関係者であるミントちゃん達を狙うことも当然な変態であるのは間違いないけど。うーんなお」


「ミント、大事なことを忘れていない」


「万事殴って解決、解決まで殴る。すなわちこれハッピーエンドなお!」


「そうよ。だから殴られているようじゃダメなのよ」


「でも、忌み枝に楽に勝つって月跡ぐらい強くないと駄目だぜ。無理じゃない?」


「誠に持って残念ながらミントちゃんには方法がないわけじゃないんだなお」


「ミントだけ?」


「ミントちゃんたち『百薬』はあのド変態の眷属なんだお。前にド変態の力を借りて世界侵蝕をしたこと憶えているなお?あのド変態をさらに受け入れれば一気に強くなるんだお」


「あの変態をさらに受け入れるのはきついなー。いつでもどこでも貴方とベッタリ一緒だろ。いや無いなーそれは」


「私もそれはないと思うわ。だから掟破りになるけどこれを」


空間からさっと小瓶を2つ月跡は取り出す。


「小さい?目玉、ですか?」


「そうよ。暁鐘統合元帥の眼球よ」


「ミント、瑚沼崎、これを取り入れ、理外の力を得なさい」


「えーずるい。俺の分はー?」


「2つしかないのよ。諦めなさい」


「えーやだやだやだー!」


「代わりに私の首を刎ねさせてあげるわ。そうすればほたるも鎌も格が上がるでしょ」


「死ん


「死ぬわけないでしょう、甘く見ないで頂戴。」


「さて善は急ぎなさい。二人は将軍の目を飲み込むこと。ほたるは鎌を用意しなさい」


「じゃのんじゃうなお」


「では私も失礼しまして」


二人は一息に飲み込むと


「きついなお。とんでもなくきついなおー」


「ウオッカでもこんなにきつくないです。焼けるようといいますか焼けてませんか?」


口から煙のような物が立ち上る二人にたいして


「理に理外を加えるのよ。形を保てている分、暁鐘統合元帥はお優しいわ」


「さて、ほたるここでは狭いわ。外に行きましょう」


 すうっと空に浮かびながら荷台から外に出る月跡と荷台からの苦悶の声に気をとられながらも荷台から飛び降りるほたる。流石に何事かと馬車を止めるローラ。


「ほら、早くやりなさいな」

 片手の甲で髪を上げながらほたるに促す。挙動不審になりながらもⅡ両刃双の大鎌を構えるほたる。理由は分からぬが、それは不味いと御者席から飛び出すローラにビタっと張り付く煙を吐くミント。


 とりあえず、ミントがネリウム念話で一気に情報をローラに流し込むと得心と云った表情になる。後は暢気に見学だ。

すうっと空に浮かびながら荷台から外に出る月跡と荷台からの苦悶の声に気をとられながらも荷台から飛び降りるほたる。流石に何事かと馬車を止めるローラ。


「ほら、早くやりなさいな」

 片手の甲で髪を上げながらほたるに促す。挙動不審になりながらもⅡ両刃双の大鎌を構えるほたる。理由は分からぬが、それは不味いと御者席から飛び出すローラにビタっと張り付く煙を吐くミント。


 とりあえず、ミントがネリウム念話で一気に情報をローラに流し込むと得心と云った表情になる。後は暢気に見学だ。


 遂にほたるが大鎌を振るう。その刃は月跡の細い首の端から端まで両断して余るほど広く、頭を上に撥ねるほど厚かった。刎ねた首はそのまま地に落ちることなく、大鎌の刃より飛び出した太い針金が刺さり胴体も同じく血を吸を割れている。しかし直ぐに針金に火が着き、燃やし尽くす。

 「一度に欲張りすぎなのよ。ミントや瑚沼崎を見ていなかったの」

ふらふら落ちてくる月跡の首はふわふわ浮いてくる身体に元通りに接着すると傷跡一つ無く、何事もなかったかのように繋がった身体が宙に浮いている。

 むしろ首を刎ねたほたるの方が火に焼かれ重体である。

「瑚沼崎、ほたるの治療を」


「ええ、分かりました」

 瑚沼崎は新たに使えるようになったLP操作で自身の構成物質を侵食させずに対象の生命力そのものを操作する。吸収・譲渡といったものを含めて生命力の絶対値の操作すら可能だ。

瞬間的に自分の有り余るほどの生命力をほたるの命に注ぎ込む。

「っってーひどい目にあったぜ」

 重度の火傷のまま起き上がるほたる。くーっと伸びをすると一気に火傷が回復する。危険な服装がさらに危険なっているため、瑚沼崎が自分の上着をほたるに掛ける。

「ファッションについて特に意見はありませんが、しかし、いささか過ぎますので、早く着替えてください」


「うん、でも今なら元素置換出来そうな気がするんだよな。よっと」

ほたるが元素置換を行うと

「アレ?」

ほたるの7歳ほどであった外見が16歳ほどの成長した姿になっている。

※次の投稿は一週間後の予定です。

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