第24話 作戦命令に変更なし
「何だかカッコいいですね。と云う訳で建国に当たっての唯一の問題点が聖地都市関連ですね。支配あるいは融和かどの道を行くか」
「支配よ」
「はい、分かりました」
「兵を出すなお?出兵なお?」
「いえ、緋色の死と私とで聖地都市の『淀み』を強襲、撃滅後に都守に降伏を命令します。アラビリスという先例がありますので一般の商家や『淀み』から離れたい貴族は我々に付くでしょう。本当の問題は聖地の転移先です。他の聖地と繋がっていなければアラビリスは交易都市として成り立ちません」
「不平等条約飲むなお?」
「それか密約で帝国の領土を割譲するしかないですね。まぁ実際はその両方と云ったところでしょうか」
「屈辱だわ」
「高く売り、安く買い戻せば良いのではないかと」
「まるで商品だなお」
「交易都市ですからね。何にでも値が付きますし。商品は交換してこそ利益を上げるのですよ」
「交換の場に剣を持ち出す輩はどうするなお」
「大抵は私か緋色の死でどうにかなりますが、精神共有化された大軍等で攻め寄せられるとなると指揮系統が存在しないので、どうにもなりませんし、正直、ほたる様のお力でヤッて仕舞うしかないですね」
「まあ、議論は尽きねどやってしまいましょう。目標は聖地都市ノゼイン。それでは状況開始といきましょう」
それから4時間後、交易都市アラビリスから西へ300mile離れた荒野から司令部へ緊急の報告が入る
「こちらバーナード、目標が既に変わってしまっている。HQ新たな命令を」
「こちらHQなお、バーナード確認するなお、先を越されたかなお」
「こちらバーナード、ノゼインに連合王国の兵士を確認、掲揚台の旗も連合王国、やられたぜ糞ったれ!!」
「こちらHQなお。各員に告ぐ、作戦命令に変更なし、強襲作戦継続なお。繰り返す、強襲作戦継続なお」
「だとよ益男のおっさん」
「バーナード、HQが作戦継続と云えば作戦は継続なのです。後続のアイリーンとアランの援護に回りましょう」
「戦争になるぜ、おっさん」
「もう戦争は始まっています。帝国と連合王国との間ですが、それに第三勢力として参戦するだけですよ。」
「さて戦は速さ、ささっと決めてしましましょう」
連合国は既に帝国の指揮所を攻略済み、聖地の魔方陣から援軍が絶え間なく送りこまれて来る。
アイリーン、アランは圧倒的なレベルの差で連合国の兵士をなぎ倒していくが100人斃す間に200人が魔方陣から増援として送られてくる。
「本陣にたどり着けんな」
長剣で敵を両断しながらアイリーンは、アランに云う。
アランは金棒を振りながら
「この聖地都市だけを狙った戦力ではないですね。パトリシアとマーガレットの長距離火力支援で戦線を維持できていますが先に進むとなると厳しい」
そこへ文字どおり敵軍を弾き飛ばしながら益男のおっさんとバーナードが合流してくる。
「さて前衛の各員はパトリシアとマーガレットの支援位置まで引いてください」
一方的な戦闘を続けながら益男のおっさんが云う
「HQは作戦の継続を命じているが、それはどうするんだ。アタシは命令違反でシバキ倒されるのは御免だね」
「勝利という結果があればよいのです。それに、そもそも作戦は中断しませんので問題ありません」
「おっさんの固有スキル(本質)の『人食い』を使うんだとよ。このノゼインと魔方陣の向うの連合王国で」
げっそりした表情のバーナードが云う。
「それで秘匿作戦といえるのか。おっさんの『人食い』は有名だぞ」
「まあ、連合王国が秘密兵器を使用するも誤作動を起こし自爆するでいいんですよ」
「勝てばそれでいいってか」
げっそりした表情のアイリーンが云う
「それだけではありません、緋色の死の皆さんは連合王国の非道から聖地都市ノゼインを救うのです」
大真面目におっさんは云い切った。
「巻き込むといけませんので皆さんは確実に後退してください。では状況を始めます」
アイリーン達3人はパトリシアとマーガレットの位置を目指し一挙に益男から離脱する。
離脱を確認後、益男は自らの両腕を魔力で爆散させる。その血煙を浴び、吸った者たちもまた爆散する。また爆散した兵の血煙を浴び吸った者も連鎖的に爆発的に益男の一部となって爆散していく。爆散の連鎖が終わるころには連合王国軍のほとんどは益男に喰われ、喰った分益男は生物として強化される。
「さて次は魔方陣の向う、連合国家ですね」
益男は転送されてくる連合王国の兵士たちには目もくれず魔法陣へと踏み込んだ。
結果的に益男のLvは7541まで上昇し、連合王国は帝国侵攻の勢力から脱落することなった。




