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「お母様は悪役令嬢」  作者: 輝く泥だんご
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第18話 ギルティなんじゃね


「此処でこれ以上はしゃいでいても得るものはもうないわ、瑚沼崎、外へ出ましょう」


「確かにそうですね。それにしてもここは一体どこなんでしょう。随分時間がたつのに誰も此処へ入ってきません。不思議です。中にこれだけの人数がいるのならば、外にもそれなりの人数がいるはずなのですが」


「うーんうん、まあいくつか考えられるなお。中から連絡があるまでは、絶対立ち入り禁止、その間、この場所を絶対封鎖とかとかなお。まあ外に出れば分かるなお」


 月跡たちが出入口の扉が先ほどまであった場所から通路に出ると広大な地下牢群が広がっていた。

「ここに生贄の子供たちを集めていたわけですか、なんとも手馴れたものですね」


「まあ、三ヶ月、長くても半年といったところだね」


牢の状態を見たほたるが云う。つまりは、その頻度で儀式が行われれていたわけである。


「ならば、警戒の緩みもさほど不思議ではないわけですか」


 既に警備隊を7隊、鎮圧した益尾が云う。鎮圧した(装備の統一から判断するに)兵士達はミントによって収納されている


「それにしても私と同じ体格の兵士がいれば装備を拝借できたのですが、これは仕方ありませんね」

 身長2m7cm、体重160㎏の益尾の体躯はこの世界でも人としては巨躯のようだ。


「さてこの地下牢そして外への出入口ですが」


「もちろん、正面からよ。客である以上客として振舞うのが礼儀というものよ」


「まあ、いいけどよ、天井にぶち穴開けてそこから出たほうが早いと思うんだが」


「それもいいけど味気ないなお、ミントたち召喚から間髪入れず襲いかかられたなお。それをチャラにするんだから路銀を少し拝借していっても文句は云われないなお」


「そんなもんか。せっかくだし少し暴れて見たいんだけどなー」


「それは大丈夫ですよ、正規の兵が係わっているんです。一部か全部かは解りませんが、国家を相手に大暴れできますよ」


「ふふ、なるほど、やっぱり俺の時代が来たんだぜ!!」


 そんなことを云い合いながら益尾が兵士を鎮圧しミントが鎮圧した兵士を収納する。そんなことを繰り返して、今まさに大金庫の前にミントが立つ。


「むむむ、さすがにこれは手が込んでいるなお。どうしたもんかなお。」


「ミントさんのLvでも難しいのですか?」


「いや、こじ開けることは何とか出来るなお、ただこの金庫、正規の手順で開けても開けた者の情報を中枢へ発信するなお。人のデータをアナライズした上に発信するなんてプライバシーの侵害も甚だしいなお!」


「それではどうでしょうか、金庫をほたるさんと一緒に収納してしまい収納空間でほたるさんが金庫をこじ開けるというのは、ほたるさんのLvなら収納空間でも自由自在なはずです」


「それは(・∀・)イイネ!!なお、ほたるも(・∀・)イイネ!!なお?」


「しかたないか、やるけど金庫破壊かーいまいち


「この金庫こじ開けようとすると戦闘用ゴーレムになるなお」


「やる」


「じゃあよろしくなお」

 云い終わった瞬間、ミントはほたるの足を払い、体勢を崩したほたるを大金庫に叩きつけると同時に収納魔法Lv1024金剛壺Lv99を発動、ほたると大金庫は隔離空間に強制収納された。

「まだまだ詰めが甘いなお」

『ザッケンナコラー!』という声が聞こえたような気がしたが残った三人は動じない。

「スッゾコラー!」

との声とともにほたるが隔離空間から抜け出てくる。


「早いですね。流石Lv86121は伊達じゃないですね」


「なんでLv86121の俺がLv11258のミントに投げられるんだよ。Lv制の世界だろ、こんなの絶対おかしいぞ!!」


「Lvに見合った功夫がたりないのよ。まず自覚することが大事、ミントに感謝しなさい」


「そー云われると反論できねえけどよ。まず、俺、生まれ変わる前を含めても40にならないし、生まれ変わってからは7年しか経ってないし」


「ちがうなお。単純に油断してたからなお。そー云う意味での経験が足りないなお。Lv1は使いこなしてLv1なお。強いことに変わりなないけど格下にフルボッコされるなお」


「ふむ、つまり実戦経験が足りんと、しかし何を相手に戦えばいいんだっての」


ミントは横目で白銀の月を見る。益尾は遠くの空に浮かんでいるであろう月を見る。


「いやまて、まだ俺の人生は終了じゃない。そう、ここから始まるんだー!!」


「というわけで、そろそろおいとまするなお」


「ほたるくんちゃん。霧陰すら許さぬⅡ両刃の大鎌刃で全部まとめてやっちゃうなお!」

「まーいーけど」


 Lv86121のほたるが振るう刃は原子核を繋ぎとめる力をも寸断する。壊れた原子核は後は野となれ山となれ。枯れ木も山の賑わい、ほたるの知ったことではなかった。


「いえ高エネルギー放射線であたり一面ズタズタなんですけどなお」


「でも見晴らしがよくなったわ。風も血と死肉の匂いがしない」


「目算で半径5㎞と云ったところですか、きれいさっぱりですね。結局此処は何だったのでしょう」


「聖地を造ろうとしていたのでしょうね」


「聖地とは?」


「テレポートポイントだよ。おっさん。でかい世界には必須の移動手段だ。独占できれば一大宗教を立ち上げられるぜ」


身体を軸にしてくるくると大鎌を回しながらほたるが云う。


「こそこそしてたし、しかも外と繋ごうとしてたし、この世界でもギルティなんじゃね」


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