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「お母様は悪役令嬢」  作者: 輝く泥だんご
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第17話 俺はこの瞬間を生ききるのみなんだぜ!

「そしてここが新たな世界なお( ^ω^)・・・」


「KTKR!!俺の時代が始まってしまったぞい!!」


「まあ、予想は出来たことよね」


「なんともLv制の世界とは面妖ですね。ということで、実は、人生で一度は使ってみたい言葉だったんですよ『面妖ですね』は、まさか実際に使う日が来るとはなんとも感慨深いものがあります」


「おいちゃんホントに鋼メンタルなお。人生耐久値半端ないなお。人生三十週目だったりしないかなお?」


「はっはっは、周回プレイではありませんが、振り返ってみれば、確かに数の勝負でした。多少の人力グリッチは見逃してほしいところですね」


「あのー、俺の時代が始まったわけなんですが、扱い悪くない?Lvぶっちぎりで一番高いんですけど」

 そうですね。と益尾が相槌を打ちながら周囲を見渡す。


 直径50m程、高さ30m程の円柱の形をした空間は死体でいっぱいだ。


「既に供物として殺されていた子供たちのことはどうしましょうか?おそらく私たちが此処に呼び出されたことと無関係ではないはず」

 

「気になる?まあ『なにか』を強請るいいネタになるかもしれないけどー。実際は、諸処の事情で合法的に供物にしたかもしれないじゃん」


くるりと回ってピース極め極め、ほたるちゃんは超ご機嫌。


「そういうことも確かにあり得ますが、・・・なるほど確かにそうですね」


 ほたるが殺した者たちの身なりを見る。見ただけで怪しい者たちが三割、軍属とみられる者が六割、残り一割が統治者層、見た目から判断するに貴族達か。


 その中から怪しい者であった死体、中でも装飾品から見て高位であろう死体を掴み持ち上げる


「これ、もしものときに備えて持っていきたいのですが、何か良い方法ありませんかね?」


「ミントちゃんにお任せなお。ミントちゃんの能力が再解釈されていろんな魔法になったなお。収納魔法も完全なお」


「では、全ての死体、いえ、この空間全てをお願いします」


「むむむ。さすがにそれは予想外なお。でも、犯行現場の保存と隔離は基本中の基本。おいちゃんは外さない男なお」


「では収納魔法Lv2048、万象蒐集好事棚Lv99をご覧あれあれなお」


 言葉の終わりとともに機械仕掛けの時計が大小を問わず無数に現れる。それぞれが異なる時間を指しているが、それぞれの時の刻み方が急速に早まり数秒の内に同じ時刻を指し示したと同時に、円柱状の空間がら光が失われ、その空間にあったもの全ては、その全てについて記述がなされた一冊の本となり、万象蒐集好事棚に収納された。残されたのは一回り大きくなった円柱状の空間と月跡達のみである。


「なんとも凄いですね。その本を読むことは可能ですか?」

「もちろんだなお、プライバシーはもう死んだ神なお。ちょろいもんだなおといいたいところだけどなお。お勧めしないんだなお」


「つまり問題があるということですか。例えば情報量が多すぎて読み切れないとか」


「いいところついてるなお。その情報量が多すぎることまでは当たっているなお。問題は、その多すぎる情報を無理やり読ませることなんだお。具体的にはこの本に収納されいる死体が辿ってきた人生の全てが自分の人生の人生と重なって区別がつかなくなってしまうなお」

「確かにごめんこうむりますね。でも、ミントさんたちならば可能ではないのですか?」


「確かにその指摘は最もなものだわ。その程度の情報量を読み込むことは可能よ。ただ」


「この種類の情報は不正なデータとしてはじかれちゃうんだなお。ミントたち自身にはUSER権限しかないから、セキュリティ関連はいじれないんだなお」


「大変失礼いたしました。軽率な発言、撤回しま


「いやそんなのどーでもいいんだって。今、俺、このメンツの中で最強なの、Lv16121なの、ぶち殺した連中最高でもLv38までだったの、『俺TUEEEEE!!伝説』が始まったの!」


「えーとほたるさんはLv86121、ミントさんはLv11258、月跡さんはLv8、そして私がLv76ですか、なんというかあからさまですね」


「あーあー聞こえません、俺はこの瞬間を生ききるのみなんだぜ!」

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