第9話 細かいことはいいんだなお!!
「ミントちゃんは元気なお(ง๑ •̀_•́)ง」「くんちゃんも元気なお??」
「吐き気がなんとかおさまった。意外と何とかなるもんだな-」
「しっかしここはいったいどこだ。法陣が吹っ飛ぶくらい過剰稼働させたんだ。ホントにここどこだ」
「銀河の配置を見る限り、もとの群聖都から東に六百十二万二千光年といったところなお。概算だから誤差は許してほしいなお」
ギラつく日差しの下、空を見上げながらミントがほたるの問いに答える
「同じ銀河団内というのは一安心ね。ただ、そうね、この惑星は気に入らないわ」
「おーさすが気が合うなお。ミントちゃんもこの惑星、というか創っている奴、即刻、消えてもらうなお。語尾になおをつけるのがもう限界付近だなお」
「どゆこと?」
「簡単なお。醉妖花さま、骸薔薇さま、と同じ天中の花としてふるまっているのよ。速やかに滅すべきよね。ね、月跡。」
「ええ本当に信じられないことよ。『之を信じる』ということすら存在してはいけないことよ」
「確かに囲まれてるし、むこうは敵対する気十分みたいだけどな」
死肉のゴーレム、zombieを百八体組合せた屍巨人が幾体も幾体も、長閑な田園風景の小麦畑の地中から湧いてくる。
湧いてくる死巨人のなかには竜種のzombieを組合わせて造ったもの、巨人種のzombieを組合わせたものなど一際大きな死肉の塊すらあり、さらには
「この場は私に任せて下さらない?同じ不死族として思うことがありますわ」
「そーっすねなお。吸血鬼のzombie?を組み合わせて君も屍巨人造ろう!は、あんでっどを親愛なる友人としているミントちゃんも思うことがあるなお。」
「ま、いいんじゃね。けど、もの凄い数よ、地平線の向こうも合わせるといったい何体に
なるんだよ」
「大丈夫なお。むしろミントちゃん自身とくんちゃんが巻き添え食らわないよう敵本拠地にトンズラするなお。続けなおー。」
ミントちゃんは青々の両翼を広げ南南東へ飛び立つ。
「敵本拠地ってどこだよ!」
水平に空中に浮くⅡ両刃双の大鎌の柄に立ちミントちゃんの後を飛びながら追いかける。
結果として月跡のみがこの地に残る。
死巨人達はそれでも構わぬのかさらに数を増やしながら月跡を囲む。
月跡はただ微笑むばかり。
「おい! いーのか月跡置いてきて!」
音より早く飛んでいるため何とか思念を魔力で飛ばしてみる。
「何ゆーてるなお。月跡なお。もう一人で十分ですよなお。というか知らないのかなお?」
「何がよ」
「月跡は元々、下級zombieだったなお。でも、なんやかんやあって醉妖花様の御血を直接、玉首から賜ったなお。後はさすがに説明いらないよねなお」
「流石にそれは滅茶苦茶じゃない?」
「色々あったんだなお―」「ほんとにいろいろあったんだなおー」「残業凄かったなおー」
「というわけで、今回はやべーんだなお、マジでなお」「安全第一、指さし確認、点呼確認、再確認なお」
「はてさてなお、ミントちゃんは上から目線の奴らをぶっ潰してくるからなお、くんちゃんにはゴミ花擬きを処理してきてほしいんだなお」
「無理。だってそんなに魔力ないし。それ
「出来ないと月跡に『ゴールまでがゴールです修行』をさせられるなお。弱いものは出された選択肢の中から必ず選ばさせられるんだなお」
ミントちゃんは大海原の上空で停止する。くんちゃんも停止する。
「くんちゃん、この海底下の迷宮最下層にゴミ花擬き未満の阿保がいるわけですがなお、四半刻で首とってくるなお。それ以上時間をかけるとOUTなお」
「それではミントは上にいる連中、成仏させてくるからなお。よろしくなお。」
ミントちゃんは一挙にこの惑星の第二宇宙速度まで加速し天高く飛び立つ。
後には高度一万丈で立ちすくむくんちゃんのみ
「ほんとにどーしろと」
一方白のパタパタ1号の方はというと
地殻津波もかくやとの魔力の暴波を受けていた。
まず最初に屍巨人たちは陣を張り不死者すら腐らせるほどの腐敗の呪いを撃ってきたが、 白のパタパタ1号は醉妖花の血により、聖骸に限りなく近い存在となっているため、意味がない。また様々な魔法も意味がない。
ならば、単純に魔力をぶつければよい。さらにそれを白いものの魔力が尽きるまで続ければよい。こちら等は幾千億いるのだから。
対し、月跡は
「同じ不死者として哀れに思う。故に花を見ながら逝け」
月跡の能力は”焼き尽くす”である。それを醉妖花の血により極限まで解釈を拡大し、その支配を徹底をしている。
結果、干し草を燃やすように、時間も等しく燃やす。
電磁力が熱により燃え尽き、原子核が火へと返る、弱い力と強い力が熱により燃え尽き、
クオークが火へと返る、重力が熱により燃え尽き時間が火へと返る。さらに全てを火に戻し、その火を更なる火で焼き尽くす。
きっちりと半径八千里内の6秒を焼き尽くした。時間を6秒、焼き尽くした八千里内に存在できるのは、過去がなくとも存在できるもののみ。
例えば常に未来に実体があるために現在と過去が付随して存在することになる存在等々、実例を挙げればあのド変態並みの存在でなければならない。
さて、部分的に壊死させられた宇宙は傷を癒すために失われた時空を閉じる。結果、この惑星が歪になる、が月跡からすれば
「まあ、塵花にとてもお似合いですわ」
の一言である
天高くこの惑星の静止軌道の高さの十倍は上の高さで
「むむむ、心配のし過ぎだったなお。きっちり熱量『を』焼き尽くしたなお。この前は溢れて銀河一つ焼き尽くしたから、やっぱりそれは心配するなお。監督者としてとーぜんなお。なお!」
真空にも係わらず大声を響かせ『細かいことはいいんだなお!!』今日もかわいいミントちゃん(⋈◍>◡<◍)。✧♡が相手にしているのは巨大怨霊の大軍である。




