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ばたでん怪談・松江しんじ湖温泉駅「足湯」

作者: 蹴球有閑人

いやあ、飲んだ飲んだ。伊勢宮で三軒もハシゴしたぜ。

明日は一畑電車で出雲大社さんへ参拝だ。

だから今日は松江しんじ湖温泉駅の近くに宿を取った。


まだ煌々と灯のともる駅舎。終電も早いもんだ。夜の十時過ぎ、もう深夜の面持ちを見せる。

白煙の塊が闇に浮かぶ。水の流れる音、いや、お湯だ、温泉。足湯だな。

ちょうどいい、ちょっと温まって行こうか。

駅舎のすぐ前にある足湯。これだって立派に宍道湖温泉を引いている。


靴と靴下を脱いで足湯に入る。

熱いがすぐに慣れた。いや、酒で感覚が少し鈍くなっているのか。

そんな癖はなかったのに、つい鼻歌が出た。

すると、湯をなでる音がする。湯煙の切れ目から奥の方に足が垣間見えた。あ、誰かいる。

酔ってるとは言え、独り言や鼻歌を聞かれていたら恥ずかしい。

自分が出口側を塞いじゃったかな、こりゃあ出るに出られないだろう。

申し訳ない。


と、一陣の風、湯けむりが吹き飛ばされ、視界が開けた。

湯を弾く音もしたし、白い足が瞼に残っているのに、

足湯に漬かって居るのは自分一人だけだった。



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