第六話 見つけた
卓也は肉体から精神を引き離し、山神が実際に通った道を同じように流れていった。
そこは地底深く底…
大地のエネルギーが川のように流れている…
無数に枝分かれしているそれを…
卓也は山神が通った方へと流れた…
ゆったりゆっくり…
時には激流に耐えながら…
しばらく流れていると…
今まで起きていたモノが眠り…
眠っていたモノが起き始めた…
夜明けが来たのだ…
もうじき海に出る…
神経を研ぎ澄まし…
山神の気配をけして見失わないように…
ゆっくり…
慎重に…
海の下まで来ると…
今まで感じていた山神の『気』が薄くなった…
そう…
地上で探ったら…
まるで消えてしまったと感じるほどに…
まだ続いてる…
もっと先へ…
もっと前へ…
―――――無くなっている―――――
流れがプツンと切れた…
まるで…
切り取られたように…
切り取られたさきに…
光がある…
―――――行こう―――――
流れの先へ…
光のほうへ…
―――――触れる―――――
―――――もう少し―――――
触ったら…
飛ばされた…
山神は…
光の中に居る…
存在している…
大丈夫…
きっと…
ココに戻してみせる…
「は、!はっは…」
卓也の意識は体に戻った。
卓也は、大きく息をつくと立ち上がった。
「弾かれた…でも、見つけた」
卓也は山間からやっと見え始めた太陽を見ながら微笑した。
抽象的過ぎました…