4−2 挿話
国境を越え、森を抜けて2キロの距離に村を確認。再役古兵の証言により、嘗て我が国の精鋭が灰にしたと記録されているタキトス村が復興したものと断定。隠密偵察より「敵兵力発見出来ず、防柵は確認できるも、壕、土塁はなく、防衛能力僅少」との報告有り。
騎兵第一、第二大隊による奇襲作戦を決断。歩兵全軍は輜重を森林内に置き、標準装備にて出撃準備を指示。
騎兵大隊が草原にて展開中、敵歩哨に発見された模様。村より警鐘が発せられるのを確認。
敵に発見された事実を持って、奇襲作戦を破棄。包囲作戦に変更。展開した騎兵大隊は、村北側に展開し、敵の伝令阻止を最優先事項、伝令が村より出発している場合は、追撃を許可。第一大隊は、村西方より北へ移動、第二部隊は、村東方より北へ移動するように指令。騎兵第三大隊、第四大隊も出撃準備命令を発す。
第一大隊より「村の西側にも関所発見。我ら伝令阻止を優先す」との報告を受領。第三大隊を村西へ派遣し、村西口封鎖を命令。西門より脱出した者を発見した場合の追撃も許可。第二大隊よりも「村東門発見。村東にて村人数名捕縛」の報告を受領。第四大隊に村の東の関所封鎖を命令。
第一、第二大隊より「敵伝令の脱出の形跡無し。北関所封鎖完了」との報告を受領。第一大隊は、北関所より村内への突入を許可。敵兵力の威力偵察及び攪乱を目的とす。第二大隊は引き続き北関所封鎖を継続。司令部を歩兵隊と共に村南側の関所外へ移動。
第一大隊より「敵兵発見できず」との報告を受領。全歩兵隊の村南門より突入を命令。各歩兵大隊長へ、百人隊単位にて村の建物内の索敵を指示。略奪は一時的に禁止と厳命。歩兵第二大隊より、「村中央の丘に人が集結している模様。武器の所持無し」との伝令を受領。
騎兵第二大隊より「丘へ逃げる村人多数」との伝令を受領。全大隊長へ「敵を村の中央丘へ誘い込め」と発令。
敵を村中央の丘の建物へ誘導完了。村人を丘の建物内に収容。村の最高責任者の出頭を命じる。第六歩兵大隊へ、村の各施設の占領を指示。
シムルと名乗るこの村の村長(最高責任者)を尋問し、常備兵の存在がないことを確認及びこの村のザントロス国の占領下に入った事を宣言。
村長へ糧秣徴発を通達。村の戸籍名簿を要求し、逃亡者の確認作業を実施。
丘の上の建物へ司令部を移動。第五歩兵大隊に、北門付近に捕虜収容所の設置監督を指示。
第六歩兵部隊より、軍団半月分の小麦の備蓄が確認されたとの報告を受領。不滅の神々の配慮へ感謝をしつつ、即時徴発を決定。第二から第四騎兵大隊及び第一から第三歩兵大隊へ、森林内に置いた輜重の回収を指示。
占領した村をイコニオン侵略の拠点として要塞化を決定。副官に、村を囲む堡塁の工事計画書を明日提出するように指示。
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占領した村を要塞化しつ、増援軍団の到着を待ちます。
ザクトス・フォドルオン
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