タイトル未定2026/07/06 12:49
座敷わらしに出会ったお話
出ると有名な東北の旅館。
やっとの思いで予約が取れ
現地に赴き遂に就寝時間が来ても、
なかなか寝付けず布団で小一時間ほど、
ゴロゴロして気づかぬうちに寝入っていたら、
夜中の三時頃不穏な物音で目覚めると、
目の前にほんとよく言われるような
和装の幼い男の子がちょこんと座っていた。
眠い身体が一気に覚醒し、
『うわぁあああ出た~』
と興奮していた。
『ついについに座敷わらしに出会えた!
良いこと起きる!やった~』
と思っていると。
「じゃんけんで勝てたらね」
と言われてしまい、
『は?え?何?勝負で勝てたら?
どー言う事?勝ち負け?
負けたらどうなるのん?』
頭はハテナマークでいっぱいになったが
後に引けずチャンスを逃してなるものかと、
ジャンケンに自信のあった僕は
普通に勝ってしまい喜んでると、
「もっかい…」
とか言いだすわらしの目が泳いでいた。
『え?
こんな事言うの?
まじ?
さすがリアルだ…
僕は今とんでもない経験をしているんだ…』
生唾を飲み込み緊張も最高潮に、
次も勝ってしまっていた。
喜んで良いのか悪いのか
態度に出すのはさすがに失礼だと思い、
心のなかでガッツポーズし
小躍りしていたすると、
「もう一回!」
とか言い出し永遠とジャンケン対決。
『始めから三回勝負とかでよくね?』
とか思ってみたが、こちらはまな板の鯉。
仮にも神様相手に意見など出来ず、
どうにでもしてくれという心境。
そしてそれから何回もジャンケンしたが、
おかしいくらい絶好調で一度も負けず、
わらしと言えばなんか今にも
泣きそうに目がしょぼついてる…だが、
それでも懲りずに勝負を挑んでくるものだから、
僕は受けて立つしかなく、
そしてその全てに勝利した僕は
朝日が目に入り眩しいと思った瞬間、
ジャンケンに異様に弱いわらしがついに勝利し、
「遊んでくれてありがとー。
楽しかったよバイバイ」
と言い残し、
ポンッ
煙のような何かに包まれ
目の前から消えていった。
僕は眠くて眠くてそのまま布団にダウン。
目が覚めるとその事が
ただの夢の様に感じてしまっていて、
「会えました?」
帰りぎわ女将に言われ、
「…なんかずーっとジャンケンしてました。
こんなこと良くあるんです?」
と答えると。
「朝まで?本当に?
お客さんそれわらしより超レアな狸です!
以前の会えたお客さんも
ジャンケンしてたそうで、
めったに出会えないんですよ~」
「僕と同じだ。
でもなんで狸って分かったんですか?」
「葉っぱが落ちてるんです。
それで以前のお客さんが
狸だって言い出して。
誰にも分からないんですけど、
葉っぱなかったです?」
「葉っぱ?
そんな物無かったです…でも、
レア狸に合えると良いこと起こるんですか?」
まったく嬉しくなかった僕の気分が
パーッと晴れそうで身を乗り出して聞くと、
「さぁ?…」
女将のそっけない答えに、
心はまた煙に包まれ
トボトボと旅館を後にするのでした。
帰りぎわリュックの中から
異音がするのでバス亭で開けてみるとなんと、
何かの葉っぱがたくさん入っていて、
僕が勝った分だけの枚数が入っているのか、
夢じゃなかっったんだと
それだけでも嬉しくなり、
それ以来、
それ以来何年も、
僕はジャンケンで負けない人になってしまい、
いろんなジャンケンイベントで
美味しすぎる思いし過ぎてしまい、
今は多方面から出禁食らいましたが
それまで勝つ度に葉っぱは増えていき、
今では僕の別宅、
ジャンケンの収益で建てた
家の蔵に仕舞ってあって、
そのうち葉の山からまた
あの狸が出てこないかと毎日拝みながら、
あの時の事はやっぱり
座敷わらしの余興の一つで、
たまにやる遊びみたいなもの
だろうと言うのが僕の見解。
そして僕が狸とのジャンケンで
最後の最後に負けたことも考察すると、
いつか僕はたったの一回の勝負で
身をほろぼすかもという戒め。
そうならないように出禁まで設定してくれた。
ここまでワンセットなのかなと
ずーっと感謝しています。
おしまい




