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第6話:新たな依頼とスキルの検証

翌朝、レンはギルドへ向かった。


昨夜、ノートに記録した内容を頭の中で反芻しながら歩く。『遠吠え』と『群狼感覚』の実験。今日の依頼で試せるだろうか。


昨夜、宿の部屋で『群狼感覚』を一度試してみた。周囲に人の気配がないことを確認してから起動すると、不思議な感覚が体を包んだ。誰もいないのに、まるで誰かの存在を感じ取れそうな——そんな奇妙な感覚だった。


(実戦で使えば、もっとはっきり分かるはずだ)


「おはよう、レン」


ミラが笑顔で迎える。しかし、その笑顔は昨日と同じく、どこか引きつっているように見えた。


「おはようございます、ミラさん」


「今日も依頼ね。エリナはもう来てるわ」


ミラが奥を指す。エリナが壁際の椅子に座り、剣の手入れをしていた。


「おはようございます、エリナさん」


レンが声をかける。


「おはよう」


エリナは短く答え、顔を上げた。その表情は、いつもより少しだけ柔らかい。


「昨日はよく眠れた?」


「はい。疲れましたが、良い疲労でした」


「そう。なら良かったわ」


エリナは剣を鞘に収めた。


「今日の依頼は何?」


ミラが依頼書を取り出す。


「まず午前中は、森の東側で目撃されているゴブリンの一団。推定8体よ」


「8体……」


レンが呟く。昨日は12体だった。それに比べれば少ない。


「でも、油断しないで」


ミラが続けた。


「目撃情報だから、実際にはもっといるかもしれないわ」


「分かりました」


エリナが立ち上がる。


「それと」


ミラは二枚目の依頼書を取り出した。


「午後からは、コボルトとウルフの討伐依頼を二件。森の北側でコボルト5体、西側でウルフ3体が目撃されているわ」


「コボルトとウルフですね」


レンは首を縦に振った。どちらも以前単独で倒したことがある魔物だ。


「ええ。レンなら問題ないでしょう」


ミラが柔らかく笑う。


「今日は三件こなせば、E級昇格に必要な依頼数を満たすわね」


「そうですね」


レンは少し高揚を感じた。E級への昇格。F級から一歩前進する瞬間だ。


二人がギルドを出ようとした時、扉が開いた。


「レンさん!」


セラが駆け込んでくる。白い実験服の裾が揺れている。


「セラさん?」


「昨日の薬、どうでしたか?」


セラの目が期待に満ちている。研究者の情熱が、その瞳から溢れていた。


「とても効果的でした。疲労が少なくて、複数のスキルを同時使用できました」


「本当ですか!」


セラが嬉しそうに口角を上げた。


そして、何かを言おうと口を開きかけた——が、言葉が出てこない。


セラの表情が、一瞬歪んだ。


言いたいことがある。たくさんある。


どのスキルを? どんな組み合わせで? 効果の持続時間は? 副作用は?


しかし——ミラがすぐ傍にいる。


契約は「第三者の前では話さない」こと。ギルドという公の場で、レンのスキルについて詳しく聞くわけにはいかない。


セラは唇を噛んだ。


「……あの……」


セラは言葉を選ぶように、ゆっくりと話し始めた。


「戻ってから、詳しくお話を聞かせてください」


「はい。もちろんです」


レンは笑みを返した。


「ノートを見せますね」


「ありがとうございます」


セラの表情が、少しだけ和らいだ。


しかし、その目には——もどかしさが残っている。


その様子を、ミラとエリナが見ている。


ミラの表情は複雑だ。セラとレンが親しげに話す様子を見て、何か言いたげな表情を浮かべている。


そして——セラの言葉を選ぶような様子。何かを言いたいのに、言えない様子。


(セラ……何か、隠してる?)


ミラは、違和感を覚えた。


エリナも、セラを観察するように見つめていた。


「じゃあ、気をつけてくださいね」


セラが手を振る。


「はい。行ってきます」


レンとエリナが、ギルドを出る。


セラは二人の背中を見送った後、ミラに視線を向けた。


「ミラ、最近……何か元気ないですね」


「え? そんなことないわよ」


ミラは笑顔を作った。


「大丈夫よ。ちょっと忙しかっただけ」


「そうですか……」


セラは納得していない様子だったが、それ以上は聞かなかった。


「じゃあ、私は工房に戻ります。レンさんが戻ってきたら、連絡してください」


「ええ」


セラが出て行く。


ミラは一人、カウンターに残された。


(セラ……レンさんと、すごく楽しそう)


ミラは、自分でも理由の分からない感情を抱いた。


嫉妬? いや、違う。


ただ——。


(私も、レンさんの力になりたい)


(でも、私は受付嬢。戦闘には同行できない)


(セラみたいに、薬を作ることもできない)


(エリナみたいに、一緒に戦うこともできない)


ミラは、自分の無力さを感じた。


(私にできることは……依頼を選ぶことだけ)


ミラは、依頼書の束を見つめた。


(なら、せめて……レンさんに最適な依頼を選ぼう)


(それが、私にできる精一杯のこと)


ミラは決意を新たにした。


---


森の東側へ向かう道中、レンは『嗅覚強化』を起動させていた。


ゴブリンの匂い。土の匂い。朝露の湿った香り。


その中に——獣臭が混じっている。


「エリナさん、ゴブリンの匂いがします」


「どのくらい?」


「……8体、いえ、9体くらいかもしれません」


レンは眉をひそめた。


「推定より少し多いかもしれませんね」


「そう」


エリナの表情が引き締まった。


「警戒しましょう」


二人は剣を抜き、慎重に前進する。


レンは、昨夜試した『群狼感覚』を思い出した。


あの奇妙な感覚。誰かの存在を感じ取る力。


(実戦で使えば、もっとはっきり分かるはず)


レンは『群狼感覚』を起動させた。


瞬間、昨夜感じた感覚が、より鮮明になった。


エリナの位置が——見えないのに、分かる。


自分の右後方、約3メートル。


エリナの気配、呼吸、体温。


全てが、まるで自分の体の一部のように感じられる。


(やはり……仲間がいると、こんなにはっきりと……!)


レンは驚いた。


視界に入っていないのに、エリナの位置が正確に把握できる。


まるで、透明な糸で繋がれているような感覚だ。


「レン?」


エリナが声をかけた。レンの様子がいつもと違うことに気づいたようだ。


「いえ、大丈夫です。新しいスキルを試していました」


「新しいスキル?」


「はい。『群狼感覚』といって、仲間の位置を感覚的に把握できるスキルです」


「……そんなスキルもあるのね」


エリナは少し驚いた表情を見せた。


「便利そうね。それで、私の位置が分かるの?」


「はい。視界に入っていなくても、エリナさんの位置が正確に分かります」


「なら、戦闘中も役立ちそうね」


エリナは短く応じた。


「昨日、死角から攻撃された時も、このスキルがあれば……もっと早く気づけたかもしれないわね」


「そうですね。今日は、このスキルを使って戦ってみます」


レンは前を見据えた。


(『群狼感覚』で、エリナさんの位置を常に把握する)


(そうすれば、連携も取りやすくなるはず)


その時、茂みが揺れた。


「……来るわ」


エリナが低く告げた。


次の瞬間、ゴブリンの群れが姿を現した。


「……7体ね」


エリナが数える。


「私が4体、あんたが3体でいい?」


「はい」


レンは『群狼感覚』と『嗅覚強化』を維持したまま、『鋭敏』も起動させた。


まず三つのスキルを同時使用。


しかし——スキルの本質を理解してからは、体力の消耗が以前より軽くなっている。


(昨日セラさんの理論を実践してから……複数スキルを使っても、疲れにくくなった)


これも、成長の証だ。


「行くわよ」


エリナが飛び出した。


レンも続く。


体が軽くなる感覚と共に——『素早さ』が発動する。


筋肉の強化、神経伝達の加速、体重感覚の軽減。


その本質を意識しながら、戦場全体を俯瞰する『戦術眼』も重ねて起動した。


自分の位置。敵の位置。地形。障害物。


全てが、頭の中で立体的に把握できる。


最初のゴブリンに肉薄する。


腕に力を込め——『剛力』が腕の筋肉を膨張させる。


全体重を乗せた一撃を叩き込む。


短剣が、ゴブリンの肩から脇腹まで深々と食い込んだ。


一体目が地に崩れ落ちる。


(『群狼感覚』でエリナさんの位置が常に分かる……!)


レンは戦いながら、エリナの位置を把握し続けた。


エリナは今、自分の左前方、約10メートル。


四体のゴブリンと交戦している。


(大丈夫そうだ)


レンは次の敵へ視線を向けた。


二体目のゴブリンが棍棒を振り上げる。


『鋭敏』が動きを予測させる。


左に身を捻り、カウンター。


『剛力』を維持したまま、短剣を薙ぎ払う。


ゴブリンの首筋を切り裂く。


二体目が倒れる。


残り一体。


三体目のゴブリンが、レンに向かって突進してくる。


『戦術眼』で既に最適な位置を把握している。


木の根元へ素早く移動し、ゴブリンを誘導する。


狭い空間。


ゴブリンが棍棒を振るうが、木に当たって弾かれる。


その隙を突き、短剣を突き立てた。


心臓を貫く感触。


三体目が崩れ落ちる。


その時——『嗅覚強化』と『群狼感覚』が、同時に異変を感じ取った。


森の奥から、新たな匂い。


獣臭。三つの気配。


そして——エリナの方向。


(新しいゴブリンが……三体!)


レンは即座に周囲を見回した。


茂みの奥から、三体のゴブリンが現れる。


そして——エリナの背後に回り込もうとしている。


『群狼感覚』でエリナの位置を把握する。


エリナは今、二体のゴブリンを斬り倒したところだ。残り二体と対峙している。


背後の三体には、気づいていない。


「エリナさん! 背後です!」


レンは『遠吠え』を起動させた。


瞬間、レンの声が——普段とは比べ物にならないほど大きく、鋭く響いた。


「エリナさん! 背後、三体!」


まるで獣の遠吠えのように、声が森中に響き渡る。


エリナは即座に反応した。


目の前の二体のゴブリンを素早く斬り倒し、振り返って剣を構える。


背後から迫っていた三体のゴブリンが、レンの『遠吠え』に一瞬怯んだ。


その隙を、エリナは逃さなかった。


一閃。


剣が、ゴブリンの首を斬り落とす。


続けて二体目、三体目。


あっという間に、三体が倒れた。


「助かったわ」


エリナが声をかける。


「『嗅覚強化』と『群狼感覚』のおかげです」


レンは謙遜した。


「背後の三体、全く気づかなかったわ。あんたが教えてくれなかったら……」


「いえ。『嗅覚強化』で匂いを感じ取って、『群狼感覚』でエリナさんの位置が分かったから、危険だと判断できました」


「でも……あの声、すごかったわね」


エリナは少し驚いた様子を見せた。


「まるで、獣の遠吠えみたいだった」


「『遠吠え』というスキルです。本来は、仲間への合図を送るためのものですが……遠距離から声を届けるのに使えました」


「なるほど……」


エリナは感心したように了承した。


「あんた、本当に色々なスキルを持ってるのね」


「はい。でも、まだ使いこなせていないスキルもたくさんあります」


「それでも、十分よ」


エリナはレンの肩に手を置いた。


「今日も、無傷で戦えたわね」


「はい」


レンは口角を上げた。


「エリナさんのおかげです」


「私じゃなくて、あんたの実力よ」


エリナは優しく言った。


その声には、いつもの厳しさの奥に——確かな温かさがあった。


「でも、油断しないで」


エリナは続けた。


「ゴブリンは弱い魔物よ。もっと強い相手には、まだ通用しないかもしれないわ」


「はい。分かっています」


レンは真剣に応じた。


エリナの言葉には、常に実戦経験に裏打ちされた重みがある。


二人は素材を回収した。


---


午後、森の北側へ向かった。


「コボルトは5体ですね」


レンが確認する。


「ええ。ゴブリンより少し賢いから、気をつけて」


エリナが告げた。


「でも、あんたなら大丈夫でしょう」


レンは肯定の言葉を返した。


コボルトは、以前も単独で倒したことがある。


『嗅覚強化』と『群狼感覚』を起動させ、周囲を探る。


犬のような匂い。獣臭。


そしてエリナの位置も、常に把握できる。


「います。前方、約50メートル」


「分かったわ」


二人は慎重に前進する。


茂みの向こうに、コボルトの群れが見えた。


犬のような顔。二本足で立ち、短剣や棍棒を持っている。


「5体……ちょうど推定通りですね」


レンが数える。


「私が2体、あんたが3体でいい?」


「はい」


レンは剣を構えた。


既に『群狼感覚』でエリナの位置を把握している。


そして、体が軽くなる感覚——『素早さ』。


腕に力が満ちる——『剛力』。


戦場全体が見渡せる——『戦術眼』。


複数のスキルを同時に起動しているが、体力の消耗は以前より明らかに軽い。


スキルの本質を理解することで、無駄なエネルギーの消費が減っているのだ。


「行くわよ」


エリナが飛び出した。


レンも続く。


コボルトは、ゴブリンより素早い。


しかし——レンも成長している。


『鋭敏』が動きを予測させ、『素早さ』で回避。


『剛力』で反撃。


一体目のコボルトが、短剣を振るう。


レンは左に身を翻し、カウンター。


短剣が、コボルトの首筋を切り裂く。


一体目が崩れ落ちる。


二体目が棍棒を振り下ろす。


『戦術眼』で既に位置を把握している。


木の影に移動し、コボルトを誘導する。


狭い空間。


コボルトが棍棒を振るうが、木に当たって弾かれる。


その隙に、短剣を深く突き立てた。


二体目が倒れる。


三体目のコボルトが、距離を取って様子を窺っている。


賢い。


ゴブリンなら、すぐに突っ込んでくる。


しかし、コボルトは——レンの実力を見極めようとしている。


(なら……)


レンは『遠吠え』を起動させた。


「ウォオオオオ!」


獣の遠吠えが、森に響く。


コボルトが、一瞬怯んだ。


その隙に、レンは距離を詰めた。


体が軽い——『素早さ』を全開にして、一気に接近。


腕に力を込めて——『剛力』で短剣を振り下ろす。


コボルトが反応するが——遅い。


短剣が、コボルトの心臓を貫いた。


三体目が地に倒れる。


エリナも、二体のコボルトを倒し終えていた。


「お疲れ様」


エリナが声をかける。


「はい。お疲れ様です」


レンは息を整えた。


(『遠吠え』は、威嚇にも使える……)


新しい発見だった。


素材を回収し、次の依頼へ向かう。


---


森の西側。


ウルフの討伐依頼だ。


「3体……いえ、もしかしたら4体かもしれません」


レンが『嗅覚強化』を起動させながら言った。


狼の匂い。獣臭。血の匂い。


しかし、匂いが重なり合って、正確な数が掴めない。


「匂いが複雑で、はっきりしないんです」


「そう」


エリナが警告するように言った。


「ウルフは素早いから、気をつけて。数が不確かなら、なおさら油断しないで」


「はい」


レンは承諾した。


『嗅覚強化』と『群狼感覚』を維持したまま、二人は前進する。


そしてエリナの位置も把握する。


「います。前方、約80メートル」


「分かったわ」


茂みの向こうに姿を現したウルフは、予想通り——四匹だった。


三匹ではなく、四匹。


そして、その中の一匹は——明らかに他より大きい。


群れのリーダー格だろうか。


「……やはり四匹いたわね」


エリナが低く言った。


「しかも、一匹は大型。厄介ね」


「どうしますか?」


「私が大型を引き受けるわ。あんたは残りの三匹」


エリナの声には、いつもの厳しさがあった。


「無理しないで。危なくなったら、すぐに声をかけなさい」


「はい」


レンは剣を構えた。


ウルフは、コボルトよりさらに素早い。


しかし——。


(『素早さ』の本質を理解している)


(『鋭敏』で動きを予測できる)


(『群狼感覚』でエリナさんの位置も把握できる)


(『戦術眼』で戦場全体が見える)


レンは自信を持って、ウルフに向かった。


「行くわよ」


エリナが飛び出した。


レンも続く。


感覚が研ぎ澄まされる——『鋭敏』。


体が軽くなり——『素早さ』。


腕に力が満ち——『剛力』。


戦場全体が見渡せる——『戦術眼』。


エリナは大型のウルフに向かって駆け出した。


しかし——その瞬間。


大型のウルフが、エリナとレンの間に割って入った。


二人が、分断される。


「レン!」


エリナが叫ぶ。


大型のウルフが、エリナとレンの視界を遮っている。


残りの三匹のウルフが、レンを包囲する形で迫ってくる。


(エリナさんの位置が……!)


しかし——『群狼感覚』がある。


視界に入っていなくても、エリナの位置が分かる。


大型のウルフの向こう側、約15メートル。


エリナは大型のウルフと交戦している。


(大丈夫……エリナさんの位置は把握できている)


レンは冷静に状況を判断した。


一匹のウルフが、レンに向かって跳びかかる。


『鋭敏』が動きを予測させる。


右に身を捻る。


ウルフが空を切る。


その瞬間、レンは全体重を乗せた一撃を叩き込む。


短剣が、ウルフの背中を深々と切り裂いた。


ウルフが地面に倒れる。


一匹目。


二匹目と三匹目のウルフが、同時に襲いかかってくる。


『戦術眼』で既に位置を把握している。


レンは木の幹の近くへ移動した。


二匹が同時に攻撃できない位置。


先頭のウルフが飛びかかる——しかし、その動きは『鋭敏』で予測済みだ。


レンは木の影に身を隠す。


ウルフの爪が、木の幹を削る。


その隙に、レンは反撃。


短剣が、ウルフの首筋を貫いた。


二匹目が倒れる。


残り一匹。


最後のウルフは、二匹が倒されたことで——逃げようとした。


しかし。


レンは『遠吠え』を起動させた。


「エリナさん! そちらは大丈夫ですか!」


まるで獣の遠吠えのように、声が森に響く。


大型のウルフの向こうから、エリナの声が返ってくる。


「問題ないわ! そっちは!」


「あと一匹です!」


『群狼感覚』でエリナの位置を確認する。


エリナは今、大型のウルフと激しく戦っている。


しかし——動きに乱れはない。


(大丈夫だ)


レンは目の前のウルフに集中した。


ウルフは、レンの『遠吠え』に一瞬動きを止めた。


その隙に、レンは距離を詰める。


『素早さ』を全開にして、一気に接近。


短剣が、ウルフの心臓を貫いた。


三匹目が地に崩れる。


エリナも、大型のウルフを倒し終えていた。


「無事ね」


エリナが駆け寄ってくる。


「はい」


レンは了承した。


「分断されたけど、『群狼感覚』でエリナさんの位置が分かったので……焦らずに戦えました」


「そう」


エリナは剣を鞘に収めた。


「あのスキル、本当に便利ね。視界が遮られても、位置が分かるなんて」


「はい。『遠吠え』で声も届けられましたし」


「ええ。あれで、互いの状況が確認できたわ」


エリナは少し柔らかい表情を見せた。


「良い連携だったわ」


「ありがとうございます」


「でも、推定より一匹多かったわね」


エリナは続けた。


「目撃情報は完璧じゃないからね。こういうこともあるわ。だから、油断しないでって言ったのよ」


「はい。気をつけます」


素材を回収し、ギルドへ戻る。


---


「お帰りなさい。三件とも完了ね」


ミラが笑顔で迎える。


「はい。ゴブリン10体、コボルト5体、ウルフ4体を倒しました」


「ウルフ、推定より一匹多かったのね」


「はい。でも、無事に倒せました」


「お疲れ様」


ミラが報酬を渡す。


「これで、依頼達成数は10件ね」


ミラは続けた。


「E級昇格の条件を満たしたわ」


「本当ですか?」


レンは驚いた。


「ええ。でも、昇格するには試験が必要よ」


「試験……」


「E級昇格試験。内容は、ホブゴブリンの単独討伐」


ミラが説明する。


「試験官が同行して、あなたの実力を確認するわ。試験官は戦闘には介入せず、ただ見守るだけ。本当に一人で倒せるかを確認するのよ」


「ホブゴブリン……」


レンは、首の傷跡を無意識に触った。


あの時、首に傷を負った。


短剣が折れた。


エリナが、涙を流した。


「大丈夫よ」


ミラが優しく言った。


「今のあんたなら、きっと倒せるわ」


「……はい」


レンは承諾の意を示した。


「試験は、いつですか?」


「明後日の予定よ。試験官の都合もあるから」


「分かりました」


レンは深呼吸した。


(ホブゴブリン……今度こそ、無傷で倒す)


「レンさん」


ミラが、少し真剣な表情で言った。


「あの……ちょっと、話せない?」


「え?」


「二人きりで」


ミラは、エリナを見た。


エリナは首を縦に振った。


「私は、もう帰るわ。お疲れ様、レン」


「はい。お疲れ様です、エリナさん」


エリナがギルドを出て行く。


ミラとレンが、二人きりになった。


「レンさん」


ミラが口を開いた。


「セラと、何か……秘密にしてること、ある?」


「え?」


レンは驚いた。


「いえ、責めてるわけじゃないの」


ミラは慌てて手を振った。


「ただ……セラ、最近様子がおかしくて」


ミラは続けた。


「何か言いたそうなのに、言えない様子で……今朝も、レンさんに色々聞きたそうだったのに、途中で言葉が詰まってたでしょ?」


「……」


レンは黙った。


確かに、セラとは契約を結んでいる。


スキルのことを第三者の前では話さないという契約。


しかし——。


(ミラさんは、信頼できる)


(でも……簡単に話していいことなのか)


レンは少し考え込んだ。


スキルの秘密は命に関わる。


これまでの関わりで、ミラが信頼できる人物だと理解している。


しかし、それでも——。


ミラは、レンの逡巡を見て取った。


「レンさん、無理に話さなくてもいいのよ」


ミラは優しく言った。


「ただ……私、セラとレンさんが何か隠してるんじゃないかって、勘違いしてたみたいで」


「勘違い……ですか?」


「ええ。二人だけの秘密があるのかなって」


ミラは視線を逸らした。


「それで、何だか……寂しくなっちゃって」


その言葉には、素直な感情があった。


レンは、ミラの表情を見つめた。


いつも笑顔で迎えてくれるミラ。


依頼を選んでくれるミラ。


自分の成長を見守ってくれるミラ。


(ミラさんも……力になりたいと思ってくれている)


(なら……)


「ミラさん」


レンは決心した。


「本当に口外しないと約束できますか?」


「え?」


ミラが顔を上げた。


「話してくれるの?」


「はい。でも、これは……僕の命に関わることなんです」


レンは真剣な目で見つめた。


「だから、絶対に口外しないと約束してください」


「ええ、絶対に」


ミラの即答。


しかし、レンはまだ迷っていた。


「……レンさん?」


ミラが不安そうに尋ねる。


レンは深く息を吸った。


(ミラさんは、これまでずっと僕を支えてくれた)


(信頼できる)


(でも、それでも——この秘密は重い)


レンは少しの間、沈黙した。


ミラは、レンが真剣に考えていることを理解して、静かに待っていた。


(……大丈夫。ミラさんなら)


「分かりました。お話しします」


「本当?」


「はい。ミラさんなら、信頼できます」


レンは、自分のスキルについて話し始めた。


『スキルツリー』の能力。


モンスターのスキルを吸収できること。


スキルの本質を理解することで、効果が向上すること。


セラとの研究。


そして——契約の内容。第三者の前では話さないという約束。


ミラは、真剣に聞いていた。


「すごい……」


ミラが息を呑んだ。


「そんな能力、聞いたことないわ」


「はい。だから、秘密にしています」


「分かったわ。絶対に口外しない」


ミラは約束した。


そして——少し安心したような表情を浮かべた。


「そっか……セラは、契約で話せなかったのね」


「はい。ギルドという公の場では、話せなかったんです」


「なるほど……」


ミラは納得した様子だった。


「私、勘違いしてたみたい。二人だけの秘密があるんじゃないかって……」


「そんなことは……」


「ううん、いいのよ」


ミラは首を振った。


そして——少し複雑な表情を浮かべた。


「でも……レンさん、私にも教えてくれて、ありがとう」


「いえ」


「私も……」


ミラは少し言いづらそうに続けた。


「レンさんの力になりたいって、ずっと思ってたの」


「ミラさん……」


「でも、私は受付嬢だから……セラみたいに薬を作ることもできないし、エリナみたいに一緒に戦うこともできない」


ミラは自分の手を見つめた。


「だから、せめて……レンさんに最適な依頼を選ぶことしかできないのかなって」


「それだけでも、十分です」


レンは言った。


「ミラさんが選んでくれる依頼は、いつも僕の成長に合っています」


「本当?」


「はい。ミラさんがいなければ、ここまで成長できませんでした」


「レンさん……」


ミラの目が、わずかに潤んだ。


「ありがとう」


ミラは笑みを浮かべた。


しかし——その笑顔は、まだどこか寂しげだった。


(私にできることは……やっぱり、依頼を選ぶことだけなのかな)


ミラは心の中で思った。


(でも……それが、私の役目なら)


ミラは依頼書の束に目を落とした。


(レンさんが、一番成長できる依頼を見つけよう)


ミラは小さく息を吐いた。


少しずつでいい。


自分にできることを、精一杯やろう。


「あ、セラには……私が知ったこと、伝えていいかしら?」


ミラが尋ねた。


「はい。もちろんです」


「ありがとう。そうすれば、セラも少しは気が楽になるでしょう。あの子、契約で言いたいことが言えなくて、すごくもどかしそうだったから」


ミラは柔らかく笑った。


「じゃあ、今日はゆっくり休んでね。明後日の試験、頑張って」


「はい」


レンはギルドを出た。


---


宿に戻る前に、レンはセラの工房へ向かった。


今日の結果を報告したい。


扉をノックする。


「どうぞ!」


セラの声が響く。


扉を開けると、セラが実験台の前に立っていた。


「レンさん! お帰りなさい」


セラが嬉しそうに笑みを浮かべた。


「ただいま戻りました」


「結果、聞かせてください!」


セラの目が期待に満ちている。


レンはノートを取り出した。


「今日は、三件の依頼をこなしました」


「三件も?」


「はい。ゴブリン、コボルト、ウルフの討伐です」


レンは今日の戦闘について話した。


『群狼感覚』と『遠吠え』の活用。


『嗅覚強化』で新しい敵の接近を察知したこと。


エリナとの連携。


ウルフ戦で分断されたが、『群狼感覚』で位置を把握し続けられたこと。


そして——複数のスキルを同時使用しても、以前より疲労が少なかったこと。


セラは、レンの話を熱心に聞いていた。


「なるほど……スキルの本質を理解することで、消耗も軽減されるんですね」


「はい。昨日セラさんと話してから、明らかに変わりました」


「それは……」


セラは少し考え込むような様子を見せた。


「スキルを使う時、無駄なエネルギーを消費していたのが、本質を理解することで効率化されたんでしょうね」


「効率化……」


「はい。例えば、『素早さ』を使う時、以前は闇雲に魔力を注いでいたはず。でも、筋肉の強化、神経伝達の加速、体重感覚の軽減……その本質を理解して、必要な部分にだけ魔力を注げるようになった」


セラは続けた。


「結果、同じ効果を得るのに、使う魔力が少なくて済む。だから、複数のスキルを同時使用しても、疲労が軽いんです」


「なるほど……」


レンは感心した。


「理論的に説明されると、すごく納得できます」


「レンさんが実践してくれたおかげです」


セラは口角を上げた。


「私は、理論を提示しただけ。実際に試して、結果を出したのはレンさんですから」


「でも、セラさんがいなければ、ここまで理解できませんでした」


レンは感謝を込めて言った。


「ありがとうございます」


「いえ……」


セラは少し照れたように視線を逸らした。


「私も、楽しいです。レンさんと話すのは」


「僕もです」


レンは笑みを返した。


二人の間に、温かい空気が流れる。


「それで……」


セラが口を開いた。


「明後日、E級昇格試験なんですよね?」


「はい。ホブゴブリンの単独討伐です」


「ホブゴブリン……」


セラは少し心配そうな表情を見せた。


「以前、首に傷を負った相手ですよね」


「はい」


レンは首の傷跡を無意識に触った。


「でも、今は違います。あの時より、ずっと強くなりました」


「そうですね」


セラは頷いた。


「レンさんなら、大丈夫でしょう」


セラは実験台に向かい、薬品を取り出し始めた。


「念のため、新しい薬を作りますね」


「え? でも……」


「いいんです」


セラは手を振った。


「試験で使うかどうかは別として、持っておいた方が安心でしょう?」


「ありがとうございます」


レンは頭を下げた。


セラの手つきは、正確で無駄がない。


薬品を調合し、魔力を注ぎ込む。


その姿は、まさに職人だった。


「セラさん、錬金術師としての腕は……どのくらいなんですか?」


「どのくらい……ですか?」


セラは手を止めずに答えた。


「A級ですね」


「A級……!」


レンは驚いた。


A級といえば、かなりの実力だ。冒険者で言えば、エリートの領域。


「すごいですね」


「いえ、まだまだです」


セラは謙遜した。


「エルフは長命ですから。長い時間をかけて、色々な土地を転々としてきました」


「色々な土地を……」


「はい。各地で錬金術を学び、研究を続けてきました」


セラは調合を続けながら言った。


「でも、落ち着いて研究できる場所が欲しくて……それで、この街に来たんです」


「なるほど……」


「ここなら、静かに研究できると思って」


セラは少し寂しそうな表情を浮かべた。


「でも……自分が本当に研究したいものが、なかなか見つからなくて」


「研究したいもの……ですか?」


「はい」


セラは手を止めた。


「錬金術師として、何か……誰も成し遂げていないことを成し遂げたい。でも、それが何なのか」


セラは窓の外を見つめた。


「色々な土地で、色々な研究を見てきました。素晴らしい発見も、たくさん目にしました」


「……」


「でも、私自身が本当に打ち込める研究が……何なのか分からなかった」


セラの声には、長い時間抱えてきた葛藤があった。


「エルフは長命です。だから、焦る必要はないって……自分に言い聞かせてきました」


「セラさん……」


「でも、それでも……心のどこかで、ずっとモヤモヤしていたんです」


セラはレンを見つめた。


「自分は、何のために錬金術を学んできたのか」


「何のために……」


「はい」


セラは小さく笑った。


「でも、レンさんと出会って……少し、見えてきた気がします」


「え?」


「レンさんのスキルを研究すること」


セラの目が、わずかに輝いた。


「スキルの本質を理解し、それを最大限に引き出す方法を見つける。そして、それをサポートする薬品を作る」


「セラさん……」


「これが……私の研究テーマかもしれません」


セラは柔らかく笑った。


「レンさんのおかげで、見つけられました」


「いえ、僕こそセラさんのおかげで……」


「お互い様ですね」


セラは優しく言った。


しばらくして、薬が完成した。


「はい、できました」


セラが小瓶を差し出す。


透明なガラス瓶の中で、青白い液体がわずかに光を放っている。


「ありがとうございます」


レンが受け取る。


「これで、試験も安心です」


「はい。頑張ってください」


セラは笑みを浮かべた。


「また、結果を教えてくださいね」


「はい。必ず」


レンは頭を下げた。


「では、今日はこれで」


「はい。気をつけて帰ってください」


レンが工房を出る。


セラは、レンの背中を見送った。


(レンさん……)


セラは、自分の気持ちに気づき始めていた。


レンと話すのが、楽しい。


レンの成長が、嬉しい。


レンの笑顔が、見たい。


(これは……)


セラは首を振った。


(いえ、まだ早い)


しかし、以前とは違う。


以前は「研究パートナー」という言葉で納得できていた。


でも、今は——少しだけ、物足りなさを感じている。


(……いつか、言えるようになるのかな)


セラは小さく息を吐いた。


セラは実験台に戻り、次の薬品の調合を始めた。


しかし、心のどこかで——レンのことを思っていた。


---


レンは宿に戻り、ベッドに腰かけた。


今日一日を振り返る。


『群狼感覚』と『遠吠え』の実験。


未使用スキルの活用。


エリナとの連携。


ウルフ戦での分断。


セラとの会話。


ミラとの会話。


(充実した一日だった)


レンはノートを取り出し、今日の記録を書き始めた。


【今日の成果】

ゴブリン10体討伐(当初7体+追加3体)

コボルト5体討伐

ウルフ4体討伐(推定3〜4体、実際4体)


依頼達成数:10件

E級昇格条件を満たした


【新スキルの実験:成功】

『群狼感覚』:

- 昨夜、宿の部屋で一度試した

- 実戦ではより鮮明に感じ取れた

- 仲間の位置を感覚的に把握できる

- エリナさんの位置が、視界に入っていなくても正確に分かる

- まるで透明な糸で繋がれているような感覚

- 戦闘中も維持可能

- エリナさんの背後の敵を察知できた

- ウルフ戦で分断されても、位置を把握し続けられた


『遠吠え』:

- 声を遠距離まで届けることができる

- まるで獣の遠吠えのように、声が響き渡る

- エリナさんに危険を知らせることができた

- 威嚇にも使える(コボルト戦、ウルフ戦で確認)

- 分断された時も、声で連携が取れた


三つのスキルの組み合わせ:

- 『嗅覚強化』で新しい敵の接近を察知

- 『群狼感覚』でエリナさんの位置を把握

- 『遠吠え』で声を届ける

- パーティ戦闘で非常に有効

- 視界が遮られても機能する


未使用スキルにも、活用方法がある

一つずつ実験していく価値がある


【ウルフ戦での新発見】

大型のウルフが間に割って入り、エリナさんと分断された

しかし:

- 『群狼感覚』で位置を把握し続けられた

- 『遠吠え』で声を届け、状況確認ができた


視界が遮られる状況でも、これらのスキルは有効

今後、複雑な地形や暗所での戦闘でも役立つはず


【重要な発見:スキルの効率化】

スキルの本質を理解することで、消耗が軽減される


理由(セラさんの理論):

- 以前は闇雲に魔力を注いでいた

- 本質を理解することで、必要な部分にだけ魔力を注げる

- 結果、同じ効果を得るのに使う魔力が少なくて済む


今日は複数のスキルを同時使用した場面が多かったが、

以前より明らかに疲労が少なかった


スキルの理解を深めることは、

効果の向上だけでなく、効率化にもつながる


【ミラさんとの会話】

ミラさんに、僕のスキルのことを話した

セラさんが契約で話せなかったことを心配していた


最初は躊躇した

スキルの秘密は命に関わる

「本当に口外しないと約束できますか?」と確認してから話した


ミラさんは約束してくれた:

- 絶対に口外しない

- 受付嬢として、僕に最適な依頼を選ぶ

- 僕の成長を見守る


ミラさんも、力になりたいと言ってくれた

でも、その表情には——まだ何か、複雑なものがあった


「セラみたいに薬を作ることもできないし、エリナみたいに一緒に戦うこともできない」


ミラさんは、自分にできることが限られていると感じているようだった

でも——依頼を選ぶことは、とても大切なことだ

ミラさんがいなければ、ここまで成長できなかった


最後、ミラさんは依頼書の束を見つめて、

少し決意したような表情をしていた


【セラさんとの会話】

セラさんはA級錬金術師

エルフで長命なため、色々な土地を転々としてきた

落ち着いて研究できる場所を求めて、この街に来た


でも——本当に研究したいものが、なかなか見つからなかった


「自分は、何のために錬金術を学んできたのか」


長い時間をかけて、その答えを探してきた


僕と出会って、研究テーマが見えてきたと言ってくれた:

「スキルの本質を理解し、それを最大限に引き出す方法を見つける」

「それをサポートする薬品を作る」


セラさんの長い探求の末に、僕が少しでも役に立てているなら、嬉しい


今日、セラさんの様子が少し違った気がする

以前より——何か、言いたいことがあるような

でも、まだ言葉にはしていない


【E級昇格試験について】


試験内容:ホブゴブリンの単独討伐

試験官が同行して、実力を確認

試験官は戦闘に介入せず、見守るだけ


試験日:明後日

以前、ホブゴブリンと戦った時:

- 短剣が折れた

- 首に傷を負った

- エリナさんが涙を流した


でも——今は違う


今の僕なら:

- スキルの本質を理解している

- 複数のスキルを効率的に使える

- 魔法付与された鋼製短剣がある

- セラさんの薬がある

- 未使用スキルの活用方法も分かってきた


無傷で倒せる


必ず、倒してみせる


【次にすべきこと】

- 明日は休養日として、体調を整える

- ノートで今まで学んだことを復習

- スキルの本質を再確認

- 明後日の試験に備える


ノートを閉じる。


レンは窓の外を見つめた。


月が、静かに街を照らしている。


(ホブゴブリン……)


レンは首の傷跡を触った。


あの時の痛み。


折れた短剣。


エリナの涙。


(今度は違う)


(今の僕なら、倒せる)


レンは決意を新たにした。


(強くなった……確かに、強くなった)


(でも、まだ足りない)


(もっと、強くならなければ)


エリナを守るために。


ミラを守るために。


セラを守るために。


そして——自分自身を守るために。


レンは目を閉じた。


明後日の試験。


必ず、合格してみせる。


静かに、眠りについた。


---


【今回獲得したスキル】

- なし(今回は既存スキルの活用と、スキルの効率化がメイン)


【第6話終了時点】


筋力:33 (E)

敏捷:36 (E)

耐久:30 (E)

魔力:52 (D-)

知力:68 (D)

総合戦闘力:219(全ステータス合計値)


保有スキル数:21個(固有スキル含む)


依頼達成数:10件(E級昇格条件を満たした)

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