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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

裏の顔が暗殺者なだけの公爵令嬢と令息

作者: 猫叉柳

息抜きとして書いてみました、【戦鬼】の方はもうしばらくお待ち下さい。

ん、ここはどこだ?私は任務の帰りに組織から裏切られ始末されたはず、…………

暗くはない、牢獄ではないな、というより明るすぎないか?真夜中だったはずだが

………………とりあえず体の自由の確認だ。


「あ~、あぅあ、」


!?私の声じゃない、というより喋れないしこの声は…………赤ちゃんの声だよな?


「あらあらキリアちゃん、どうしたの?お腹が空いたのかしら?」


誰だ、私の名前はキリアではないぞ。それにこいつやたらとデカく見えるな、一応私は18歳で身長もそこそこあるんだが、…………私が小さくなってる?まさか赤ちゃんになってるのか!?いやだがそうとしか説明がつかないし、あの甲高い声と喋れないことにも納得がいく。しかもここは現代社会じゃないよな?やまるで中世ヨーロッパの世界のような……………まさかクラスの女の子たちが言っていた異世界転生というやつか?だとしたら私は死んで、この世界に赤ちゃんとして生まれ変わったことになるが………………腑に落ちすぎる、普通ならありえないと一蹴するが、こんなことになっている以上これは現実なのだろう。













あれから16年たった、あの時の女は私の母親で父親は公爵、一応私は公爵令嬢で、

6年前に王命で第一王子の婚約者になった。我が家は世間一般的に良好な家族関係

というものらしく(・・・)、当時父親は婚約話を断っていた。まあ、だから王命で無理矢理

になったんだろうけど。一応前世のクセで暗殺者としての特訓をしており、今では

全盛期以上の実力にっている。まあ父親と母親は気づいているっぽいが、

誘拐されるたびに返り討ちにしているので何も言われない。…………まあなにか

問題があるとすればその第一王子だろうな、あまりにも甘ちゃん、お花畑すぎる、

あれでよく王子が務まっているなと思うくらいだ。まあだからこそ私が婚約者に

なったんだろう、…………敵に容赦なしに加えて、切る判断も躊躇わずにやって

いたからな。そして今日から学園に通わなければいけないらしい、正直妃教育と

やらで習うことはなくなったから、行く必要はないんだが……………まあ後の人脈

をつくる場としては最適か、仕方無いし行くとしよう。まあ王子は当然迎えに

来ないだろうな、去年のあの事件以来会ってないし。そもそも自分を誘拐した

犯人を私が殺して怒るとか、殺す必要はないとか言ってたけど、それこそ馬鹿だ。

王子を誘拐したやつを殺さないわけがない、仮に私が見逃したとしても絶対に

王家の影が始末していたはずだ。まああのあとすぐに帰って王家に報告したから、

その後のことは知らないけど。


「さて、では母様父様、行ってまいります。」


「気をつけていくんだよキリア。」


「なにかあればいつでも帰ってきなさい、まああなたは大丈夫だろうけど。」


「あはは、………ではセバスチャン、出して。」


「承知しました、お嬢様。」







……………というのが家を出たときのこと、今私は学園についたのだけど

なんで朝から私は婚約者の不貞行為を見ないといけないの?てか誰よその方。

あっ気づいた…………ふ~ん、そんな顔するってことは一応罪の意識はあるんだ。

でもやめないから心の底からじゃないんだろうな~、はぁめんどくさい。


「セバスチャン、あの方はどなただったかしら?」


「あのご令嬢は男爵家の一人娘ですな、婚約者はおられませんが…………」


「なるほどね~、……………とりあえず二人にだけ報告しておいて。」


「承知しました、では失礼いたします。」





その後私は特に気にすることもなく、普通に入学式と授業を受けた。

この学校は成績でクラスが決まって、私は最優秀生徒の集まるSクラス、

あのお花畑はAクラス、男爵令嬢はEクラスだった。そしてクラスは

基本的に卒業まで変わらない。おかげであのバカ2人には会わずに

すんだんだけど、流石に定期的にあるお茶会を5ヶ月もサボるのは

いただけない、そこで私は久しぶりにお花畑を呼び出したんだけど………


「私はあなたを呼び出したはずです、側近はまだいいとして…………

    なぜこの方までいるのでしょう?意味がわからないのですが。」


「貴方には関係ないであろう…………それより何のようだ。」


「はあ、もういいです。では失礼して、なぜ定期的にあるお茶会を

 5ヶ月も来られなかったのですか?やってることの非常識さ分かってます?」


「…………あなたと話すことはなにもないからだ。もういいだろう?」


「そうです!、無理矢理婚約者に縛り付けるだなんて可愛そうです!」


「……………あなたに発言の許可は与えておりません、死にたいのですか?」


そもそも無理矢理婚約者にしたのはあっちなんだけど。


「っ…………あなたはいつもそうだ、命を何だと思っている!?もっと

   学園では平等であるべきだ。行くぞお前ら、コニーも行こう。」


…………王族の貴方がそれを言うとか、とうとうイカれたかな。


「ふぇーん、怖かったです〜。」


「………………(何だその泣き方、嘘泣きだろ。)」


「…………ウィル、どうした?」


「………………少し野暮用があるので。」


「そうか…………………ほらコニー、早く戻ろう。」


婚約者の前で堂々と不貞とか、やっぱりとうとうイカれたな。にしても、


「…………なんのようですか?ウィルフレッド公爵令息様。」


「そうですね、ではキリア公爵令嬢殿、貴方は…………………我等と同族ですね?」


その瞬間、私はスカートから暗器を、相手は服の袖から暗器を出し、

目をそらさないままお互いの獲物をぶつけた。


「………令嬢が獲物を取り出すとか、世も末ですね。」


「こちらのセリフです、貴方暗部の若長でしょ。王子のあれらを

   確認していながらなんのアクションもないのはなぜですか?」


「まあ貴方ならそうなりますよね~、…………………………

  素で話しませんか?我らに駆け引きなんぞ無駄でしょう。」


「………………それもそう、情報交換といこう。」


「…素の君ってそんな感じなんだね~、まいいや。にしても君

  ほんとに公爵令嬢?強すぎじゃない?さっきの殺気もやばかったし。」


「いいから早く情報。」


「…………………はいはい、まあ結論から言うと証拠集めってとこだな。

   あれじゃ王子として不適切だ、廃嫡も決定してる。」


「そのための証拠集め…………邪魔しなかったらこっちも動いていい?」


「え?…………ああ、まあ。……………何すんだ?」


「…………内緒。」


「えー、まいいや。それよりたまにここで情報交換しない?」


「たまに、なら………………やる。」


「おっまじ、じゃあまた今度な。」


そう言ってウィルフレッドはその場から消えた、………何が強いなよ、

貴方も充分強いじゃない。少なくとも前世の私なら負けてたわね。



まあそんな事がありつつ、たまに情報交換しながら1年目は殿下(お花畑)に忠告を、

2年目は助言を、3年目は何も聞かないと分かってたから何も言わなかったし、

関わるようなこともしなかった。お花畑は遊びすぎたのかクラスがBに

下がってたけど、まあ私には関係ない。情報交換で始めて知ったくらいだし。

そして今日は卒業式、私は在学中ずっと首席をキープしたし我ながら頑張った。

ちなみにウィルフレッドは僅差で次席だった。

まあそんなことはどうでもいい、今からちょうど卒業パーティーが開かれる……

はずだったんだけどな~……………


「キリア嬢!今この時を持って貴殿との婚約を破棄させていただく。」


「……皆様の門出の日に正気の発言とは思えないですが、なぜでしょう?」


「私はいたって正気だ。……………コニー、おいで。」


「アル様〜、私怖かったです〜。」


「貴方は………側近の方たちもですか。」


「僕はいるよー、キリア公爵令嬢。」


「…………………なんだいたんですか。この状況どうするつもりですか?」


「うーん、まあ後手に回ってるね~。簡潔に言ったら時間稼ぎしないといけない

   んだけど、僕だけじゃ流石にこの広さをやりきるのはキツイんだよね~。」


「……………はあ、わかりましたよ。時間は?」


「最低ノルマ3分、可能なら主力の無力化だね。」


「了解。」


「さっきから何を言っている?まあいい、お前がコニーをいじめていたことは知って

  いるのだからな、よってお前は国外追放とする。衛兵!こいつをつまみ出せ。」


「はあ、常識どうこう命がどうこうよく言えたものです。それより衛兵さん達は

敵国…隣国の手のものですよね。流石に死にたくないので殺させていただきます。」


そう言って私は、久しぶりに持ってきていた相棒の巨大な十徳ナイフを振り回し、

私を囲っていた敵たちを一瞬のうちに殺した。…血飛沫がだいぶかかっちゃった。


「ほんと躊躇わないよね~、僕が無関係な人たちを気絶させてなかったら

    発狂もんだよ~、しかも100人以上いたから十秒もかかっちゃったし。」


…………ナイフを両手で遊びながら言われてもな、…………手刀で気絶させたんだろうけど。


「…………貴方のそちらの腕に関しては私より上でしょうから。」


「貴方に褒められると嬉しいね~。」


「な…にを、………何が起こったんだ?」


「…………わざとあのお花畑に見させましたね。」


「さーてなんのことかな~。まあとりあえず僕はこっちどうにかするから、キリア

嬢は周りにいる隠れてるつもりの雑魚お願い、範囲攻撃は君のほうが得意だろう?」


「人使いが荒いですね、……………まあいいですけど。」


そうして私は十徳ナイフをヌンチャクみたいに振り回しながら約1000人ほどの雑魚

をだいたい2分ほどで皆殺しにした。……後で付いたナイフの血拭い取らなきゃ。


「ここってムダに広いから大量にいるね~、にしてもその技術はどこから来るの?」


「教えません、それより主犯は?」


「あまりに恐ろしかったらしくてね~、気絶しちゃった。しかし殿下バカだね〜、

一国の王子ともあろう方がハニトラ(・・・・)何かに引っかかるとか。……って、

気絶しちゃってた。まあ流石にさっきの光景は慣れてるやつでもキツイしね〜。」


「…………そうですか?あっ、やっと来たっぽいです。」


「そうだね~、大人たちも僕らみたいな若輩者に任せるとか頼りないな〜。」


「頼りなくって悪かったな、にしてもお前暴れ過ぎだぞ。」


「ちげぇよ父さん、僕がしたのは一般人を気絶させること、これはキリア嬢。」


「………………何?キリア嬢が?」………………


「あら~キリアちゃん、珍しく暴れたわね~。怪我とか気持ち悪いとかない?」


「大丈夫、………父さんも母さんも私がこういうのしてるところ見るのは

 初めてだよね?私が怖いとか、この現場が気持ち悪いとかないの?」


「まあ高位貴族だしな、血生臭いことにはある程度耐性がある。」


「そうね~、キリアちゃんがここまで強いのは予想外だけど。また強くなった?」


「まあ、多少…………」……………



「……………ホントのようだな。」


「だからそう言ったじゃん。」


その後後始末があるとかで、私とウィルフレッドは先に帰された。流石に

返り血を浴びたままにはできないから王城で洗わせてもらったけど。

事後処理に関しては後に伝えられるらしく、お花畑達がどうなったかはまだ

知らない。そして久しぶりに暴れた私は家に帰ってすぐ寝てしまった。

ウィルフレッドが帰ってから何をしてたかはしらないけど………









「流石にこうなるとは思わなかった。」


「あはは、俺はなんとなく察してたかな~。(苦笑)」


あのあと当主にのみ事情が説明された。貴族子女、子息達は学園にいたから

なんとなく察するだろうとの判断だ、一応緘口令もしかれている。

そしてお花畑は廃嫡、今は北の塔に幽閉されている。国王は責任を取って

王の座から降り、あのハニトラ男爵令嬢は極刑となった。………

新たな国王には、王弟であるウィルフレッド(・・・・・・・)の父親がなり、何故か

私はウィルフレッドの婚約者にされていた。………………


「意味わからん。」


「ん〜、まあもう諦めたら?君が逃げないように

 ガッツリ外堀埋められて来月結婚式じゃん。」


「いやいや………」


「それに俺はキリアのこと好きだったから願ったり叶ったりだし。」


「………………………え?」


「いや~俺暗殺者だから、まともな結婚とかできないと思ってたんだけど。

俺の好みドンピシャのキリアが俺等と同じ雰囲気してるじゃん?

しかも強いときた。身分も釣り合うし正直嬉しかったんだよね~。」


「……………そうなの?」


「そうそう、少なくとも俺はキリアのこと他の男に触れさせたく

ないな~、キリアに触れたやつ殺しちゃいそうだし。」


それはヤンデレ……………独占欲というやつか?


「………でも私、愛とか恋とかよくわかんないんだけど。」


「まあ俺もよくわかってないし、少しずつ知ればいいんじゃないの?」


「……………そっか。」


「そうそう。」












【結婚式(後)当日】

「流された感がすごい…………………」


「ここまで来ちゃったね~、まあ式は終わって

あとパーティーだけなんだから。頑張ろう〜。」


「…………でもそうも言ってられなさそう。」


「えー、またきたの?しつこいだるいうざいの三拍子じゃん。」


「ね、でも今回は天井裏にいたから、投げナイフで殺せた。」


「返り血つかなくて良かったね~。」


「うん。」







「今日のあいつ等の会話全部物騒だな。………」


「新郎新婦の会話とは思えないわね~。」


「キリアが……………ううっ。」


「まぁまぁ公爵、今日は私と飲もうじゃないか。」


「あら、なら私達は一緒にお茶しましょうか?」


「あらあら喜んで、王妃様。あの子達も準備で退出したようね。」








「ねぇねぇウィル、すごい磨かれて気力が減った。」


「あ~、侍女たちが気合い入れたのか。(苦笑)どんな………

  あ~、うん。なるほどね。………(綺麗すぎてビビった)」


「何がなるほど?」


「いや、うん。えーとね、……………ちょっと来て。」


「?うん。………………………っ」


「あー可愛すぎ、誘ってる?じゃあ食べていいよね、食べるよ」



はい、文字通り食べられました、あっちの意味で食べられました。

おかげで怠いし喉も痛いです。関節も軋みます。………動きに影響でちゃう。


「おはよー、無理させてごめんね。」


「大丈夫…………私がこんな結婚するとは思わなかった。」


「俺も〜、まあ俺達も普通の令嬢、令息だしね、裏が暗殺者なだけで。」


「まあ、その暗殺者が難しいんだろうけどね。」


「そうだね~、………キリア体力あるしもう抱き潰していい?」


「うん、……………待って、なんて言っ……………………………」


生返事のわたしも悪いけど、3日間抱き潰したあいつも悪いた思うんだよ。




―――裏の顔が暗殺者なだけの公爵令嬢と令息・完













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