表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

即興短編

夏の雪

今日も窓の外は雪が降っている

8月にこんなに雪が降るのは初めてのことだ

私は半分凍りついた窓をカーテンで見えないようにすると

暖房の温度を上げた


あなたに会いたくなった

私はあなたの連絡先を知らない


部屋の中でゲームをするのに飽きて

気が狂いそうになって来たので

外へ出た

あなたに会いに行くために


誰も踏んでいない新雪の上に

松ぼっくりか何かが落ちたような穴がところどころに空いている

覗いてみるとセミが死んでいた


死んでまもないセミは硬い朝の雪の上に

まるで眠っているようにお腹を空に向けて

みんな死んでいる


夏の太陽の最後の抵抗の跡のように

日陰と日向で雪の厚みが違う

そのうちすべてが平らになるのだろうか


その前にあなたに会いたい

私は雪の上を歩き出した

近所の家の屋根はすべて雪の下に埋まっていた


今はちらついている雪も

そのうち激しく降りはじめるのだろう

私が埋められてしまう前にあなたに会いたい

世界がまっ平らになってしまう前にあなたに会いたい

私が何もかんがられなくなってしまわないうちに


何も見えない


あなたがどこにもいない



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] しいな ここみ様 夏の雪・・・ 連想するもの・・・ 核の冬・・・? しいんとした カタストロフィーの後の 死の静寂 カタストロフィーかどうかは わたしの解釈ですけどね? この世…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ