表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/100

第2話 ブルーティアは便利

「攻撃力……3」


 モンスターを倒したことによって、ブルーティアの攻撃力が上昇した。

 上昇……成長した……


 まさかこれって……成長する剣?


 今までモンスターと戦ったことなかったから知らなかったけど、そういうスキルを所持している剣だったのか?


 俺は抑えきれない興奮と戸惑いを胸に、近くにいるスライムに近づいていく。


 バサリと今度は一撃で仕留めることができた。

 だが、スライムを倒したというのに宝石が輝かない。


「俺の思い違いか?」


 そう思案しながら、本来の目的を思い出す。


「スライムの体液は……と」


 ダメだ。 

 売ったら少々金になるはずの、スライムの体液は四方八方に飛び散ってしまっていた。

 というか、こんなのどうやって回収すればいいんだ?

 無理にも程があるじゃないか。


 俺はぶつぶつ言いながら、次のスライムの下まで歩いて近づいて行く。


 攻撃力が上昇したのは間違いなく、今度も一撃で倒せるようになっていた。

 そして体液の回収も困難なのは間違いなく、今度も失敗に終わる。


 どうすればいいんだろうか……このままじゃ、金を稼げないぞ。

 もう明日辺り飢え死にするしかないのか……?


「…………」


 だがまだ諦めることはないだろう。

 もう少ししたらコツを掴めるかも知れない。

 俺は淡い期待を無理に抱きながら、スライムを狩り続けた。


 すると――


 また、宝石が赤く光る。


「よしっ」


 俺は左拳を握り、喜びの声をあげる。


 そしてブルーティアのステータスを開く。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 神剣ブルーティア

 FP:3

 攻撃力:5


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「?」


 攻撃力がまた上昇していた。

 今回は少し時間がかかったが、やはり俺の考えた通り、成長する剣で間違いないようだ。

 だがそれだけではなかった。

 今回はさらに、FP(フォースポイント)が追加されていて、それともう一つ『新たにスキルを習得できるようになりました』という文字が、ステータス画面に映し出されていた。


「習得って言っても、どうやって……」


 俺はなんとなく、その文字に触れてみた。

 すると新しい文字が映し出される。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 スキル

 サポート


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「?」


 ≪スキル≫と≪サポート≫。

 これはどういうことなのだろう?


 俺はそれらを確認するために、スキルの文字に触れてみた。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ジョブスキル

  ├ナイト

  ├マジシャン

  ├プリースト

  ├シーフ

  └アーチャー


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 5つの基本職。

 それらが表示される。


 ちょっと待て……基本職全部表示されてるってことは……全系統のスキルを使用できるようになるってことか?


 俺は一つ前に戻り、今度はサポートに触れた。


 サポートというのはどうやら、ブルーティアの性能を拡張できるというものらしい。

 それは戦闘のための物もあったが、そんな物よりも俺を釘付けにする文字が表示されていた。


【自動回収】という物だ。

 それに触れてみると――


『モンスター素材や自然素材など、攻撃した物を自動的に回収する』という説明文が表示された。


 何それ? 便利すぎない?


 俺は高揚しながら、迷うことなくそれを選択する。


 そしてもう一つ、【収納】というものがあったのでそれも選んでおく。


 【収納】というのは、物を出し入れすることができる倉庫のような物らしい。

 これを習得することによって、【自動回収】で手に入れた素材も、【収納】の方へ自動的に保管してくれるようになるようだ。

 なんて便利なお得機能。

 俺はあまりの嬉しさに踊り出しそうになった。

 誰も見てないから踊ってもよかったが、それよりもこの新しい機能を試してみたい。

 

 最初のステータス画面に戻ると新しく取得した物が表示されていた。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 神剣ブルーティア

 FP:3

 攻撃力:5


 サポート 収納 自動回収 


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 他のスキルなどを手に入れようとしたが、どうやら新機能の解放にはスキルポイントというものが必要らしく、今はこれだけしか入手できない。


 まぁ、これだけでも嬉しい限りではあるが。


 俺は少し離れた場所にいるスライムを見つけ、草原を揚々とした気分で駆ける。

 そして一撃でスライムを切り裂いた。


 ブルーティアのステータスを開き、【収納≫】文字に触れる。

 

 スライムの体液×1


「……本当に回収されている」


 今度こそ俺は小躍りした。

 便利だ……これは本当にありがたい。


 敵を倒すと性能が上がり、利便性も上昇していく。

 もうなんというか、控えめに言って神だと思う。


 なるほど。

 だから【神剣】なのか。

 などと勝手に自分で納得し、さらにスライムを蹴散らしていく。


 

 ◇◇◇◇◇◇◇



 気が付くと夕方になっていた。


 ブルーティアのステータスを確認する。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 神剣ブルーティア

 FP:5

 攻撃力:7


 サポート 収納 自動回収 


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 また能力が上昇している。


 スライムの体液は……30溜まっていた。


 これだけあれば、とりあえず明日死ぬことはないだろう。

 最低一日分ぐらいは稼げたんじゃないか?


 俺は思いがけない神剣の性能に喜び狂いそうになっていた。


 なんでこんな便利性能に気づかなかったのだろう。

 もっと早く気づけたら、もっと楽な生活ができていただろうに。


 まぁ、過去を振り返っても仕方ない。

 これからは天国だ。

 今の俺には輝かしい未来しか想像できない。


 俺はスキップしながら、楽しい気分で町に帰った。

【皆様へのお願い】


もし少しでも、面白かった、続きが気になる


そう思っていただけたなら、ブックマーク、高評価をお願いします。


評価はこの小説の下にある【☆☆☆☆☆】を押したらできます。


ブックマーク、高評価は、作品作りの励みになり、モチベーションに繋がります。

是非とも、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 追い出した側視点だと 何故今までそれをやらなかったのか?と思うだろうね 戦闘させなかったマスターと戦闘したくなかった主人公 この主人公は寄生虫だったのだね。 これから読みますが 強くなった…
[良い点] テンポよく書けていて読みやすいです。展開も早くて能天気系の主人公でウジウジ悩まないのも良いかな。 [気になる点] FP:フォースポイントて何?武器全体の総合的な攻撃力のこと?説明求む
[気になる点] 神剣使いなのに、一度も戦闘させなかったのは何故なんだろう? 普通は経験を積ませるために実戦をさせるよね??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ