パーティーといったら運命の出会いよネ…!!![II]
気づいたら、アイリクがいなくなっていたワ。
さっきまで愛の戯れをしていたはずなんだけれど、記憶が飛んでいるわネ。
あらぁ、私ったら何されちゃったのかしら!んもぅ、責任取ってもらわなきゃ。
そんなことを考えていたら、何かが頭に触れた感覚。
「どなた?いきなり何かしら?」
やだ、新手の変態?
春は変態が増えるから嫌になっちゃうワ。
そういえば、前世でも似たようなことがあったわネ。
あれは、そう、確か小学生の時、オカルトクラブの前本君がおもむろに近寄ってきて私の髪の毛、毟って去っていったっけ。
その後、泣きながら黒魔術に私の髪の毛を使ったところ、それからずっとおなかを壊してる、もう反省したから呪いを解いてくれって頼みに来たんだったわネ。
泣き顔がかわいかったから、許してあげたけど、元気かなぁ前本君。
あ、でも私、おっさんになってからハゲたんだったワ。やっぱ許さん前本。貴重な髪の毛を毟った罪は重いわよ。この大罪人めが。
子供の頃は大事なものって気づかないものなのよネ。エモいワ。
「あの、その、髪の毛が汚れていて…」
下手な言い訳ネ。
まーったく、モブも虜にしてしまう私、本当ギルティだわ。
でも蛾が炎によって来るように、私がイケメンに寄っていくように、男も美女には逆らえないのよネ。
私は心が広いから、あなたの報われない恋の思い出に一束の髪の毛に触れることを許してあげるワ。
さてさて。
終わったわね。じゃあ、モブ男君がどんなものか顔面を見てやろうじゃない。
おっふあ。
心にハートの矢が刺さったワ。20本くらい。やだ、致命傷。
あんた、イケメン騎士枠ペルムじゃないの、良い匂いがするからほおずりしておかなきゃ。
個人的に年上好みな私だけれど、ショタってやつもなかなか乙なものだわネ。
いやはや、ポテンシャルに脱帽だワ。
おぉ、ショタ…我が命の光、我が腰の炎。
まったく心も股間も大火事ですねってやかましいワね!
やだもう愛の炎がめらめらと燃え盛っちゃうワ。
だって、小動物のようなかわいらしい男の子なんだもの!!!
私の心の中の乙女も、捕まえちまえって野太い声で叫ぶってものよ。
短パンから見え隠れする太ももの細く、白いことといったら!アスパラみたいでなんてキュートなおみ足なの。
くりりんとしたおめめも、りんごほっぺも、大変よろしいって感じだワ。
これがまた線の細い、ほどよい細マッチョに成長するんだからたまらねぇってものよネ。
でも、こんなに美味しそうなキュートボーイだもの。他のメスに食べられないようにしておかなきゃ。
ちゅぱっ
「…!?」
…きゃっ、唾つけちゃった、物理で。私の物っていざアピールすると照れるわね!
ペルムもあまりに嬉しくて茫然自失としているワ。
でも、これじゃ少し足りないかしら?えぇそうよね、もっとしっかりマーキングしておかないとよね。
ペルムったら、そんな期待するような目で私を見て。もう欲しがりさんなんだから。私は、にっこり笑って近づいた。
弾かれたように走り出す彼。その背中は、追ってきてほしそうで…わかったワ!
鬼ごっこね、でしょ?うふふ。
恋人同士の戯れって感じよね。ペルムったら甘えん坊なんだから。
ついつい興奮で息が荒くなっちゃうワ。ちゃんと捕まえてあげるわよ、マイハニー!!
ま、本日二回目の鬼ごっこでちょっとへばっちゃったけどネ。
ようやく捕まえて熱い愛のパトスをかわそうとしたら、照れて頭突きされちゃったワ。
これで攻略者は4人ね!!完全に堕とせたワ。
イケメンにかしずかれる未来はすぐそこよ!!
あぁ、なんて今日は、ハッピーな一日なのかしら!!