魔改造現代童話 美女と野獣
徹夜のテンションで書いたよ、ねむい
魔改造現代童話
1、美女と野獣
ある日ある時、ある学校の一室。そこで一人の女子生徒と熊が、机をはさんで向き合っていた。
「…………あの」
「いーやいやいやいやいやこれはない誰か警備員よんできて」
「そんな!?そのまま保健所行きじゃないですか!?」
「行って?突然熊と面談させられる私の気持ちにもなって??」
「そんなぁ……」
熊は大きなため息をつき、女子生徒は顔を背け鼻をつまむ。
「で、何がどうしてこうなったわけ。八重っち先輩」
「朝起きたら熊になってたの」
「いや夜に何があったんだよ」
「わかんないよぉー」
やたら低い声でカワイイ喋り方をする熊を目の前に、女子は頭を抱える。
遠野花。某県女子高の二年生。血液型はO型、星座はやぎ座、好きな食べ物はトムヤンクンの彼女は、突如「熊になったんですけどどうせれば人に戻れるか」という相談を先輩に持ち掛けられ途方に暮れていた。
「八重っち」
「何!?何か思いついた!?」
「保健所いこ?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁだあああぁぁぁあああ」
「うっわうるさ」
「将来の夢ばぁぁぁぁ!!!!お嫁ざんなのにぃぃぃぃぃ!!!!ごんな姿じゃぁぁぁぁ!!!!動物園のぐまざんとぢかぁぁぁぁ!!!!結婚でぎないぃぃぃぃぃ!!!!」
「獣姦とかマジ卍っすね」
「わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!」
「どうどうどう、ほら警備員さん来ちゃったじゃん。あ、すんませーん音量マックスで熊の鳴き声再生してたんで。はい、はい、気を付けまーす」
「やぁ遠野、ツキノワグマの鳴き声が聞こえたんだけど実物がいるのかい?」
「あ゛、ぐぼぢゃ゛ん゛!!」
白衣を制服の上に羽織った少女が部屋に入ってくる。久保千香、理系の二学年。テストで赤点を取るも、謎の薬品を用紙にかけて「赤インクが黒くなったので黒点」と言い張った猛者として名を馳せる。しかし通知表の1を5に変えることはできなっかたらしい。
「KBTIKじゃん、あとは任せ」
「逃がさないよ」
面倒を押しつけランナウェイしようとしたことを察知したのか、襟をつかまれ遠野の脱出は防がれた。
「しかし、これは…」
「お?なんか気づいたか?」
「マレーグマだね」
「ツキノワじゃないんかい。ツキノワだね、とか言って悠々と入ってきてたじゃんお前」
「ヒグマだよぉー」
「マレーですらなかった!」
「その声は八重先輩?」
「いやそれ分かるのに熊見分けれないの何なの??」
とりあえず1人で悩むよりマシかということで、遠野は久保千佳にも状況を説明した。
「八重先輩、いえ……野獣先輩」
「はいストップー。その呼び方はナシだぞー?」
危ないワードに反応して遠野が待ったをかける。だてに苗字が遠野じゃない。
「何か、わかったの?久保ちゃん?」
「国立研究所、行きましょう」
「びええええええええええええええええええええええええ」
「解剖されるパティーンじゃん」
「人体実験。いや、熊体実験だね」
「KBTIKさぁ……………………結構、おもろいじゃん」
「よしてくれ。褒められても1を2にする薬品しか出てこないよ」
「え!?完成したのあれ!?かしてかして自給1000円から2000円にするから!!」
「びえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
「「うーわうるさ」」
「……」
「いや急に黙らないで怖い怖い」
「あ、警備員さん。え?熊?それは私が作った熊目覚まし1/1スケールだね。ごめんなさい、気を付けるよ」
そんなこんな。ここにいてもしょうがないということで二人と一匹は外に出ることにした。
「さて、どうしたものか」
「ドーナツ食べ行かない?めっちゃバエる店あってさー」
「熊も入店できるかなぁ?」
「できなくても買ってくるから安心して、八重っち」
「いやいや元の目的はどうしたんだい」
「「インスタバエドーナツ?」」
「録画してた『世界の車窓から』を見る予定を思い出した。それじゃ」
「ごめん待ってマジ待ってたった数分のために帰らないで」
駆け足でその場を去ろうとする久保千佳の腰に遠野は全力でしがみつく。
「ドーナツ…」
「あ、私も『にほんごであそぼ』見るの忘れてた!帰ろKBTIK」
「見終わったら感想について語り合おう」
「見捨てないでぇぇぇぇぇぇええええええええええ」
ダッシュでその場を離れようとする二人の腰に八重熊はタックル、全力でしがみつく。
「「イタイ死ぬイタイ死ぬイタイ死ぬイタイ死ぬ死ぬ」」
「死ぬかと思ったや」
「ごめんね…」
「日大アメフト部入りなよ八重っち」
「悪質なタックルでごめんね…」
「どうするー?これ無茶振りすぎない?」
「とりあえず国立研究所に行ってみないかい」
「びゃぶええええええええええええええええええええモルモットはいやだぁぁぁぁあああああああああああ私クマだもおおおおおぉおおおぉぉおぉん」
「おぉんってさぁ、なんかニャ〇ちゅうっぽくね?」
「失礼だよそれ、仮にも熊相手に」
「びゃいぶべぇええぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「冗談だよ、八重先輩」
「なんかどんどん泣き方キモくなってね?」
「ヴぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁああああ」
「あーもう何でまた泣かすのさぁー」
「とりまストーリーに上げていい?」
「こら、インスタしてる場合か。あ、よく撮れてるじゃないか。動画送ってくれ」
「いよー、ほい」
「ありがとう」
はははウフフ、と泣き叫ぶ熊の横でザ・女子高生な会話を繰り広げる二人。バラバラなことを喋りつつも「もうこれ収拾つかなくね?」と思考のみ一致しようとしていたその時。
「ふっ、無様ですわね!」
「ッッッッッその声は!」
「呼びなさい!!私の名はッッッ!」
「「収拾院!!!!」」
収拾院・M・ノリコ。地毛がパツキンの一学年。あらゆる事態に収拾をつけることに定評のある政治家、収拾院ジョンの一人娘。学校に乗り込んできたテロ組織を一人で完封、「金魚のベス殺害事件」がきっかけで起こったほぼ関係ない魔女裁判の終結、学内「目玉焼きにかけるのは醤油かソースか塩コショウか論争」において第四勢力のケチャップ派を勝利に導くなど、親譲りの状況処理能力を遺憾なく発揮している期待のルーキー。彼氏いない歴=年齢なことで最近有名。
「オーホッホッホッホ!!困ってるようね先輩方!!中期考査の過去問を頂ければ力を貸すわ!!」
「ふざけるな!そんなもの私が欲しいぞ!!」
「あーそろそろテストかぁ、過去問集めないと。八重っち持ってる?」
「持ってるよぉー。収拾院ちゃんが欲しいやつも多分持ってるー」
「あ、ホントですか!!よかったー、なかなか持ってる人いなくて~」
「口調。どうしたんだよ口調」
「あのお嬢様喋り疲れるんですよ、ですわよ。ウケいいんでよくやるんですわよけど」
「ノリちゃん、その中途半端お嬢様やめよ?」
「とにかく、問題解決に一歩近づいたんじゃないか?」
「今日中に人に戻れるかなぁ」
「この収拾院に任せてくださいわよ先輩!」
「「口調。口調」」
ただその場に現れるだけで事態に一つ収拾をつけた収拾院・M・ノリコ。彼氏いない歴=年齢な彼女の登場によって二人と一匹は希望を持ち直したのだった。
「まぁ普通に考えて美女の愛で元に戻りますよね」
「ごめんノリちゃん普通って何?」
「哲学だね、理系と哲学って相性悪いんだよねぇ…」
「みなさん、美女と野獣って童話ご存知ですか?」
美女と野獣。野獣の姿に変えられた王子が、美女による真実の愛で人間の姿に戻るという内容の童話。ディ〇ニーやエマワ〇ソンの実写で有名。
「〇ィズニーっしょ?」
「エマ〇トソンだよね。私まだ見てないんだ」
「熊だから見に行けないなぁ…」
「その美女と野獣です。あれの内容をなぞってみましょう」
なるほど一理あると頷く久保千佳、一方で首をかしげる八重ヒグマ。そんな二人をガン無視して遠野はどこからか持ってきた旗をブン上げる。
「エントリーナンバー1!金髪優秀ハーフノリちゃん後輩、収拾院・M・ノリコ!!」
「え、ちょ話聞いてました?」
「過程はともかく真実の愛があればいいっしょ、へーきへーき」
「そ、そんな!心の準備が!」
「大丈夫だよ収拾院ちゃん、優しくするから…」
逃げれぬようにガッシリ優しくホールドする八重。せまりくる熊の顎を前に「熊の握力は120くらいだっけ」と思い出した収拾院は諦めて全てを受け入れた。
「戻らなかったな」
「愛が足りなかったんだよ多分」
「うぅ…私の初めてが」
「いや初めてっていうか思いっきり頭から血が出てるんですけど」
「収拾院!!」
「余裕ですわッッ!!」
苗字で呼ばれるとテンションが上がるのか、収拾院は最初のテンションに戻る。ついでに何故か傷口がふさがった。
「まぁキスっていうか丸かじりだったしノーカンでしょ。続きましてエントリーナンバー2!赤インクを黒インクに変える女、KBTIK!!」
「そ、そんな、私は別に美女じゃ」
「大丈夫だよ、久保ちゃん。すごくかわいいから…」
即ホールドを決められ、遺言を残す間もなく丸かじりされる久保千佳。結果、彼女の頭から血が噴き出すだけで終わった。
「久保先輩は、美女っていうよりかわいい系なんですわよ駄目なのでは、多分」
「見てくれ、私の薬品で血が真っ黒になったよ。これでグロアニメ特有の修正も怖くない」
「いや止血、止血しろ?あとですわよを接続詞に使うな?はい、気を取り直して。エントリーナンバー3!!満を持して登場ーーー」
「え?私と久保先輩の他に美女いましたっけ」
「私はともかく、先輩は美女というか美熊だしいないんじゃないのか」
「もぉ、照れるよー」
「ちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょい。ちょいちょい?期待のエントリーナンバー3は?」
「え、どうしました?」
「何を言ってるんだよ」
「疲れたのー?大丈夫?」
「私は!?!?!?!?!?!?!?」
「「「美女ではない」」」
「美女だし!?あ、聞き方が悪いのか。遠野花は!!!!!!」
「「「処女ではない」」」
「処女だもん!?!?!?!?めっちゃバージンだし!!!!KBTIKは!!!!」
「「「美女である」」」
「おいフッざけんなお前久保千佳ァ!!!!さっき自分美女じゃないし~みたいなこと言ってたじゃん!?」
「や、私一人の私情でノリを崩すのはちょっと」
「くずせよォ~~~~、そこは崩すとこだろぉ~~~~????」
膝を抱えあからさまに落ち込む遠野。そんな彼女を見かねたのか収拾院が声をかける。
「確かに先輩は美女じゃないですけど」
「第一声からえぐってくるなぁおい」
「でもそこそこの美人だと思います。微人、みたいな」
「おいこら収拾院…………………………結構、おもしろいな。今の」
「そんな、褒められても」
「私泣いていい?」
さらに落ち込んで地面に埋まっていきそうな遠野。久保千佳はそっと彼女の肩に手を置いて、優しく語りかけた。
「そんな悲観するなよ遠野。別にブスではないから」
今まで丸まっていじけていた遠野がスッと立ち上がる。
「…………マジ?」
「マジですよー先輩。美人ではないですけどブスでもないです。微人です」
「え?もっと褒めて?」
「大丈夫、私遠野ちゃんでもいけるよ」
ガシッとこれまで通り八重はホールドを決める。
「や、八重っち…まずいですよ」
「大丈夫、多分おいしいから」
「うーん期待してた答えがこないやつー、あちょタンマ待って待って」
そうして遠野も無事頭をかじられ、血を流し、八重は依然熊のまま幻のエントリーナンバー3の出番は終わった。
「へっ、どーせ私は美女じゃないですよーだ」
遠野はいじけて小道の石を蹴り飛ばす。それを真似して収拾院も石を蹴り飛ばした。
「ブスじゃないですし、いいじゃないですか」
「収拾院で美女判定でないって相当だろ。手詰まりじゃないかな、これは」
久保千佳は「困った時は110番!!」という看板に液体をかけて220に数字を変えて遊び、八重は暇つぶしに道路標識をなぎ倒す。
「そうだよぉ、一年で最もカワイイ収拾院ちゃんで駄目なら一体誰でオーケーなの…?」
「人間状態の八重先輩さえいれば…そうだ!私がもっと美人なら…整形してきます!!」
「もっと美人になるとか私へのあてつけか?許さないよ私」
「ごめんなさい親からもらった顔を大切にします!!」
「よろしい、でもどうしよっか。また振り出しに」
「……いや、そうでもない。収拾院レベルの美人じゃ八重先輩は元に戻らない。それが分かった」
「でもノリちゃん以上の美人なんてそういないよ?」
「そうですよ、私以上に美人なんて人そうそう…」
「みんな、こいつを見ろ」
タブレットに何かのホームページを映し久保千佳は二人と一匹に画面を見せる。
「献血、ですか?」
「!!いやこれは!?」
「まさか!!」
「「「おっぱい献血ッッッ!!!」」」
おっぱい献血とは、一定量の献血をすることでAなヴィデオに出ている女優さんのOPIを触らせてもらえるというニュータイプの献血である。めちゃくちゃ倍率が高い。
「昨日からやってるそうだ。今日で終わりらしい」
「八重ちゃん!!」
「先輩、これは行くしか!!」
「みんな私に乗って!!!!」
三人は急いで八重ヒグマにライドオンして、毛皮をしっかり掴む。
「遠野ちゃん!!」
「とりま50メートル直進、右行ったあと300メートル先左!!」
遠野がカーナビで献血会場の道のりを読み上げた瞬間、八重は熊のフィジカルを駆使して飛び出す。
「落ちる落ちる落ちるー!?」
「収拾院!!」
「落ちませんわッッ!!」
「次ひだりー。はいそのまままっすぐー」
「先輩、よく片手でバランス保てますね…」
「な、時速70くらい出てるのにな。これがマジ卍ってやつか」
「はいまっすぐー、つぎみぎー」
そんなこんなで5分後献血会場に着くと男の大群であたりは埋め尽くされていた。
「めっちゃ男じゃん」
「そりゃそうだろ、八重先輩!」
「任せて!!」
八重は三人を乗せたまま両腕を振り回し、列を崩壊させて突き進む。その様子はまるで戦車のようだ。
「いや列は守れよ?」
「いいんじゃないか?OPIを触るためだけに並ぶ奴なんて基本暇人だろ。また並びなおしてもらおう」
「わー人がゴミのようってこんな感じなんですねー」
余談だが、熊のはり手で簡単に人の首は飛ぶらしい。そうこう列を無視して進み続けやっと三人と一匹は最前列にたどり着いた。
「じゃあまず私が行こうじゃないか。熊はさすがに献血できないから私たちのOPI権を譲るしかない」
「先輩、私もお供します」
「ふ、二人ともぉ…」
「次の方どうぞー」
受付に呼ばれ、久保千佳は白衣を翻し、収拾院は自慢の金髪をかきあげて、献血カード片手に二人は手続きに向かった。
「大丈夫かなぁ」
「大丈夫っすよ、きっと。ここからなら会話聞こえるし」
「お二方昨日、献血されてますね。8週間置かないと献血はできません。というか昨日来てましたよね?」
「はい集合、ちょっと集合」
遠野に招集かけられて二人は戻ってきた。どこか悲し気な顔をしている。
「え、あの。昨日来たの?ここ?」
「あぁ」「はい」
「献血しちゃったの?ここで?」
「うん」「もちろん」
「何してんの?花の女子高生が何してんの??」
「「…なんか、ごめんなさい」」
「いやなんでJKがAなVに出てるお姉さんのOPI揉むために男に紛れてならんだの?」
「英語多い、私英語苦手なんだ遠野」
「なんで女のくせにAV女優の胸揉みに言ってんだって聞いてんだよ?」
「いや、他の子の触り心地が気になって」
「他人の揉んだら大きくならないかなって」
「なるわけないでしょ?つか並ぶか?それで」
「次の方どうぞー」
「はぁ、やっぱり私が決めるしかないね…」
やれやれとため息一つ、ついでに献血カード一枚。遠野は受付にゆるゆると歩いて行った。
「申し訳ないです」
「力になれなくてごめんよ、先輩」
「ううん、いいの。今は遠野ちゃんを信じて待と?」
「昨日来られたばかりですね。だめですよ8週間置かないと。ていうか覚えてますよ」
「「「……」」」
微妙な顔をして遠野が戻ってくる。献血カードの日付にはバッチリ昨日の日付が先頭に記されていた。
「遠野さぁ……………………ないよ、それは」
「……結構、おもろいじゃん?」
「え、どこがです?」
収拾院は冷ややかな視線を彼女に向ける。さすがの収拾院といえどこの事態は予想外だったようだ。
その後八重が受付に呼ばれ、献血に試みるも針が皮膚を通らず、というよりそもそも熊という理由で放り出され。四人は西日を背に歩き始めた。
「結局戻らなかったね、八重ちゃん」
「どうしようー、私この姿のまま受験しないといけないのかなぁ。学生証、クマの写真が貼られちゃうのかなぁ」
「クマを人に戻す薬を作らないと…」
「最後まで付き合います、ですわ…」
全員とぼとぼ歩く。そうこうしてるうちに八重の家へ着いた。
「親御さんには私から言うよ、ほら私白衣着てるから説得力あるだろ」
「ていうか八重ちゃんどうやって朝来たの?」
「窓パリーンって」
あぁ、と納得する収拾院と遠野。そんな二人を置いて久保千佳は八重家のインターホンを鳴らす。
しばらくすると、八重の母が玄関から出てきた。
「あらあら、あなた方は八重の友達の」
「あの。実は八重先輩なんですけど」
「そうそう、うちの娘ったら弁当持たずに学校行ったみたいで。しかもワイルドに窓割っちゃって…てあらかわいいクマさん」
八重ママは八重ヒグマに近づきそのまま抱き着いた。するとポン、と音が鳴りクマが消え代わりに美少女の八重がその場に残った。
「……………………あら?」
「ねぇ、久保」
「なんだ遠野」
「八重っちのママ……………………めっちゃ美人じゃね?」
「……………………そういえば八重先輩ってかなり美人だったか」
「……………………私の5倍美人です」
固まる三人と状況をよく理解してない元クマ。当然部外者の八重母もまったく理解していないのだが、やわらかく微笑んで三人に話しかける。
「よかったら、晩御飯。食べていかない?」
「「「行きます」」」
「よかったねぇ八重っち、今日中に戻れて」
「どうなるかと思ったぁ~~、よかった~~」
「これ最初に八重先輩が窓パリーンしなければ解決してたやつじゃないのか」
「なんかあんまり活躍できなかったなぁ……ですわ」
「あ、八重。窓の修理代はお年玉から出しといたわよ~」
「そんなぁぁぁぁああああああああぁぁあぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああああああ」
「「「うーわうるさ」」」
「…」
「「「いや急に黙らないで怖い怖い」」」
そうして親子二人、友達三人。なかよく晩御飯を食べてその日は幕を閉じたのだった。
久保千佳が1を3に変える薬品を開発して球技大会で無双するのは、また別の話。
ノラととやった影響が出てるような気もします
久保と収拾院はその場で適当に考えたキャラの割にいい味出てた気がするので別の作品にも登場してもらいたいです