沈黙が優しいのは
外にばかり広がりを求め
内にある荒涼たる瓦礫には気づかぬまま
産み出されたもの
産み出されなかったもの
光は
眩しければ眩しいと思う程
徐々に白々しく薄れていく
たとえばそれが言葉であったとして
美しい、と何度も呟いたあとの
どうにも言い切れなかった
出し尽くせなかった美しさの残骸
内にはそんな瓦礫が積み上げられ
地道にこつこつと取り除いてみても
一向に減らぬ山のようなそれを見上げ途方に暮れる
沈黙が優しいのは
産み出されなかったものの多くが
あなたというひとをよく知っているから