表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

03 . 名を明かすもの

やっと名前登場。

もう序盤の方は本当にグダグダなんで、これから文章が向上するように祈らせて下さい。

"男"の静かなその言葉に朝貴は息を飲んだ。


顔は見えないが、彼はきっと何の感情も宿していない無表情なのだろう。


声からもそれが分かった。




朝貴はそのまま「はい」と短く返事をした。


すると、意を決したように眉を八の字に曲げた"男"がくるりと勢いよく振り向いて言った。




「お前、それ本当にそう思ってるんだよな?興味本意とかじゃないよな?」


「と、当然です。」




そう言うと、彼がすぐに表情を戻し、偏屈そうな顔をすると小さく呟いた。


朝貴はその言葉を聞き逃していなかった。





「俺の名はクトゥルー。大昔に海の底に封印された水の神だ。」





つぶやくように静かに動かされた唇は、確かにそう言っていた。


"クトゥルー"


確かに彼はそう言った。これが、彼の名前。


クトゥルーという名前に、朝貴は心当たりがあった。




「クトゥル―って…クトゥル―神話の?」


「お前、それを知っているのか?…それは流石に想定内の範疇ではなかった。」




朝貴は結構な読書家である。


なので、それなりに有名であるクトゥルー神話の小説群にも目を通したことがあった。


作品に登場する神話生物の中でも、クトゥルーは非常に有名だ。




だが、目の前にいるこの青年がかの名だたる神であるとは信じ難かった。


姿を一瞥してどこから見ても人間である。


普通ならそう思うのが当然であろう。


だが、先程の光景といい、彼の様子といい、彼自身が嘘を吐いてるようには見えなかった。




「ていうか…クトゥルーは存在したんだ…」


「お前…さては信じていないな?いや、俺からすれば信じない方が有益なんだが。」


「いっ、いいえ!信じます!」




クトゥルーの怪訝そうな目に朝貴は慌てて撤回する。


でも、彼があのクトゥルーだと思うと、変な感じがするのは予想外すぎたからだと思った。




「あ、私は神田朝貴といいます。」


「別にお前の名前など聞いていない。」


「あ、貴方のこと知ってしまったんだから、こっちも名前くらい言っておかないと失礼じゃないですか…!」




憮然とした態度でふてぶてしく言うクトゥルーに、朝貴は必死に訴えた。


どうも、この人は人間でいう尊大な性格のようだ。


そうしみじみと感じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ