法王を救出せよ2
次あたり極東戦線について書きます。
1941年8月31日コルシカ島
今はドイツ領のコルシカ島は第二次世界大戦中、上陸作戦が出来ないドイツ軍は上陸作戦を専門とする日本の海軍陸戦隊に作戦を委任、海軍陸戦隊は秋津洲級や一等輸送船、二等輸送船を主力とする上陸部隊でコルシカ島を制圧、ドイツ領だが統治は海軍陸戦隊に委任されていた。
そのコルシカ島から法王救出部隊回収用の部隊が出撃した。
飛行挺晴空一機と護衛の強風水上戦闘機十機、対地襲撃機激風五機が空中で編隊を組んだ。
この部隊の飛行士達は皆ベテランパイロットのため夜間飛行もお手のものだった。
途中強風が伊300補給潜水艦から給油して、丑三つ時の頃にイゼオ湖に到着した。
轟音を上げてパンツァーファウストが飛んで行く、射程距離は400mと短いが水際防衛をする分にはあまり大きな島では無いため十分だった。
『隊長、島の東側の部隊のパンツァーファウストが無くなったそうです』
『もう少しの辛抱だ持ちこたえてくれ』
イゼオ湖は広いため岸から島までは遠いため、今まで持ちこたえてきたが、そろそろ限界が来ていた。
その時、南西の空から爆音が聞こえてきた、回収部隊が到着したのだ。
『やっときたか』
激風がイゼオ湖の周りにある対空砲や停泊しているボートに75mm機関砲や翼下のロケット弾を浴びせていき、湖上のボートには強風が機銃掃射し、次々に沈めていった。晴空が島の近くに着水し、島にボートが向かっていく。
『救出部隊を回収に来ました。早く乗って下さい、もうすぐ夜が明けてソ連軍機が来てしまいます』
『分かった、急ごう』
9月1日4:19
法王と救出部隊を乗せて晴空が離水した。
9月1日3:51
ソ連空軍基地から三機の新型戦闘機が発進した、この部隊はソ連空軍遊撃部隊という部隊で、ベテランパイロットと高性能な新型機で編成されていて、膠着しているシチリア島の制空権を握るために派遣された部隊の一部だった。
〔敵は水上機だ、法王が乗っていると見られるため着陸させろとの命令だ、良いな〕
〔了解〕
遊撃部隊所属のセルゲイ・パブロフは僚機に指示を出した。飛行しているうちに、飛行挺と離水中の水上機を見つけた。
その離水した水上機から三機ほどこちらに向かってきている
〔この新型戦闘機に水上機で敵うと思っているのか〕
すれ違いざまに水上機に向けて二門の23mm機関砲を放つが、敵の水上機は機動性が高いのか避けられた。
急旋回し再び攻撃しようとしたその時、彼が見た水上機にはフロートが付いてなかった。
水上機だった航空機はレシプロ機としてはトップクラスのスピードで向かってきて、すれ違った、そして急旋回し後ろに回ってきた。
〔こいつは戦闘機か〕
セルゲイが操縦舵を右にきった瞬間敵機が機関砲を放った、間一髪でかわしたが、僚機は避けきれなかったのか撃墜されていた。
僚機を撃墜した機体は護衛に戻っていき、戦場の空にはセルゲイ機と水上機っぽい戦闘機が残った。
晴空の中からもその戦闘を見ることが出来た。
『ソ連軍機はジェット機か、ソ連軍もジェット機を開発したというのか?』
この場では誰も知らなかったがソ連空軍遊撃部隊の新型戦闘機はYak17と言う機体でソ連初のジェット機Yak15を改良した機体で初飛行は1948年だった。
そう、ソ連にも時間を越えてきた人物がいたのだ。
ジェット機の加速を生かした一撃離脱戦法を仕掛けるが、敵機は高い旋回性能で格闘戦に持ち込んでくる、この頃のジェット機は旋回性能が低いため巴戦で不利だが、後ろをとることが出来た。
〔もう逃げられんぞ、貰った〕
必中の距離で発射したが、前を飛んでいた戦闘機のプロペラが止まり、風に舞う木の葉のようにセルゲイ機の後ろに回りこみ機関砲を避けた。
〔なんだと!〕
急いで左に操縦舵をきるが、機関砲が右翼を吹き飛ばした。
セルゲイ機はバランスを崩し、イゼオ湖に着水した。
セルゲイ機を撃墜した戦闘機は南西に帰っていった。
その後セルゲイはやってきたボートに回収され、戦場に戻った。
無事にコルシカ島に着いた晴空から法王と枢機卿は日本から回航していた御召艦“香取”に乗り、南米に向かった、南米はカトリックの信者が多くまた、戦場から遠く日英独露側陣営の国か中立の国だけだったからである。
こうして、ローマ法王及び枢機卿救出作戦は成功し、スコルツィニーは英国紙にヨーロッパ一危険な男として宣伝され、彼は歴史にヨーロッパ一危険な男として記録されることになる。
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