入部とこれからの日々【2】
何だかんだで一日の授業は終わりら、俺は帰るために最寄りの駅に向かっていた。
まだ少し時間はあるが、早めにホームに行こう。
授業が終わるなり松山は、急いでどこかへ行ってしまった。やはり、なに考えてるかわからん。
俺はホームのベンチに座り、結花のことを思い出していた。
女性は、見違えるというが、まさにその通り。
「綺麗だったなぁ。」
すると、横から声がした。
「何が?」
「え!?」
振り向くとそこには、結花が立っていた。
俺は焦った。今の、俺の妄想じゃなかったのか。まさか聞かれた?
「ねぇ、何が綺麗なの?」
「い、いや、あの・・・ほ、ほら大学の校舎がさ。」
思わず思ってもいない嘘でごまかした。
「そうだね、清掃が行き届いてるね。」
「う、うん。」
情けねぇ。普通に会話すればいいだろ、俺。やべ、動揺?いや、ドキドキしてる。まさか、顔赤くなってないよな。
まず、気をとりなおすことから始めた。落ち着け俺。
「結花もこっちなの?」
「うん、そうだよ。」
「あ、そうなんだ。」
もっと話したいことがあったはずだが、今はこれが精一杯。せっかく電車一緒になったんだから何か話そう。
・・・・・
いろいろ考えてるうちに電車が来た。
乗ったあと、やはり席が空いてないか辺りをキョロキョロとみてみた。
「あ、あそこ空いてるよ。」
彼女が見つけたそこは、二人分あったので座ることにした。
まだ、家に着いた訳ではないが何故か疲れがどっとくる。
こんな、風に女の子と近くに座ったのって何年ぶりだ?緊張するなぁ。
「あ、あのさ。」
「あ、あの」
二人同時にお互いに話しかけていた。
「ゆ、結花から言えよ。」
「い、いえ。海くんこそ。」
二人ともかなり緊張気味らしい。
・・・・・
「ゆ、」
「え?」
「結花、久しぶりに再会してよく俺だとわかったな。」
また、当たり障りのない質問。肝心なときに頼りないな、この俺というやつは。
付き合ってるやついるの?とか、松山にはああ言ったが実は、俺自身気になっていた。
どうなんだろう。
「そりゃぁ、わかるよ。海くんだもん。面影残ってたし。」
何とも嬉しい言葉。そんなによく見てくれていたのか。
あれ、待てよ。それって、もしかしてガキっぽいってこと?
頭のなかで被害妄想が膨らみ勝手にショックを受けていた。
「はは、そうなんだ。」
その日のその電車のなかでは、その一回のやりとりだけで電車は、彼女の降りる駅に止まった。
「海くん、これから4年間よろしくね。また明日ね。じゃあ。」
「あ、うん、また明日。」
ふう。急に緊張の糸がほどけた。
まぁ、これはこれで良かったのかな。
おれも電車をおりて、家に帰った。




