新たな生活と懐かしの人【5】
あの再会から一夜明けた。
さて、今日から前期の講義が開始される。俺の経験上、一回目の授業は大抵短い。もちろん教科書もまだ、揃えてないしほかにも買うものがある。
やはり大学ともなれば、講義室の移動ひとつでも大変。
「早めに講義室に行くか。」
と思って向かって歩いてるとき、後ろから声が聞こえてきた。
「ぉーい海人ぉー、おーい。」
振り向いたら松山が、俺に向かって勢いよく走ってくる。まったく、朝から騒がしいやつだな。
「ふぅ、やっと追いついたぜー。おはよー海人。はぁ、はぁ」
「あーおはようさん。ってわざわざ走ってこなくてもいいだろ。」
目の前に、めっちゃ息を切らせてる松山がいる。毎日これじゃ、前途多難だな。
疲れているにも関わらず、またとっぴ押しもないことを聞いてきた。
「なぁ、海人、、お前本当に結花ちゃんと付き合ってないんだよな?なぁ?なぁ?」
「だから昨日も言ったろ。付き合ってない。しつこいぞ。」
これでなん回目だ。このやり取り。
実は松山が何回もこの質問をしてくるには、分けがあった。
今から16時間前ーーーーーー
午後 4時30分
久しぶりの再会を果たした俺と結花は、すっかりお喋りに夢中になっていた。
「海くん何か男らしくなったね。」
「侵害だなぁ、昔はらしくなかった?」
「いやいや、そんなことないよ。」
俺達、二人が喋っていると横からデカイ声が飛んできた。
「海人ーーーーーーーーっ!これは、どういうことだ?こんなに仲いいなんて、聞いてないぞ。」
「しかも、下のなまえて呼びあう仲で向こうは“海くん”って言ってる。あーマジ聞いてねぇよ。」
そりゃそうだ。俺も言ってないし。
俺に対して鬼の形相なみの顔でこちらを睨んでくる松山。正直、そんなこと言われてもお前だって昔の知り合い、それがもし友達だったらこのくらい普通だろ。
そうしたら、さっきまでにこにこしていた結花の顔が明らかに動揺している顔になった。
「あ、あのぅ・・・・・」
結花が喋りだそうとしていたが、松山がそれを遮って話しだした。
「あのーーー、俺、松山 恭二、18歳、血液型B型、趣味特技多数。そしてこいつの一番の親友。ヨロシクね、林 結花さん」
趣味多数ってなんだ、多数って。大体、さっき知り合ったばっかのお前がなんで親友なんだよ。
見ててわかる。すごく彼女困ってる。しかも
、なぜ二回名乗ってる。
「はぁ、宜しく。」
これ以上ここにいるとめんどいので、俺は松山を連れて後にすることにした。
「ほら、行くぞ。じゃぁ、結花また明日な。」
「あ、うん。」
そうして、俺達は再会した。
だが、
このあとが、さらに厄介だったのである。
彼女がいなくなったとたんに、俺を問い詰めてきた。
「かぁーいぃーとぉーー!」
「な、なんだよ。」
「お前、本当に結花ちゃんと付き合ってないんだよな?」
「付き合ってない。」
このあと何百回同じことを聞かれたか・・・
思い出したくない。何回も同じことを聞いてきたので、正直頭痛い。
こんな感じで、時間はまた現在に戻る。
気づいたら開始五分前。
「やべ、あと五分だ。先行くぞ。」
俺は授業が始まる講義室に急いだ。
第一章終了です。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
この、再会がなにを起こすのか、これからを楽しみにしていてくれたら幸いです。
また、読み苦しいところもあるかと思いますが、何卒、優しい目で見守って頂けたらと思います。




