表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

第9話 木くらげ

 夏休みになるやいなや、やたらとはしゃぎ始める人がいる。

 遥架がそうだ。

 私は暑いのが苦手だから、できれば外になんて出たくはないのだけど……。


 まぁ、遥架がはしゃいでる姿を見るのは好きだから、仕方ないな~と思いつつも、こうしてついてきていたりするわけで。


「おーい、美羽~!」


 嬉しそうに手を振る遥架に、苦笑いを浮かべながらも、手を振り返す。

 どうでもいいけど、高校生にもなって木登りなんてするかなぁ……。

 男っていくつになっても子供なのかも。


 私は木陰に座って、木の枝の上につかまっている遥架を見上げていた。

 それにしても、かなり登ったなぁ……。

 もし落下したら、さすがにちょっと危険がありそう。


「遥架~、気をつけてね~!」

「大丈夫だよ~!」


 ……と、枝のところでなにか光ったような……?


「遥架! 足もと! 気をつけて!」


 不安になった私は、思わず立ち上がって叫ぶ。

 それが悪かったのかもしれない。


「わっ!」


 バランスを崩し、遥架が真っ逆さまに落下してしまった。


「遥架~!!」


 どさっ! と大きな音を立て、遥架は下の茂みに落ちた。

 心配して駆け寄る私の顔は、きっと真っ青になっていただろう。


「遥架! 大丈夫っ!?」

「痛てててて……。ま、まぁ、大丈夫みたいだ」

「ふぅ~、よかった……」


 でも……。


「なんだったんだろ。遥架の足もとに、一瞬なにか見えたよ?」

「う~ん、足が滑ったんだよな。なんか、ぬめっとしたのを踏んだような感じだったけど」

「それはぁ~、木くらげだよぉ~」


 また出た!

 結音ちゃん、今日はノースリーブのワンピースと麦わら帽子にアイスキャンディと、完璧に夏のいでたちだった。


「木くらげ……って、きのこ~?」

「それとは違ってぇ、生き物だよ~」

「えっ!?」


 結音ちゃんいわく……どうやら、木の上にはたくさんの透明な生き物が生息しているらしい。

 木くらげというのはそのうちの一種で、木の上を好むくらげのような透明生物なのだそうな。


「結音ちゃん、これって変なことだと思うけど、魔法でどうにかしないの?」


 いつもどおりの答えしか返ってこないだろうな、と思いつつも問いかけてみると。


「透明だから気づいてないだけで~、世界各地に普通に生息してるんだよ~。だから変じゃないよぉ~!」


 ……世界中の皆様、木登りの際には、木くらげにくれぐれもご注意を……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ