第14話 夢は大きく……?
「ねぇねぇ~、魔法の実験台になって~♪」
突然結音ちゃんにそんなことを言われたのは、今朝、起き抜けでまだぼーっとしながら、朝の空気でも吸おうと玄関の前まで出た瞬間だった。
思考がまともな活動を始めていない状態だった私は、なにも考えられず、結音ちゃんの明るい笑顔につられてついつい承諾してしまったわけだけど。
完全に結音ちゃんの思惑どおりといったところだろうか……。
まぁ、とりあえず承諾してしまった以上、仕方がないので詳細な話を聞くことにした。
実験台といっても、至って単純だった。
魔法をかけた状態で夜寝るだけ、それだけなのだそうな。
なにやら魔法で正夢を作り出すつもりらしい。
そして、魔法をかけられた、その夜。
うん。なにかしら、夢は見たと思う。
だけど……。
「覚えてないのか?」
「うん……ただ、なにかに押し潰されて目覚めたような気がするのよね……」
そのなにかっていうのはよくわからないけど、それが事実で、魔法がちゃんと効いていたとしたら、大変なことになるのかも……?
ともかく私と遥架は、結音ちゃんの家に駆け込む。
「どうにかならないのか?」
遥架が結音ちゃんを問い詰める。
「ん~、どうにもならないよぉ~」
困ったような顔をしながらも、さらっと答える結音ちゃん。
「家の中でも安心できないな。屋根が突然落ちてくるかもしれないし」
「そうね……。とりあえず、外に出ようかな」
どこに行ったとしても、不安は消えないけど。
私たち3人は玄関から外へ出てみた。
最初に遥架、続いて結音ちゃん、そして最後に私が玄関から出た、そのとき。
ふっ……と、影が落ちた。
「うあっ、なんだ!?」
遥架が叫ぶ。
見上げるとなにやら赤っぽい巨大な物体が……。
次の瞬間には、私はその物体に押し潰されていた。
いや、私だけじゃなく、遥架も結音ちゃんも一緒にだ。
べちょ!
そんな音が響く。
落ちてきた物体……それは、直径10メートルはあろうかという、充分に熟した巨大な苺だった。
「……お前、大きな苺を浴びるほど食べたいとか、くだらない願望があったんじゃないのか?」
遥架がジト目を向けながら指摘してくる。
まさに、そのとおりだった。
「夢が叶ってよかったね♪」
と結音ちゃん。
その日1日、私たち3人は甘酸っぱい匂いに包まれたままだった。
話としては全然完結していませんが……。
ここまでで完結としておきます。
お疲れ様でした。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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