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第5話:エディナさんのお仕事1

目標だった、一日 10000PV 1000ユニークを大幅突破!

これもみなさまのお蔭です。

ありがとうございます!






「ぉおー、なんだこれ、めちゃくちゃ本格的!なになに炉の温度は放っておくと下がります、適度にクリックして空気を送り込みましょう?そんなとこまで作ってんの?!」



 カチカチっ

      カンッカン


 カチカチカチ

       カンッカンッカコン



「むっ、う、こんなテンポでいいのか?あー、また駄目になった!」


「よし、ここで。よし、形が出来てきた………………。あとは…………………………」


「で、出来たっ。完成したぞー!!」


「なあなあなあ、今日も討伐いくんだろう?こ、これ持っていってくれないか?」


「これは、出来たのかい?」


「ああ!俺の記念すべき一本目だ!」




「エディナさーん!またあの人来てますよー」


「………………………………居ないと言ってくれ」


「ログイン情報見てるんだから無理ですよぅー。こっちも仕事にならないんです、どうにかして下さい」


「だが、断る」


「しかしエディナはまわりこまれてしまった」


「…………………………」


「…………………………」


「や、やぁ久しぶりだねエディナちゃん」





「マエストロ。また断ったんですか?」


「いや、無理だろ。あんな本数卸せねえよ。ひとりでやってんだし」


「だって、「金色の傭兵団」って言ったら、日本サーバー最大手のギルドでしょ。もったいない。弟子でも取ればいいのに」


「俺は誰かに教えるのはさっぱりなんだ。それに剣を渡す相手の顔ぐらいきちんと見たいんだ」


「そんな事だから、孤高の姫親方なんて呼ばれるんですよ?」


「女キャラだからその渾名はしょうがないんだが、中身男だぞ。別に性別隠してないのに、何故だ」


「皆知ってますよ?でも、だからこそ逆に俺っ娘イイ!だそうです」


「はぁ、もう好きにしてくれ………………………………」












          〈第5話:エディナさんのお仕事1〉

            仕事場兼おうちを探そう。  













「なるほど、鍛冶ね」


 そんなこんなで、朝ごはんをしっかりと頂いた後、本日非番らしいセリス嬢とギルドにて再会を果たした。

 ちなみに、朝のメニューはパンに野菜と果物をはさんだ物とコンソメ風のスープ。

 シャキシャキの野菜と果物の酸味がマッチしていてとても美味しかった。 


 会った当初、少しだけ気まずかったが、話していく内にふっきれた。 

 必要なのはこれから俺が、どうこの世界の人達と向き合うかだ。

 折り合いは自分の中で付けなければいけない。

 なんて肩肘を張るのもそこそこに、早速本題について尋ねる。


「そう、武器専門でいこうと思ってる。だから、炉があるところが出来ればいいんだけど………………」


 そう、俺が [Master of Artist] で培ってきた技能、鍛冶である。

 長い間やってきたのだ、たとえそれがゲームだからといって馬鹿にできない。

 それこそ、画面越しではあったが金槌の種類から大きさ、振る強さから、叩く方向まで。

 あげくの果てには金属の融解状況まで再現されていたのだから半端じゃない。

 ある意味、疑似シュミレーターである。

 そんな中でそこそこ造れていたのだ。

 他に、出来そうな事などない俺にはこれが一番だろう。



「でも、資金は有るみたいだし新しく入れても良いんじゃない?魔力炉とか色々あるみたいだし。どの道、炉心の精霊石は自前だし」


「そんなものまであるのか?!」


 と、ここでまたもや聞き覚えのない単語が飛び出した。

 どうやら魔力を元にした炉があるらしい。

 なにそれ、かっこいい。

 

 驚く俺に怪訝そうな眼差しでこちらを見るセリス嬢。

 えーとこれは、拙いか?


「そんなって、昔ならいざ知らず。今は何処も魔力炉でやるのが普通よ?」


「いや、今まで普通の釜戸でやってたから………………」


 案の定だった。

 ここではポピュラーなものだったらしい。

 内心慌ててつつも、適当に言い訳をする。

 まぁ、普通の炉を使う所もあってもおかしくはないだろうと。

 古い人間なんですよー、とアピールする。


「あら、そうだったの。って魔力炉も使わないなんてどんな田舎からきたのよ」


「あはは、まぁね………………」


「………………まぁ、いいわ。じゃあ炉も含めて探してみましょうか」


 暫くこちらを見ていたセリス嬢だったが、溜め息を一つ。

 苦笑いを浮かべ流してくれた。


「お願いします、セリス先生」


 それに、少しの罪悪感を感じながらも茶化すようにおどけて言う。

 一瞬眼を見開いた彼女だったが、互いに顔を見合わせ、どちらからともなく吹き出して笑う。

 いつか、彼女には正直に話さないとなぁ、と思いながら共に街を歩く。









 



「此所はどうかしら?」


「んー、ちょっと広さが足りないかな」


「そう、次ね」



「此所はどうかしら?」


「ここはパス。空気の流れが悪い」



「此所は?」


「んー、もう少し良い所ない?」


「此所もだめ?わりと今までのなかでは良いと思うのだけど」


「そうなんだけどね………………」


 朝方から始まった物件探しは、割と難航していた。

 わざわざ案内してくれているセリス嬢には大変申し訳ないのだが。

 こればっかりは譲れないものがある。

 正直な話、居住スペースは作業場と一緒で構わない。

 最悪隅っこに布団を敷ければそれでいい。

 ただし店のスペース、作業空間にはあんまり妥協はしたくないのだ。

 

 そんな訳で、あーでもないこーでもないと街を右往左往している内にすっかり昼を過ぎてしまった。

 ご飯もまだだったし、ひと休憩という事で少し遅めの昼食をとることに。

 

 時間の概念だが、ここでも一日二十四時間のようだ。

 ただし一年は四百日と少々長め。

 この街では時間は楼塔と呼ばれる鐘をならす塔があり、そこで3時間に一回鐘がなる事で判断する事ができる。

 時計もあるらしいのだが、とんでもない高級品でめったにお目にかかれないものらしい。







  


「さて、あそこで駄目となると…………………………」


 昨晩も来たセリス嬢おすすめの料理屋。

 値段も安く、味も良い、店の雰囲気も清楚という良いとこ取りの名店である。

 少し遅いのでランチメニューみたいなのはなかったが、普通にここの料理は旨い。

 シチューとパン、それにサイドメニューで唐揚げみたいなやつも一皿。

 もくもく、こくこくと頂きました。こちそうさまです。


 腹も膨れ、休憩を終えたので再びお家探しへ。

 中央広場を通り、東地区へと入っていく。

 次が、どうやらおすすめの最後になるらしい。


「此所ね」


 最後の場所は東地区入って少ししたところを右に曲がった所にあった。

 眼に飛び込んできたのは中々に大きい建物だった。

 外見はぼろいが中に入ってみれば造りがしっかりしているのか、見た目の割に倒壊している所が見られない。

 広さも十分どころか二階まで有る、風通しも良さそう、作業場も文句なし。

 気になるのは、なんでこんないいとこにだれも手をつけてないのか?

 大通りにある訳じゃないにしても一本角を曲がって直ぐなのだ。

 こんな良い場所を残しておく筈が。


「普通ならこんな広さの所、すぐに店が入るのだけどね」


 疑問が顔に出ていたのかセリス嬢が説明してくれる。

 なにやらここはワケアリな所らしい。


「立地条件はかなり良いからね。何人もの商売人がここに店を構えたわ。ただね、此所っていわくつきの場所でね。出るらしいのよ」


 セリス嬢いわく。

 此所には、昔人間に非道な扱いを受け亡くなったものの幽霊が出るらしい。

 人によって、髪の長い女であったり、ちいさな男の子であったりと様々らしいのだが。

 そんな訳で、どの店主も商売などする暇もなく店を閉めたのだとか。

 それ以来、此所はナニカが出るとして誰にも使われることがなかった。

 


「出る、ねぇ………………」


 所謂、俺は無霊能力者で。

 幽霊とかの現象には立ち会った事がまったくない。

 よく知り合いと心霊スポットに行ったみたのに、結局自分だけなにも見えない起こらないとかそんな感じである。

 というか、ここの人達は魔法(正確には魔導)だのがあるのに幽霊は駄目らしい。

 モンスターだと平気らしいのだが、違いが俺にはさっぱりわからん。


 第一そんなの、本当に居るわけが……りぃん………………んあ?

 少し待とうじゃないか。

 そんな、幽霊なんて居る訳が…………りぃん……、……………………。 



「なん、だと………………?」

 

 ……りぃん……?


 いたよ、出たよ。出現しましたよ。

 こう、煙りがちっちゃい人みたいな形をとったのが、セリス嬢の後ろに浮かんでおりますよ。


 

 ……りぃん……



 やばいぞ。

 なんかやたらきゃわいいのが首をかしげてらっしゃいます。

 セリス嬢ではないが、これは可愛い。

 眼とか口とかが無いし人型もどきな感じではあるが、ちっこくてふわふわ浮いてるのが愛嬌があっていい。

 じっとみつめると、困ったようにチカチカ光るのがかわいさを倍プッシュだ。

 

 え、ていうか出るってこれのこと?

 怖いどころか、お持ち帰りしたいぐらいですよ?

 むしろ、こんな可愛い生物?と一緒ならばっちこいですよ。

 あ、残念。どっか飛んでいった。

 やっぱり、ガン視しすぎたか?


「セリス嬢」


「なに、やっぱり嫌?」


「ここにする」


「そうよね、それじゃあやっぱりさっきのところ、………………えぇ!!?」


「むしろ、ここ以外あり得ない」


 驚くセリス嬢だが俺の心は既にあのきゃわいこちゃん基、この場所以外を選択する事はありえない。

 それぐらい此所は良い場所だった。

 真面目な話、自分の思い描いていた大きさぴったりだったのだ。

 そんな場所をみすみす逃す手はない。



 






「は、ほんとに良いの?もうちょっとゆっくり考えてからでも」


 表に出てからもしつこく考え直せと言ってくるセリス嬢。

 何が不満なのだろうか。

 やっぱり、幽霊が出る場所というのが駄目なのか。


「というか、幽霊とか出てきてないよ。今のところ」


 実際には出てきたのだが、きゃわいいのが。

 ただ、こうでも言わないと納得してくれそうになかったので。


「たしかに、………………そうね。そうよね、迷信よね」

 

 説得が効いたのか、やけに何度も頷くセリス嬢。なにか自分に言い聞かせるような………………嗚呼。


「成る程、苦手なのか」


「だ誰が苦手なものですかわたしはそんな幽霊なんて非学的なものなんて全然これっぽっちもええそうよほんとに怖いなんて感情がうかぶわけがないのよそうに決まっているわあたりまえじゃないそんなのがだいたい……………………」


「ちょっ、どうしたのセリス嬢!?わかった、分かったから!俺が悪かったから落ちついてセリス嬢。周りの人の眼がイタイから、いたたまれないから!」


 見回してみると、まわりの人達がドン引きだった。

 そんな空気に俺が耐えられる筈もなく。

 能面な無表情でぶつぶつと呟きつつけるセリス嬢をなんとか、引きずりながらその場を後にした俺だった。

 






 というかだ。

 こっちの方が絶対ホラーだろ…………………………。




セリス嬢無双

朝ぼらけな時間にグットモーニング、Keiです。


ちなみに気付いた方も多いかと思いますがカーグ君はセリス嬢の兄妹です。

さすがリア充。破裂しろ。


お店の場所が決定しました。

ついでに、可愛いらしい同居霊まで着いてきます。

この同居霊ちゃん、名前は今のところ決まってません。

が女の子です。……………………幽霊萌え?

だめだ、頭が沸いてきてますね。

そろそろ寝なきゃ。


ではまた次回で。


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