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幼き夏

作者: 煮田
掲載日:2026/05/07

まだ幼き夏は

はや緑の匂いで満たされていて


足の汗がとまどいを見せて

ぼくに夏を知らせてくれる


まるでこどもが憧れたようにゆうらゆうらと滑空していく鳥たちも


まだ幼き夏は

黄熱病の麦で満たされていて


指の湿り気が目によく立って

ぼくに夏を知らせてくれる


まるで自分の肺がつぶれている事に気付かずにいる虫の息声たちも


知らされたコイはとうに泳いでいってしまって

その水しぶきだけが置いてかれた


まだ幼き夏の、水しぶきだけが

まだ幼き夏の、さびしさだけが

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