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召喚された少女は何もしたくない。  作者: シルクティー


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7/7

妖精の森

昨日はおばあちゃんに言われるがままお世話になった。


おばあちゃんが作るオムライスを食べさせてもらったけど、すごく美味しくて感動した。




そんでもって、今日はおばあちゃんと共に妖精の森に出向く。


「ここが妖精の森よ」

「ただの森にしか見えないんですが・・・」

「ふふ、どうでしょうね。私も初めはそうだったわ。でもね、入ってみたら世界が変わるかもしれないわよ。」


目の前には大きな森。

お伽話で描かれていた妖精の森は花が咲き乱れ、幻想的に描かれていたので、少し疑ってしまう。


我が物顔で突き進んでいくおばあちゃんに置いていかれないように駆け足で追いかけて、私も森に入った。


「あら、珍しい。下位妖精がこんなところにいるなんて。」

「え、妖精がいるんですか?」


まだ森に入って5分も歩いていない。本当に序盤だ。


「ええ。でもとても珍しいわよ。妖精たちが住まうとこはもう少し深まったところなの。」


おばあちゃんは少し考え、私の方を見る。


「これから、何かが自分の中に入ってきそうな感覚があっても、抗っちゃだめよ?」

「え?あ、はい。わかりました。」


何かが入ってくるとはどんな感覚なのか想像はつかないが、とりあえず頷いておく。


すると、風は吹いていないはずなのに、温かい風が頬を撫でる。

同時に、視界の端で何かが光ったような気がした。


「え、何これ。」


何か、大きな力が私の中に入ってくる。そんな感覚が襲ってきた。


「抗ってはダメよ。落ち着いて、受け入れてあげて。」


言われた通りに目を閉じて深呼吸をして落ち着く。

鳥肌が立っていたが、落ち着きを取り戻し、再び目を開けると、世界は変わっていた。


「わあ・・・!ここは?さっきまで森の中にいたはずなのに。」


目の前に広がるのはたくさんの咲き乱れる花々。

さっきまでの木と草しかなかった森とは大違い。


「あら、もう本来の森を見ているのね。」

「本来の森?」



「そう。あなたがさっきまで見ていた森は、妖精たちが見せていた幻覚。妖精たちは自分たちの住処を見つからないようにするために森全体に結界を張っているの。その結界の中では、祝福をもらっていないと、ただの森にしか見えないのよ。」


「僕が祝福をあげたんだ!」


声のする方に目を向ければ、手のひらサイズの小さな羽の生えた男の子。

白い羽を集めたような服を着ていて、とても可愛い。


「可愛い・・・。あなたが祝福をくれたのね。ありがとう。お名前は?」

「僕はフィニ。風の妖精さ!」


そう言って、速い速度で私の周りを飛び回るフィニ。


「よろしくね、フィニ。私は遥。」

「ハルカ!!よろしく!こっち、ついてきて!!」


素早く飛んでいってしまうフィニを見失わないように駆け足で追いかけていく。


すると、少し開けたところにでた。


「ここは・・・!」

「綺麗・・・」


大きすぎる大木の下に、ちょっとした街のようなものが広がっていた。


「ようこそ!妖精の世界へ!ここの階段を降りれば、街に行けるから、早く行こう!」


フィニに流され、長い長い階段を下り進めていく。


「私でもここにはきたことがないよ。」

「え、おばあちゃんもないんですか?」


階段を下りている最中におばあちゃんが言った。


「当たり前さね。ここは人間が簡単に立ち入っていいとこではないはずだよ。」


確かに、幻想的で神聖な感じがひしひしと伝わる。


「ハルカはここにくるべき人間だし、おばあちゃんはハルカを連れてきてくれた人だしね!」


フィニは楽しそうにそういうが、何を言っているのか理解ができていない。


「さあ、ついたよ!まずはシルフィー様のとこに行こう!!」


誰だ。


でも。敬称が付いているということは、おそらく高位妖精。


「その必要はないよ。」

「シルフ様!」


大きな突風と共に現れたのは水色の髪をした、190センチくらいありそうな男性が1人。


「ようやく、会えたのだな。よくぞここまできてくれた。」


なぜだか頭を撫でられながらそう言われるが、24歳で頭撫でられてるのはなんだか恥ずかしい。


「私からも祝福を授けよう。」


そう言われた瞬間に、また、大きいな力が私の中に入ろうとしていた。


だが、先ほどの感覚で少し慣れたためか、落ち着くのも早かった。


「其方のそばは居心地がいいな。さあ、街を案内しよう。」


そう言ったシルフ様に手を引かれ、街の中を案内される。


街といっても、何かお店が立ち並んでいるわけではなく、妖精たちの家らしきものがたくさん並んでいた。

木で作られたものや草や花で作られたもの、きのみのようなものまで、さまざまだった。


「お姉ちゃんだぁれ?気持ちのいい空気だね。」


そういって私の方に乗ってきたのは人魚のような見た目の女の子。


「遥です。よろしくね。」

「ハルカかぁ。よろしくね。ハルカ好き」


そういって頬に小さくキスをしてくれる。

可愛すぎてキャパオーバーだ。


「ハルカは妖精からモテモテだね。」


召喚された時は不安と劣等感で押しつぶされそうだったけど、

おばあちゃんに出会って、妖精の森に連れてきてもらえて、今はすっごく気持ちが楽になった。


やっぱり、出てきて正解だったのかな。

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