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始まりの町……?

「う…ここはどこだ?」


 目を開けると、眩い光が瞳孔に突き刺さる。


 少し休んでから起き上がり、辺りを見渡す。どうやらここは、山の一部らしい。右斜め後ろに傾く傾斜と、整備された山道が広がり、辺りを苔や背の高い広葉樹が囲む。


 下の方を見てみると、広葉樹の隙間からは小さいが家の屋根のようなものが点在していた。


 とりあえず立ち上がってそこに向かいたい。そう思い踏ん張ってみた。立ち上がれはするものの、身体中が筋肉痛で酷く痛む。服は激しく汚れ、上着は一旦脱いでから砂を叩いた。


 身体を伸ばし、村に向かって歩き始める。道中は湿った苔と枯れ葉で滑りそうになるも、かれこれ10分は歩いた。


 すると、突然一気に疲れがのしかかる。天国からの”催眠”が解けたのだ。


「何だ、俺は死んだのか?」


 そう感じとった頃にはもう山道を歩いていた。それまでの記憶はある。だが、どれも他人のゲームを見ているようで気味が悪い。


「村に、向かうのか?」


 整理し切れない情報を抑えて、まずはやるべき事を記憶から汲み取る。


 死んだこと、天国に行ったこと、それを受け入れるのに時間を費やし、気づけば村の家の屋根と壁が鮮明に見え、道も小綺麗になっていった。


 すると、道中に一軒の喫茶店が立っているのを見つける。まだ村とは少し遠いが、生活感のある小さな建物で、今までの体を休めるのに充分な所だった。


「人に話を聞かないと、今いるところを把握しよう。」


 窓からは一人コーヒー豆を挽くマスターが見えた。


「すいません……」


 そう言って扉を開けると、マスターは真剣な顔を和らげ、コーヒー豆を挽く手を止めた。


「こんな時間に客か、珍しいな。注文は何にします?」


「いや、ちょっとこの町について聴きたくて訪ねてきたんだ。注文は後にするよ。」


 そう言った途端、場の空気が変わった。


「……なんだ、客人か?話なら聴くよ。」


 マスターの口調が変わり、右手で何かを探している様子だった。


「食べ物と衣服と宿が揃う所ってあるか?あと、働き口も欲しい。」


「あいにく、この村には飯屋も服屋も宿もないよ。働き口も住民が"避難"したから、ないに等しいな。」


 鋭い眼光でこちらを見つめる。予想外の返答に混乱している俺をよそに、また語り始めた。


「ここは国が指定する危険区域だ。当然国の許可がないと入れないし、旅人が間違えて訪れることもない。」


「待て、違う。俺は怪しい者ではない!」


 俺は何かを感じとり、口を開いたものの、マスターの耳には響いていなかった。


「人を騙るな"魔物”が!」


 そう叫んだマスターの手には、拳銃が握られていた。




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