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釜山の司祭  作者: 花火
You're All Need To Geet By
11/21

第三章1 よるの祈り

夜の祈りを終えると、リョンインは、寝支度を整えながらも、すぐには灯を落とさなかった。

リョンインは布団の中に身を沈めることもせず、ただベッドの上に仰向けになり、白い天井をぼんやりと見つめていた。


あのソウルの旅以来、ソジュンからのメールや電話が増えた。

彼の声音や文面には、もはや遠慮というものがなく、明らかに恋人としてのそれであった。

結局、元に戻ってしまった。


――これでは、7年前の繰り返しだ


今は、僕が許したがらないその先も、いつしか彼は焦れるだろう。

きっと、ソジュンは今まで望んだものは全て手に入れてきていた。彼にはその自分勝手さと強さがあった。


こんなことを、今さら心配している自分が滑稽に思える。再会して“友達でいいから”と言われたときに、すでにこうなる未来は始まっていたのに。

その自分にとって優しいだけのうわべの言葉に、わざと酔っていたのだ。


ソジュンという男は、常に僕の世界をゆっくりと侵していた。

彼はいろんなものを巻き込んで、壊して、自分のエネルギーの一部にしてしまう。そういう人だと思う。


普段は、気安く、こちらに気負いさせない居場所を作ってくれる。

それにつられて、決定的な一歩を与えたのは自分だった。


でも、きっと彼がいざ決意すれば、全て望む通りに強引に思い通りにする。

僕はまた、選択をしなくてはいけない。

7年前、僕は本当に選んだのだろうか。あれはただ、逃げただけだったのではないか。




先週、2か月ぶりにソジュンが訪ねてきた。

その時は、海へ向かう道を少し遠回りして、海沿いの廃墟化したマンションの前を通った。


入口の門にかけられたさび付いたチェーンを乗り越え、中に入ろうとするソジュン。

「駄目だよ。人いるから」

「空き家だろ?」

「危ないよ。勝手に住んでる人がいるんだ」

「少しだけ」


言うが早いか、ソジュンは足を踏み入れていった。

仕方なく後を追う。


入った中の一室は、ベランダのガラスが外されて、土や草が風に揺れていた。

そのベランダから海を覗くと、いつか見たように、海の向こうの高層ビルがやっぱりキラキラと光っていた。


「リョンイン」

後ろから抱きしめるソジュンが耳元に熱い息を吹きかける。

「だめだって」

拒むと、ソジュンは「わかってる」と言いながらも、服の下に手を差し入れて腹を撫でた。


その手のひらは熱を持ち、触れた部分にわざわざそれを伝えてくるようだった。

その感触を、何度も思い出してしまう。

ソジュンからの触れ合いを拒みながらも、部屋の中でひとりになると、それを思い出しうずく後ろの感覚を慰めていた。


既に罪悪感と恥にまみれているのに、いつまでも拒んでいる自分など意味のないもののように思えた。




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