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第七人類絶滅報告書  作者: ななめハンバーグカルパス
第四部 デルタは目を瞑る
91/127

調査報告書:九州地方管内「久邑」における事案

【文書番号】 2026-0104-特事

【作成日時】 2026年1月4日

【調査担当】 執行官・■■ ■■



 1. 発端


 2026年1月1日、当庁の緊急通報窓口(匿名回線)宛てに、九州地方の山間部に位置する孤立集落「久邑(くむら)」に関する通報があった。通報内容は「村が死んでいる、誰も動かない」という極めて要領を得ないものであったが、当該地域が以前より■■指定地域に近接していることから、予備調査として現地への立ち入りを行った。



 2. 現地状況および住民の異常


 同月3日09:00、調査員2名が現地に潜入。村落の境界を越えた時点で、住民全員(推定約40名)が屋外および屋内に立ち尽くしている状態を発見した。


 住民の身体状況: 全員が焦点を失った目で虚空(主に上空の一点)を見つめたまま、微動だにせず立ち尽くしている。呼びかけ、身体的接触、強い光の照射に対しても一切の反応を示さない。自発的な呼吸と心拍は確認できるものの、意識は完全に喪失しているものと推測される。


 経過時間の推定: 住民の衣服の汚損、および皮膚の角質化、周囲の排泄物の堆積状況から、少なくとも半年前(2025年7月頃)から現在の状態で固定されていたものと考えられる。この間、彼らがどのようにして生命を維持していたのか(栄養および水分の摂取経路)は一切不明である。


 3. 特異事例(集落中心部)


 集落の中心に位置する木造の広間(宴会場と目される)にて、若い女性(推定20代前半)が全裸のまま畳の上に横たわっているのを発見した。

 身体各所に執拗かつ暴力的な性的陵辱の痕跡(皮下出血、裂傷など)が認められ、体液等の付着状況から集落が「停止」した後に激しい暴行を受けていたものと推測される。当該女性もまた他の住民と同様、虚空を凝視したまま完全に忘我の状態にあり、苦痛や恐怖の感情を一切表出させていない。



 4. 村落奥地「祭壇」の調査


 集落の最奥、山林に続く不整地にて、石造りの祭壇らしき空間を発見した。


「12人分」の衣服:

 祭壇の周辺において、成人男性のものと思われる衣服、および猟犬の使役用とみられる装備品が、合計12人分散乱しているのを確認。衣服の大部分には、近距離から散弾銃(12ゲージと推測)を複数回にわたり銃撃されたとみられる無数の破損、および大量の乾燥した血痕が付着していた。


 不審な点として、現場には大量の血痕と衣服、および散弾のワッズ(薬莢の部品)が残されているにもかかわらず、肉片や骨といった「遺体そのもの」が一切存在しない。衣服は、まるで中身の人間だけが唐突に消失したかのように、その場に崩れ落ちた形で遺棄されていた。


 中央の石体:

 祭壇の最奥には、成人男性の腹部ほどまである自然石(微細な彫刻痕あり)が設置されていた。表面には赤黒い付着物の層が存在。

 調査員が現場の記録を終え、同地から撤退しようとした際、当該石体の中心部から白色の淡い発光現象が目視された。発光は数秒間で消失。カウンタによる放射線測定、および電磁波測定の数値に異常は見られなかったが、調査員2名に一時的な耳鳴りと、強烈な吐き気が発生した。



 5. 結論および上申


 本件は単なる集団狂気、あるいは外部からの襲撃事件の範疇を明らかに逸脱している。住民の忘我状態の維持メカニズム、消えた12人の武装集団の行方、および祭壇の石体が示す異常性から、速やかな隔離措置が必要である。



【特記】

 本報告書は提出後、45分以内に「極秘(レベル4)」指定に引き上げられた。

 担当調査員2名は現在、経過観察のため隔離施設へ収容中。また、久邑周辺の道路は「土砂崩れによる通行止め」として偽装され、自衛隊および警察の共同名義により完全封鎖された。

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