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第七人類絶滅報告書  作者: ななめハンバーグカルパス
第二部 文明復興庁
73/83

文明復興庁 緊急公安布告

 文書ID: 8C-RA-DECREE-OMEGA-01

 日付: 大沈黙後

 件名: 最重要情報生物ハザードの発生、および、国家反逆者2名の指名手配について


 第八人類の全市民へ。


 これは、我々の存続を脅かす最大の危機を布告するものである。


 本日、隔離研究施設「アーク」内部において、制御不能な情報生物ハザードの新規発生が確認された。

 このハザードは物理的封じ込めを破ったのではない。情報的に、我々の防御壁を内側から侵食したのだ。

 これは第七人類を滅ぼした「ロゴス・ウイルス」の派生体であり、より狡猾に、より感染力を増した新たな悪性ミーム・パターンである。


 この文明存続に対する脅威は、二名の研究者による、意図的かつ無許可の危険行為に起因する。


 文明復興庁は、以下二名を「人類の敵」として公式に布告する。


 一人目:エレナ・ペトロヴァ

 第七人類の生き残り(レリック)。彼女は自らの隔離規定を破り、過去の分析者たる本分を逸脱した。第七人類の遺物より最も危険な「パターン」を抽出し、その再活性化を試みた結果、彼女自身が新たな汚染源と化した。


 二人目:サキ・アオイ

 元・第一次接触調査部隊(F.C.E.U.)分隊長。彼女は自らの誓いと「第二次バベル協定」の神聖な原則を踏みにじった。禁断の知識に魅入られ、ペトロヴァの共犯者となり、今回のハザード発生における直接的な触媒となった。


 これをもって、エレナ・ペトロヴァおよびサキ・アオイを、クラスIV級の動的情報生物ハザードとして指定する。


 両名は現在「アーク」より逃亡、潜伏中である。

 全市民は、この二名に遭遇した場合、プロトコル・オメガを即時実行せよ。


 話すな。聴くな。目を合わせるな。


 直ちにその場を離れ、所属セクターの治安維持部隊に遭遇位置を報告すること。

 彼女らとの接触は、国家への反逆である以前に、認知的な自殺行為に等しい。彼女らの存在、身振り、そして発するあらゆる「言葉」が、我々を蝕む病原体そのものである。


 我々は「沈黙」の上に世界を再建した。

 それは、まさしくこの二名が犯した罪から我ら自身を守るためであった。

 彼女らは、我々が築いた静謐な秩序よりも、混沌の「パターン」を選んだのだ。


 沈黙を遵守せよ。

 饒舌なるバブラーを報告せよ。

 第八人類の存続は、諸君の完全なる規律にかかっている。


(この布告は、全ての公共ディスプレイおよび個人端末に最優先で表示される)

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