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第七人類絶滅報告書  作者: ななめハンバーグカルパス
第二部 文明復興庁
68/83

文明復興庁 定時広報

 文書ID: 8C-RA-PUB-NOTICE-Q3

 発行日: 大沈黙後 7.4年

 件名: 全居住区市民へ:現行の社会指針の遵守と、軽微な情報ハザードの報告について


(注:本文書は、公式言語である「基底言語ベース・ラング」から、記録のため、旧・日本語へと翻訳されたものである)


 全市民へ。

 以下の通達を、各自の個人端末で確認し、遵守すること。


 1. 沈黙の遵守について

 全ての公共空間は「静寂ゾーン」に指定されていることを、再確認する。第二次バベル協定第1条に基づき、不必要な発話は、協定への違反と見なされる。コミュニケーションは、承認されたハンドサイン、あるいは、個人端末を介した、基底言語によるテキスト通信に限定すること。


 2. 軽微情報ハザード(クラスI疑い)の報告義務

 隣人、同僚、あるいは家族が、以下の兆候を示した場合、市民は速やかに、所属セクターの公衆衛生担当官に、その個人のIDと、事象の発生時刻を報告する義務を負う。


 兆候の例: 明らかな言い間違いの頻発、意味をなさない単語の反復、理由なきハミング。

 これは、密告行為ではない。共同体の安全を守るための、相互扶助行為である。早期の検知と隔離が、我々全員を守る。


 3. エネルギー配給について

 隔離研究施設「アーク」の維持に必要な地熱伝導路の定期メンテナンスのため、本サイクルにおける、各居住区画へのエネルギー配給量を、5%削減する。市民諸氏の理解と協力を求める。


 4. F.C.E.U.の活動報告

 第一次接触調査部隊(F.C.E.U.)は、先日、旧名古屋セクターにおいて、能動的情報災害(A.I.H.)に分類される「囁く廃墟」の無力化に成功した。これにより、周辺の農業ゾーンの安全が、完全に確保された。彼らの貢献に、感謝を。


 5. 結び:記憶と沈黙

 第七人類を記憶せよ。

 彼らの遺跡は、観光地ではない。我々のための教訓である。

 彼らの言葉は詩ではない。我々にとっての毒である。


 静かな世界は、安全な世界だ。

 沈黙を守れ。


(この広報は、各居住区の公共ディスプレイに、1サイクル間、常時表示される)

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