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檻の手 ― 魔界の空飛ぶ少年少女たちの秘密基地 ―

作者:Y
 魔界の大空で逃避行を続ける潜空艇“檻の手”号に大人の乗員はいない。
 最年長で“檻の手”の持ち主であるミヤは十六歳。最年少は、ミヤの妹であるロディ九歳。ほかに三人の少年少女と犬一匹が乗っている。

 魔法使いだった両親がミヤの右手に移植した魔機肢“檻の手”は、魔力を持った子どもを受け入れて守り、引き換えにその子の魔力を取り込む。
 これまで子どもたちが譲渡した様々な魔力は、“檻の手”によって機能化され、パーツや動力として潜空艇を構成してきた。
 今や、透明術を始めとする防御魔法が施され、迎撃用の火砲が六門配備されているほか、船内に小さな図書室、医術室、農場、井戸や温泉などが設けられている。

 物語は、かねて行方知れずだったミヤの弟グィンとの再会から始まる。
 グィンは魔装強盗団の首領として捕まり、両手首を切断され、ドラゴンの生き餌にされそうになっていた。
1.再会
2024/06/27 22:49
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