「推しの命日」の巻
ここはガンダムファンのアジトの小屋、通称ホワイトベースである。
トタン屋根は、確かに白く塗られていた。
「おい。聞いたか? ザク団の奴ら、真っ赤なザクマシンガンをシャアの命日にお供えするらしいぞ」
「くっ。ザクめら、檀家が多いと思いやがって」
「待て待て。命日ってなんだよ。アムロと一緒に行方不明になったんじゃなかったのか? シャアは」
「だからその、行方不明になった日だろ?」
「いやいや、ガンダムオリジンではだな……」
「マニアックな話はいらないんだよ!」
「連邦派の檀家は浅い人が多いんだから、混み入った話はやめてくれろ」
「お供え物だ! お供え物! 形が大切なんだよ」
「マチルダの等身大フィギュアをお供えするってのは、どうだい?」
「おう。小説の方で、アムロとエッチした姐ちゃんだな」
「待ってください。わたしはテレビアニメのファーストガンダムしか見てないんです!」
「ぼくもだ。そんなエロい理由でマチルダさんをお供えするのはやめて下さい!」
推しの命日に何をお供えするか?
ガンダム団は、いつまでも話し合っていた。
(ガンダム団が)
がんだむだんが?!
お読みくださった方、ありがとうございます。
出来れば時事風俗を扱かわず、オリジナルのアイデアで勝負をしたい。
星新一先生のスタンスが、そもそもそうだった。
しかしそれは、あくまでも理想である。
ネタ不足の前には理想もウ◯コもないのだ。
今回は、そんなお話です。
ガンダムアニメは、ファーストガンダムしか見ていません。
ファーストガンダムの小説版は読みました。
そんな男の、必死のショートショートなのであります。
ではまた明日、「続・のほほん」で。