「キャンプ場にて」の巻。ミチコ&タカシ編
ミチコさんとタカシくんは、キャンプに来た。
有名なキャンプ場なので、テントは沢山あった。
「寂しくなくて良いわねえ。ねえ、タカシさん」
ミチコさんは前向きに考えていた。
「う……うん」
(こんなに賑やかとは……。こんなことなら、庭にテントを張った方が良かったんじゃないか?!)と、タカシくんは後向きに考えていた。
借りテントを張り、荷物を持ち込むミチコ、タカシの若夫婦。
ミチコさんは、ウカれていた。
「野外にテント、一度貼りたかったのよね」
家の中には、時々張って楽しんでいたミチコさんだった。
ローソクや、勾玉や、亀の甲羅やらを、曼陀羅模様の風呂敷の上に広げるミチコさん。
「ど、どうしたの? 何をするの、ミチコさん」
今さらながら、心配するタカシくん。
「来年もキャンプ場に来れるように、祈るのよ」
「呪うんじゃないよね? 亀の甲羅とかあるけど」
「占いもついでにやるのよ。幸せなひと時が過ごせるかどうか」
ミチコさんの祈りと占いは、一晩中続いた。
ミチコさんは野外テントの中でずっと祈り続けて、幸せだった。
タカシくんも、大好きなミチコさんの傍でうつらうつら出来て、幸せだった。
(仮の庵お祈りか)
かりのいおり、おいのりか?!
お読みくださった方、ありがとうございます。
次回、回文ショートショート童話「続・のほほん」は、
火曜日、明日の朝7時前後に投稿予定です。
在庫が心配な「魔人ビキラ」は、明後日の、
水曜日、昼の12時前後に投稿予定です。
ほなまた、明日、「続・のほほん」で。