「かちかち山・異聞」の巻
「かちかち山」
と言うお話をご存知だろうか?
悪いタヌキがお婆さんを殺して、自分はお婆さんに化け、家に帰って来たお爺さんに、
「美味しいタヌキ汁が出来ていますよ」
と言って、妻のお婆さんを食べさせてしまうと言う、なかなかグロでスプラッタでサイコパスな話である。
「これはあんまりだ」
と思ったぼくは、絵本の中に飛び込んで、お婆さんにタヌキの悪巧みを伝えた。
ところが、
「ふん。そんな事を言って、わたしを騙そうって言うんだね? この性悪ダヌキ!」
と、お婆さんはスリコギを手に立ち上がる。
「えっ? いや、田畑を荒らすタヌキがもうすぐ捕まってですね」
「ほうれ。タヌキがウチの田畑を荒らしている事を、なぜ知っておる?!」
と、腕まくりをするお婆さん。
「あっ。いえそれは……」
本を読んで知ったとは言えないぼく。
「き、近所の噂を聞いて……」
「ウチは野中の一軒家じゃ。騙されまいぞ、化けダヌキめが!」
ぼくはお婆さんに殴り殺され、料理されて鍋に放り込まれてしまった。
「ふん。タヌキの奴。最後まで尻尾を見せなかったね」
と言いながら鍋をかき混ぜまるお婆さん。
そこへお爺さんが、悪ダヌキを捕らえて帰って来た。
そしてぼくはタヌキと一緒にグツグツ煮られ、美味しく食べられましたとさ。
(赤の他人煮たのかあ)
あかのたにん、にたのかあ?!
この寓話には、「小さな親切、大きなお世話!」
と言う教訓が込められています。
お読みくださった方、ありがとうございます。
初めて「かちかち山」の真実を知った時は驚きましたね。
ウサギが酷い仕打ちをするのもうなずける。
そして、ウサギの酷い仕打ちを納得させるための、この話の酷い構成はどうなの? と思いました。
こんだけ悪い奴なんだから、殺されても仕方ないよね?
いや、「こんだけ悪い奴」を作って不快な気持ちにされてもなあ、と言う救いようのない読者でした、あたいは。
「この作品、泣けます!」をウリにしてる作品には、「けっ!」とか思ってましたねえ。
はい、残念な読者のひとりでしたとさ。




