「一計の借家」の巻
なかなか借りてもらえない借家に、一計を案じて小細工をする大家のハカマダさん。
そして家を借りに来た好事家は、まんまとハカマダさんの策略に掛かった。
「おや? あの庭の木は桃ですな。しかし、奇妙な形だ」と好事家のヒフミ氏。
すかさず、
「西遊記にある、かのバントウ園からの植樹と聞いております」と答えるハカマダさん。
「事実の程は分かりませんがな」と、保険を掛ける事も忘れない。
「おおっ、玄関横に生えているのは縄文式土器!」ますます興味をひかれるヒフミ氏。
「おおっ、あの鬼瓦はキングシーサー!」
「ああっ、扉のノブはダマスカス製!」
「鍵穴はヒヒイロカネ! 鍵はアダマンタイト!」
「オリハルコンは何処だ!! ミスリルは何処だ?!」
「家の何処かにあるかも知れませんな」とハカマダさん。
「こここここの家にしますっ! この家に住みたいっ!!」ヒフミ氏は両手に握りこぶしを作って叫んだ。
夜は夜で、問題の地縛霊に首を絞められ、
「一度、怨念のカタマリに首を絞められてみたかったのだっ!」
と歓喜の呻き声を上げるヒフミ氏だった。
「こっ、この確かな感触! 確かな苦しみ! かかか感動だっ!!」
一方、貸したハカマダさんも、
「今ごろ彼は、確かを感じて、死ぬほど感動していのではあるまいか?」と、ドキドキしていた。
(確かを感じる人家を貸した)
たしかをかんじるじんかを、かした!
今日は夕方5時前後に「魔人ビキラ」を投稿予定です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いされない方々も、よろしくお願いします?
ほなまた夕方、魔人ビキラ、で。