「逃げた女房」の巻
妻に逃げられ、乳飲み子を任され、ダウタさんは困っていた。
逃げた女房に未練はなかった。
お乳が欲しくて泣くのかと、哺乳びんに人肌のミルクを入れて飲ませようとした。
が、赤ん坊は飲んでくれない。
「昨日までは母乳だったもんなあ。ごめんよ、ソウタロウ」
ソウタロウを抱いてあやすが、泣き止む様子はまったくない。
「仕方がない。しからばこのワタクシが」
と、上着を脱ぎ、Yシャツを脱ぎ、肌着を脱ぎ諸肌を晒すダウタさん。
「ワタクシでよければ、ソウタロウ。存分に吸うが良い」
ダウタさんは父親の顔になって、ソウタロウの口に自分の乳首を近づけた。
ずずずいっ、と。
(父親お乳)
ちちおや、おちち!
お読みくださった方、ありがとうございます。
これは「浪曲子守唄」へのリスペクトが含まれています。
清書する前にユーチューブで、一節太郎さんの歌を聞きました。
本当です。信じてください。
信じてくれても、何もありませんが。
と言うわけで明日は、
同じ回文オチ形式のショートショート、
回文妖術師と古書の物語「魔人ビキラ」。
夕方の5時前後に投稿する予定です。
ではまた明日、魔人ビキラ、で。




