「正しい判断」の巻
「えっ? ココ様、何を言っているのですか?! 魔王討伐まで、あと一歩じゃないですかっ!」
勇者チームのひとり、戦士ダンダダは勇者ココに言った。
勇者ココたちは、魔王を魔王城の隅に追い詰めていたのだ。
「うーーん。でも、魔王ペリコローソも、だいぶ反省しているみたいだし」
と、勇者ココは言った。
「何を言うか、勇者ココよ。今まで数えきれぬ人類が殺されて来たのだぞ」
賢者シュピバは、裁判長の顔になって言った。
「その罪は、死をもって償われるべきであろう」
「で、でもでも、これ以上死者を増やすのもねえ。もう私たち、圧倒的勝勢じゃないの」
「これはボードゲームではありません、ココ様。もう、形勢的に詰んだから、あえて王の首は討ち取らないとか、あり得ません!」
魔法使いターウコギルが訴える。
「よもやココよ、魔王と裏取り引きをしたのではあるまいな?!」
ピンと来るものがあった賢者シュピバは問い詰めた。
「ななな何を言い出すのあなたはっ!」
魔王と、世界の半分をもらう約束をした勇者ココは慌てた。
「勇者の私が、そんな事するわけないでしょうがっ!!」
「どんな約束をしたのじゃ、勇者ココ。正直に言うのもまた、勇者じゃぞ」
と、迫る賢者シュピバ。
魔王の、窮鼠猫を噛む反撃を食らってもつまらん、と、勇者団ココは討伐を目の前に撤退した。
世界の半分を、チーム四人で仲良く四等分する事で合意したからである。
「ああ、勇者が俗物で助かった」
魔王ペリコローソは胸を撫でおろした。
「世界は誰のものでもない。嘘がバレないうちに、異世界に転生しよう」
ペリコローソはこうして異世界に転生し、重税に苦しんだり、好きな女性にフラれたりしながら、スローライフを楽しむのであった。
(此処に至って撤退にココ)
ここにいたって、てったいに?! ここ!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日、金曜日は、回文妖術師と古書の物語「魔人ビキラ」を投稿予定です。
夕方の五時前後になるかと思います。
在庫わずか! 盛り上がりもないまま休載に入るみたいだ。
何だそりゃ? しながら待て!
世紀末を歩く者「風骨仙人の旅路」全4話。
漂流者の職業なのか?「異物狩り」全4話。
回文ショートショート童話「のほほん」全111話。
以上が完結しています。
よかったら読んでみて下さい。
ほなまた明日、魔人ビキラ、で。




