「僧侶のお仕事」の巻
「えーー、これ全部、治療するんですか?」
回復役の僧侶が言った。
「当然だ。我々の戦いで、彼はザックザクに傷ついてしまった」
と、勇者が宣わった。
「ええ、私の攻撃魔法でこんなズタボロに」
魔法使いは落涙した。
「邪竜を倒したとは言え、申し訳ないことを致しました」
「いや、あれは仕方がなかった」
前衛のヌリカベが言った。
「あなたが爆裂魔法を撃たねば、ワシの命が危かった」
「と言う訳だ、僧侶くん。彼の治療をよろしく頼むよ」
勇者たちはそう言うと、僧侶をひとり残して先に行ってしまった。
「彼? だいたい、彼なのか?」絶大にして巨大な傷口? を眺めて呟く僧侶。
パラパラと、傷口から石や土が落ちて来る。
「このままだと、また土砂崩れもあるか」
僧侶はそう呟くと、ズッタズタの断面を、コーティングし始めた。
「これで止血になるはずだ」
(それとも、ツルツルになるまで削った方が良いのかなあ)
土砂崩れによって、崖になってしまった山の急斜面をつらつらと眺めて、その僧侶はボヤくのだった。
(崖多い大怪我)
がけおおい、おおけが?!
お読みくださった方、ありがとうございます。
「続・のほほん」午前の部。終わりました。
午後、5時頃にまた投稿予定です。
明日は、「魔人ビキラ」の投稿日なのですが、時間未定。
とにかく投稿はしたい。
ではまた、明日。「魔人ビキラ」で。