「我が名はダイダラ」の巻
暗い照明の小さな会議室で、二人の男が向かい合っていた。
「この手と足はなんだ?」
不思議そうに、パジャマから出た自分の手と足を見るダイダラ。
「虎の腕ですよ。人を切り裂くのに大層役立つでしょう」
向かい合うテンゾン博士が答えた。
「ズボンの尻に穴が空いていて、そこから尻尾が生えているのだが」
「シッポの先は、毒蛇の頭。気をつけて下さい。あなたでも、噛まれたら錯乱と嘔吐に苦しみますよ」
白衣のテンゾン博士は、歯を見せて笑った。
「この毛むくじゃらのぷよぷよした体はなんだ?」
パジャマを開いて体を指で押すダイダラ。
「狸ですよ。この国では、地域によっては天然記念物ですよ。人を騙す能力があります」
「なるほど。それでこのオレの猿のような頭は、元のままか?」
と、渡された手鏡で自分を見るダイダラ。
「はい。ダイダラさんの殺戮能力こそが、最重要なのですから」
「ありがとう、テンゾン博士。こんな身体が欲しかったんだ」
「我がヤートアダラ暗殺団に、最強の合成戦士が誕生したのですよ」
「これで目的がスムーズに進行させられるだろう」
満足そうに自分の手の爪を見るダイダラ。
「もちろんですとも、戦士ダイダラ。これから世界の要人たちを、片端から暗殺して頂きますよ」
テンゾン博士は、両手を広げて言った。
ダイダラは手始めに、目の前のテンゾン博士の喉を掻き切った。即死するマッドサイエンティスト、テンゾン博士。
「悪いな、テンゾン。オレは二重スパイなんだ。ヤートアダラ暗殺団を殲滅するために、潜り込んだんだよ」
最凶アサシン、ダイダラは、爪に付いたテンゾンの血を舐めながら、笑った。
「だか安心しろ、オレもすぐに博士の傍に行くぜ。目的を達成したら自死するように命令されているからな」
ダイダラはさらに大きな声で笑った。
(キメラ煌めき)
きめら、きらめき!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
次回、回文ショートショート童話「続・のほほん」は、明後日の月曜日、朝7時前後に投稿予定です。
昨日、回文妖術師と古書の物語「魔人ビキラ」の投稿に失敗しましたので、また、今日の昼からか、夜に投稿予定です。
明日も「魔人ビキラ」を、お昼の12時前後に投稿する予定であります。
ではまた明日、魔人ビキラで。




