「パン粉処理」の巻
「『サバ缶とトマト缶でポテトのパン粉白カビチーズ焼き』は、どうですか?」
余ったパン粉を、どう使い切るかで、話し合っている料理人たち。
「サバ缶を使うなら、『シチリア風サバ缶パン粉パスタ』は、どうですか?」
「チーズがあるなら、そこは『青カビチーズパスタパン粉だろう』」
「いや、チーズの代わりにパン粉を使うわけですから、ダブルは駄目ですよ」
「『どっすん尻もち! パン粉のフレンチトースト』はどうですか?」
「そこは『しっとり! もちもち』だろうが。ふざけてんのか、新米!」
その通り。
ルーキーは、先輩の話について行けず、ふざけたのであった。
「『千切りキャベツとカットレタスと飾り切りダイコンのそのままパン粉サラダ』は、どうだい?」
「パン粉処理はそのままだから楽だが、飾り切りが入ってるじゃないか」
「面倒な事、言うんじゃないよ」
その時、厨房に、
「手間を惜しんでは、美味しい料理は出来ませんぞ」
と言う厳かな声が響いた。
「だっ、誰だっ?!」
「余り物のパン粉処理如きにもっともらしい事を言う奴は?!」
厨房を見回す料理人たち。
ずーーーーーっと待たされているパン粉だった。
(待て暫し手間)
まてしばし、てま!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も、回文オチのショートショート、
「続・のほほん」か「新・ビキラ外伝」を投稿します。
ではまた、明日!




