「豪華なお風呂」の巻。ミチコ&タカシ編
「今日はあなたの誕生日だから、豪華なお風呂にしたわよ」
と、ミチコさんは言った。
その妻の笑顔に、
「ありがとう、早速入るよ」
と、会社から帰ったばかりのタカシくんが意気込んだ。
(楽しみだなあ。薬用風呂かなあ)
(いやいやそれは、普段もたまにやってる)
(柚子湯かな? ポンカン湯かな?)
(いやいやいや、冬至はまだまだ先だ)
(季節的に出そうなのは、カボスだ!)
(スダチでも良いや!)
スダチの香りを振り撒いて、風呂を上がる自分を想像し、浮かれるタカシくん。
風呂場に入って湯舟を見ると、そいつらは底に沈み、良い出汁を漂わせていた。
「これは一本取られた!」
と、タカシくんは思わず言った。
想像してなかったからだ。
タカシくんが、出汁が自分の身体に染み込むまで風呂に浸かったのは、言うまでもない。
そして、ロブスターの香りを振り撒きながらリビングに帰って来た夫を見て、ミチコさんが口の端に湧いた涎を拭いたのも、言うまでもない。
(ロブスター足す風呂)
ろぶすたー、たすぶろ!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日、木曜日は、諸事情あって、これから休載日にします。
たまに、投稿することもあるでせう。
無理はせんとこ、というお話です。
大事なのは投稿の持続ですが、無理のないように。
明後日、金曜日は「魔人ビキラ」を、お昼の12時前後に投稿予定です。
「風骨仙人の旅路」全4話。
「異物狩り」全4話。
「のほほん」全111話。
が、完結済みです。よかったら、覗いて見て下さい。
面白いと感じた人も、下らないと感じた人も、時間の無駄だったと感じた人も、ほなまた明日。休載日で。
穏やかな日でありますように。