「ドングリぽりぽり」の巻
枝の上で、ドングリをぽりぽり食べていて、ふと気がつくリスのリッスル君。
(あっ、この食べこぼし、ゴミだよね)
今まで考えた事もなかったのに、気がついてしまったリッスル君。
(ゴミを散らかしちゃいけないよね)
(降りて行って拾い食いするか?)
思い悩んでいるリッスル君の下を、人間が横切った。
ジャンクフードの袋に手を突っ込み、盛大に食べカスを撒き散らしながら。
そして、空になったのか、袋を地面に捨ててゆく人間。
(人間がやっているんだから)
と言う思いと、
(人間のようになってはいけない)
と言う思いがリッスル君の心の中で戦い始めた。
(良いんだよ、リッスル。食べカスは蟻が片付けてくれるじゃないか)
(リスとしての自覚を持てリッスル。人間如きの真似をするんじゃない)
悶悶として、ドングリを食べ続けるリッスル君。
そこへ、風紀委員のリス、リリスさんがやって来た。
「リッスル君、人間みたいに食べカスを散らさないでよ」
と、注意した。
「今、拾おうと思ってたんだよ!」
リッスル君は、人間のクズがいうような言い訳をした。
「ほんとだよっ。たった今、やろうとっ!!」
リッスル君は、人間の生まれ変わりだったので、いたしかたのないトコロではあった。
(屑撒きは気まずく)
くずまきは、きまずく!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」が投稿出来ますように!
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「魔人ビキラ」は、117話で第一部を終了しています。
よかったら、のぞいてみて下さい。
のほほんタイプな短い話、「新・ビキラ外伝」を準備中。
新しい投稿連載にする予定です。
面白いと良いですね!
(自信を持てよ! そんな毎日です………)